三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

屈斜路湖畔に暮らす~北海道への移住者たち.1

2005年10月07日 04時57分55秒 | Weblog
屈斜路湖って、知ってますか?
最近、知床の世界自然遺産指定で、北海道東部の観光人気が盛り上がっています。で、屈斜路湖は体験型の観光拠点として人気も高くなってる。
この家は、その湖の近くに建つ大阪からの移住者の方の家。

ネイチャー志向の建て主さんと、意気投合した地元の大工さんの建てた家です。
建て方は、真壁木造。
というかポスト&ビーム。
構造の柱や梁をそのままあらわしで作るわけです。
で、暖かい家にするには100mm程度の断熱もしなければならない、そうすると勢い、よく使われる材料の倍くらいの太さのものが必要になるのです。
北海道では規格(105mm)以上のあんまり太い構造材は入手しにくい、出回っていないのですが、「あんな細い柱や梁はイヤだ。どーんとぶっとい本物で家作りたい」ということで、いろいろ手を尽くしてふんだんに地元の原木が使われています。どれもこれも200mm以上もある野太さ。
(といっても、知恵と工夫を一生懸命使って、お金はそれほど使ってないんですけどね。)

窓の枠に使っているのがようやく普通の構造材105mm。
「はぁ~・・・」と、しばらく声を忘れるほどのこだわりぶり。
「あんな細い窓枠なんて、使いたくなかった」ということだったのですが、まぁ確かにバランス的に似合わないのはわかる。
大きな三角屋根で、軒の出も十分にとって、雄大なまわりの環境にもぴったり。

建て主さんの仕事は、夏場は屈斜路湖で観光関連業を経営。冬になると大阪での仕事に戻るという2重生活なんだとか。(取材したのが10年前くらいなんでいまはどうされていますか、不明ですが)
奥さんも京都の出身とかで、台所の作られ方もシステムキッチンをポンっていうのじゃなく、細かく造作で作り、冬はクッキングストーブで調理するという本格派。

道東の暮らし良さは、こういう移住者のみなさんがむしろ一番理解しています。
「この辺、なんもないんだゎ」と愚痴ってばかりの地元民が多いなかで、自然のなかでの暮らしをおもいっきり楽しんでいる様子が伝わってきます。
楽しみ方、暮らし方っていう部分で、ホント、教えられることが多いんですよね。



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