三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

遺跡建築ボランティア

2009年07月07日 05時07分02秒 | Weblog



写真はきのうのブログでも触れた
釧路市郊外の「北斗遺跡」での復元竪穴住居の補修作業の様子。
日曜日に行ったにもかかわらず、こういう作業が行われていました。
普通に考えると、釧路市が管理する遺跡であり、
その修復作業については、月~金までの作業で、土日にかかることはないと思います。
どう考えても土日くらいしか見学者はいないでしょうから、
わざわざ、そういう日に作業を行うことはない。
なんですが、せっせとやられている。
不思議に思って、作業中のみなさんに悪いとは思ったのですが、
声を掛けさせていただきました。
そうしたら、みなさん、休日を利用してのボランティアなんですね。
こういう復元住居は、茅葺きの屋根材が雨や雪の影響で
自然素材100%ということもあって、
どんどん腐朽していく。
ほぼ毎年のように補修し続けなければ維持できないのだそうです。
毎日のように、室内で火をおこして煙を立てて茅をいぶし続けないと
すぐに劣化がはじまり、簡単に土に帰ってしまうのですね。
古代の人たちは、それこそ、毎日がこういう住居のメンテナンスだったでしょうから、
「家は使い続けていないと、すぐにダメになる」っていう
人間社会の普遍的な常識が育ってきた由縁と思えます。

でもまぁ、現代でも
基本的には家には常時、メンテナンスは欠かせないハズなんですね。
それが現代人の時間のなさから、極力、メンテナンスフリーにしたい、
という歴史上はじまって以来、というようなことになって、
いわゆる「新建材」というような材料で固めた住宅が出来上がった。
そんな欲求から、いわゆる自然素材の扱いづらさを敬遠する風潮が生まれた。
また逆に、自然素材への憧憬も育った。
聞いてみると茅束も、この釧路市内で取れたものなんだとか。
それにしても、こういうボランティアのみなさんの努力には
まったく頭が下がりますね。
おかげさまで、茅葺き屋根の補修という
興味深い建築作業についての生き生きとした情景を確認できました。

こういうみなさんのたゆまぬ努力があって初めて、
わたしのライフワークが生き生きとしたものになっています。
深く心の中で感謝の念を感じております。




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