知人が13日に亡くなった。
北大で長く教職に就かれ、その後、北海道建築技術協会の専務理事を
務められていた長谷川寿夫さんです。
昨年8月には、同じく北海道の住宅関係者でありながら
東北仙台の会合で顔を合わせて旧交を温め、
またその後、12月には「住まいと環境 東北フォーラム」での研究発表を
読ませていただいたばかりでの訃報。
先生とは、北海道が推進した「北海道R住宅」の会議以来、
この6~7年のお付き合いでしたが、
その誠実なお人柄に触れさせていただき、さまざまにご教授いただいていました。
先生の事跡からすると、やや型破りなわたしどものような存在に
やさしくあたたかなお声がけをいただき、
いつも感謝の念をいだいていた次第です。
住宅性能をわかりやすくマンガで表現した仕事や、
住宅の作り手を、人間ルポルタージュで表現した仕事などに、
ちょっと縁遠いかなぁと思われる先生から、一番に
「面白いですね」という声をいただいていたものです。
まことに折り目正しい先生から、
北海道の住宅業界では異端である私どものような存在に目を掛けられるというのは、
望外のこととして、うれしく感じていました。
葬儀に参列しながら、
ひとの仕事とはなんだろうかという思いにかられていました。
とくに先生は昭和19年生まれということであり、
まだ67~68才という、今どきで言えば若い葬送。
北大を退官後、北海道建築技術協会の仕事を「天職」と考えて
尽力され、病床にあっても精力的に仕事を続けられていたと聞きました。
丹念に学究らしく誠実に事物に向かっていく姿勢には、
物静かな、しかし、人間的な迫力がありました。
まことに惜しい人材を亡くしたと思います。
写真はその葬儀からの帰路の様子です。
ひとは、気候条件の厳しいときに多く亡くなるのではないかと思います。
きのう、東京の雪のことを心配していたら、
さっそくこの時期らしい雪景色がやって参りました。
北国らしい、冬の嵐なんですが
しかしその底に、ある種の暖かみも感じられるような
こんな気象条件の日の宵の光景でした。
北海道の冬にはいろんな表情があります。
どうしようもない厳しい様子でもありますが、
こういう環境のなかでなんども過ごすうちに、あるなつかしさのような
風情がこころに迫ってくるような感覚があります。
寒さと雪、湿度が微妙に折り重なって、
やや霧がかかったようななかを車列のなかで過ごす。
こういう葬列も、また感慨があるものだなと思っていました。
長谷川先生に、合掌。