
おととい、きのうと触れた「減築」。
具体的な秋田県での事例を写真で紹介します。
写真はphotoshop使って、1枚にしているんですが、
(問い合わせいただいたんで種明かし)
外観写真はこの家、ほとんどまったく以前と変わっていません。
断熱がまったく施されていない築40年の住宅。
これを本来、外断熱で施工したい建築会社なのですが、敷地にまったく余裕がなく
仮設足場も掛けられないことから、板状断熱材で「充填断熱」したものです。
だから外壁材が更新されたくらいで、形は変更なし。
内部も、写真で見るような間取りが前からあったのです。
だから、年をとった高齢者にとっては、使い勝手もほとんど変わらず、
そういう部分のストレスは感じません。
まぁ、電化になったので暖房器やクッキングヒーターなど
変わったのはあるんですが、あんまり生活ストレスはないようですね、そんなのでは。
断面図で表記しましたが、ごらんのように生活する1階の主要部分だけ
断熱したのです。玄関は無断熱で、大変開放的な作りですが
居間との扉から断熱ゾーンになるわけです。この扉が断熱ドア。
本来の断熱気密の考え方からすれば、ちょっと変わったスタイルなんですが
そこそこ、という考え方から断熱を向上させる、という考えもあってしかるべき。
現にこの高齢者夫婦にとっては、無上の快適空間なのだそうです。
それまでは、無断熱状態だったのですから、
はじめて「暖かい家」、というか、暖房が効果をきちんと発揮できる家
というものを経験しているに等しいのですね。
青森の旧家でも、こうした断熱向上型のリフォームを見ましたが
そこそこでも、基本的な部分をわきまえた業者さんが断熱改修すると
大きな効果がある、暖かい家が実現できるものです。
費用との見合いで、すこしでも暖かく改修する、っていう選択肢もあっていいと思います。
このブログでも何回か紹介している、新住協を指導する室蘭工大・鎌田教授は
圧縮GWによる断熱改修を提案されています。
これだと、大変合理的な範囲のコストで断熱改修できます。
平均的な床面積の住宅で100万円前後で断熱改修が行われている事例もありました。
このように家の一部分だけを断熱改修して、現代的な暮らし装置に
リフォームして、住宅機能の再生・延命を図るというのも
これからの建築業界に求められる大きな社会的な要請になってくるかも知れませんね。
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