ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

曲芸師のハンドブック

2018-12-18 17:50:02 | 読書
クレイグ・クレヴェンジャー『曲芸師のハンドブック』





 2008年に出版されたこの本は、いま新刊では手に入らない。

 クレイグ・クレヴェンジャーの著作も、翻訳されたものがほかには出ていない。


 本棚の奥にしまったまま、この本のことはずっと忘れていた。

 本棚から「発掘」して読んでみると、本当にこれはいい本を「発掘」したとわかった。

 しかし周囲を見回すと、この本は、地中深く埋もれたまま化石になってしまっていた。


 曲芸師の話ではないし、膝がありえない方向に曲がっている、表紙の男の話でもない。

 薬物中毒も、書類の偽造も些末なことだ。

 本筋は愛だ。この小説の中心には愛が流れている。

 秘密に気づいたとき、ページを戻して読み返してみると、そこここに愛の断片が見えてくる。(2017)





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