三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

屋上の使い方

2006年07月19日 05時00分49秒 | Weblog

写真は北海道でも一番古くに
コンクリートブロックの2重積みで建てられた住宅を
上に向かって増築して、3階建て(一部ロフトもあり)としたリフォームの家です。
既存の建物は総2階のシンプルなボックスで
断熱も建物自体の熱容量を活かす外断熱工法です。
リフォームではこの断熱層の連続をしっかり計りながら
木造で増築して、出入りのための木製階段を
大胆な大きさで造作して、全体デザインに特徴を出しています。

で、面白かったのが3階ロフトに面して
屋上が作られ、植栽が周囲に回されて
気持ちのいい空が楽しめるスペースになっていること。
北海道の家って、屋根が特徴的なんです。
まぁ日本海側の地域でとくにそうなんですが、
雪の問題が大問題で、多くの解決手段として
雪を載せておく、無落雪が選択されるのです。
そうすると、デザイン的にどう考えても、難しい部分がある。
本州地域に場合は、ふつう寄せ棟を架ければ、
あとは考えなくてもいいのですが、
そこらへんが頭を悩ませるところなんですね。
そういうなかで、この家ではむしろ積極的な形で
屋上空間の利用の方向を考えています。
たしかに、3階分の高さから見ると、風景は一変して
まったく普段の生活では味わえないような
「札幌暮らし」が視界に飛び込んできて新鮮。
過日も、札幌の西部の円山地区にある設計事務所の屋上が
ジャズコンサート会場になってしまっていて
丸天井の心地よさを満喫しました。

せっかくフラットな屋根を作らざるを得ないのだから、
こういった、積極的な利用を仕掛けても面白いなぁ、と。
使い手によっては、屋上庭園にして、一生懸命「屋上緑化」に
取り組んでくれるかも知れない。
そんな「楽しめる屋上緑化」って、
デザイン的な制約を、逆に利用してしまうという意味で
伝統的な束縛が少ない、札幌っぽい考え方ではないでしょうか。
いかがでしょうか?ね。
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