三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

屋根工事

2006年02月13日 07時05分48秒 | Weblog
わが社の社屋工事、屋根工事です。
先日も本州地区からお客様が見えられましたが、
北海道の住宅が他の地域と一番の違いがあるのが、屋根なんです。
三角屋根というのが少数派で、ほとんどが陸屋根。
無落雪屋根というようにいうワケなんです。
三角屋根では一般的には雪が落ちます。
(最近板金を工夫した「無落雪」タイプもありますが)
昔の土地割り、敷地面積ならばそれでも隣家に影響はしませんでした。
初期、札幌の土地割りは500坪が基本だったほど。
しかし、当然のように、人口が密集して日本的に都市化が進むと
土地が小さい単位になります。50~60坪が一般的になるんです。
そうすると、もう雪を溜めておく場所がなくなって、隣家に雪があふれ出す。
あふれる程度ならまだしも、場合によっては傷つけたりします。
建物の軒先で氷柱が発生し、それが屋根雪崩とともに
隣家を直撃してガラスを割るとか、ひとに怪我をさせたり、しちゃうんですね。
そんな状況から、開発が進んだのが、無落雪屋根なんです。
これには、初期のM型屋根といわれる融けた屋根雪をドレンパイプで落とすタイプと
後期になって出てきた、雪を載せておくだけというフラットルーフタイプの2つがあります。
わが社では、このフラットタイプにしています。

わが社の場合は断熱は天井で取ることにしたので
アスファルトルーフィングを貼ってから、板金工事を行いました。
さすがに広い屋根なので、職人さんが大勢で約3日かかりました。
フラットといっても融けた雪が流れていく傾斜角度は付いています。
200分の1という、ほとんど水平ですが、向かって右側が高くなっています。
屋根については、設計の当初プランではM型でしたが、
施工サイドから、いろいろメンテナンス上、問題があるので
ぜひフラットルーフにして欲しい、という要望が寄せられました。
それもこうした緩い勾配で、という希望。
そのときにいろいろ論議したのですが、ぜったいに大丈夫ですから
とすすめられたものです。
200分の1なんて、そもそも木材のたわみなども発生すれば
水がきちんと落ちないのでは、と心配しましたが
建てて丸3年経っていますが、雨の心配はまったくありません。
雪の問題も載っけているだけで問題はありません。
春先には、溶けた雪のせせらぎが楽しく聞こえてきますね。

こうしてできあがったのがわが社の屋根です。
いま問題なのは、雪庇ということは先般書いたとおり。
ちょうどこの時期、成長も最大になっていまして、やっぱり落とすことに。
ただ、玄関前の屋根が簡易なものなので心配しています。
なかなか、北海道、とくに雪の多い日本海側では、
屋根の問題は、やっぱりスッキリ解決は出来ないポイントです。
これからもいろいろな工夫が出てくるところだと思います。
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