ポール・オースター『冬の日誌』『内面からの報告書』
2冊とも、同じ位置に英語のタイトル、著者名などが金文字で押されている。
手帳、あるいは高級な日記帳のように。
「日誌」と「報告書」。帯には「回想録」とある。
著者の64年の人生を振り返ったものだが、いわゆる自伝ではなく、おおいに楽しめる読み物だ。
ポール・オースターが64歳とは信じられなかった。
この年齢は執筆当時のもので、いまは70歳を越えている。
ぼくの中では、一番最初に読んだときの印象のまま、若いポール・オースターしかいなかったのだ。
語られる出来事は、時間の流れに関係なく、まるで思いつくまま、筆の進むままに並べられている。
自然な水の流れのように、淀みなく軽やかに文章に乗せられて読み進む。
幼少期のことを、驚異的な記憶力でつづる。
たとえそれが虚構だったとしても、十分に面白く、ぼくは満足だ。
子どもの頃に見た映画のストーリーを語るところでは、一緒にその映画を見ているような気分になる。
2冊のデザインの違い、帯の色。白と黒。
外して並べると、どこもつながっていないのに一体化する。
装丁は新潮社装幀室。(2018)
2冊とも、同じ位置に英語のタイトル、著者名などが金文字で押されている。
手帳、あるいは高級な日記帳のように。
「日誌」と「報告書」。帯には「回想録」とある。
著者の64年の人生を振り返ったものだが、いわゆる自伝ではなく、おおいに楽しめる読み物だ。
ポール・オースターが64歳とは信じられなかった。
この年齢は執筆当時のもので、いまは70歳を越えている。
ぼくの中では、一番最初に読んだときの印象のまま、若いポール・オースターしかいなかったのだ。
語られる出来事は、時間の流れに関係なく、まるで思いつくまま、筆の進むままに並べられている。
自然な水の流れのように、淀みなく軽やかに文章に乗せられて読み進む。
幼少期のことを、驚異的な記憶力でつづる。
たとえそれが虚構だったとしても、十分に面白く、ぼくは満足だ。
子どもの頃に見た映画のストーリーを語るところでは、一緒にその映画を見ているような気分になる。
2冊のデザインの違い、帯の色。白と黒。
外して並べると、どこもつながっていないのに一体化する。
装丁は新潮社装幀室。(2018)