ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

しずかに流れるみどりの川

2018-12-20 18:09:05 | 読書
 ユベール・マンガレリ『しずかに流れるみどりの川』





 父と息子の物語。

 息子はまだ小さいのに、母の影がない。

 父は仕事がうまくいかない。

 そして貧しい。

 父はたっぷりの愛情を息子に注ぎ、息子もそのことを理解している。

 
 とても薄い本だけど、頭の中で膨らんで、その何倍もの厚みの本を読んでいるかのよう。

 息子になり、父になり。


 表紙に描かれた緑の濃淡は、底の見えない物語の深みに誘う危ない色。

 少し怖く、忘れられない。


 装丁は後藤葉子氏。装画はクサナギシンペイ氏。(2015)


コメント
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