『天国の南』(ジム・トンプスン)
表紙のモノクロ写真は、古い映画の一場面のようだ。
銀色の英文字は、角度によっては光って見えにくくなるので、一瞬、劣化した、本当に古い本だと感じてしまう。
でも、ジム・トンプスンの新刊。
古書店でなく、新刊書店で見つけたのに、いまこの作家の本が新しく出版されたのが信じがたく、古本を手に取るような気分だった。
読み進めていくうちに、これは個性的な犯罪者の物語ではないのだとわかってくる。
想像していた世界と違う。
ぶっきらぼうな中に、ときおり、真っすぐな気持ちが見えてくる。
まるで21歳そのままの文章。
ジム・トンプスンは、こんな物語も書いていたのか。
軽い造本もいい。
膝を立てて床に座り、片手で本を開く、そんな格好がきっと似合う。
写真はドロシア・ラング、装丁は黒洲零氏。(2018)
表紙のモノクロ写真は、古い映画の一場面のようだ。
銀色の英文字は、角度によっては光って見えにくくなるので、一瞬、劣化した、本当に古い本だと感じてしまう。
でも、ジム・トンプスンの新刊。
古書店でなく、新刊書店で見つけたのに、いまこの作家の本が新しく出版されたのが信じがたく、古本を手に取るような気分だった。
読み進めていくうちに、これは個性的な犯罪者の物語ではないのだとわかってくる。
想像していた世界と違う。
ぶっきらぼうな中に、ときおり、真っすぐな気持ちが見えてくる。
まるで21歳そのままの文章。
ジム・トンプスンは、こんな物語も書いていたのか。
軽い造本もいい。
膝を立てて床に座り、片手で本を開く、そんな格好がきっと似合う。
写真はドロシア・ラング、装丁は黒洲零氏。(2018)