ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

そしてミランダを殺す

2018-12-02 18:55:06 | 読書
ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』





 はじめのうち、凡庸な小説だと思ってしまった。

 しかし、読み進めるうち、それは徐々に変わっていき、やがて決定的に何か違うものだと知る。

 その後は「この展開、予想できるはずがない!」という帯のコピーを実感していた。


 章ごとに、違う人物のモノローグが続く。

 同じできごとが、異なる姿を見せる。

 その度に、語る人物に同調していく。

 人殺しの話だけど、それが悪に思えない。

 不思議な魔術にかかってしまった。
 

 カバーのタイトル文字は、ちょっと変わった組み方をしている。

 文字と文字を縦横に結ぶ細い線は、登場人物たちの関係を暗示しているのか。いや、考えすぎか。


 カバーデザインは鈴木久美氏。(2018)
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