上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

「オペラ座」の冒険

2006-10-23 | 大ちゃんたら大ちゃんたら
スケアメはやっても、スケカナは放映しないのでは~しくしく…と思っていたらば、GP結局全部放映してくれそう。BS朝日。これでスカパーのチャンネルは追加しなくてもいけそうだ。嬉し。
どーでもいいけど、TV局って「世界一決定戦っ!」好きね。
何が何でも「頂上決戦!」と、煽りたいんですね(笑)。

さて。「オペラ座の怪人」。
・・’・。・
オルゴールの音色で、映画の如くキラキラとノスタルジックに始まります。
なぜここで踊ってくれないのだろう?と思ってたんだけど、このフリー、時間を計ってみたら4分39秒(or38秒)ギリギリだったのよね。確か男子FSは4分40秒まで…。それで動けないのかあ~。なんとも。
(でも、確か「演技時間」は“スケート靴が動き出してから~最後に止まるまで”ではなかったのか。「上半身だけ踊る」ってのも駄目なのか。どうなんだ?)
時間ギリギリなせいか、4回転に行くまでの助走がやはり短いように思えてならない。ヤグが「仮面の男」で冒頭の4-3-2を飛ぶまでの時間と比較したら、半分以下ちゃうんかいな(笑)。でもまあ、これが「現代的プログラム」なのかもしれません。決まれば「おおお」と度肝を抜くことが出来るのかも。

最初の3アクセルを跳んだあとの「ちょっとひと踊り」が超美しい♪
やっぱ、こういうトコが大ちゃんの真骨頂だ。味があるのよ。美味しいの。
それに、動きが昨年より更に洗練されてきました。指先の表情とか、特にフリーレッグが綺麗になってきた感じ。大ちゃんはやっぱ「綺麗に滑る」ことに、相当のこだわりがある。
3Lz+2Tは、最終的には3Lz+2T+2Lにするのでは(願望)。ルッツとフリップは、寝てても出来るジャンプだと思うので心配ナシ。綺麗なレイバックスピンからサーキュラーは「マスカレード」。

華やかで大きな円を描くサーキュラーステップ。「仮面ぴょこっ」の所、私も好き^^ ナマで見てて、一番サーキュラーの円が大きいな、と思った人がジョニーですが、大ちゃんも負けてない。
レベル判定がたとえ「3」でも無理に4を目指そうとせずに、このまま芸術的印象を極める方向で良いのでは。むしろ、もうちっとコミカル(軽快)でも良いような気もします。しかし大変ですね。ステップ踏みながら「演じ」なくてはならんのだから。
ステップは、エレメンツの中でもやってる時間が長くて、リンクを最も大き~く使う動きだから、「楽しいなあ♪」と思う美味しい部分なんですよね。でも、なんしかカメラアングル悪すぎて良くわからない(笑)。シーズン初めは選手がどんな演技をしてくるか未見なので、TV局側も公式練習だけでカットを判断しないといけない。だからまあこれからの放映に期待を…(大丈夫か)。

有名な「The point of no return」ですが、ボーカル版がお馴染みなのでちょっとインパクトに欠けるような。だからこそ、ここでジャンプが決まらないと乗っていけない。結構、時間が長いものね。
ストレートラインの前は「踊りながら休む」=「息ととのえる」(笑)。
私はステップはストレートの方が好きです。終盤の加速っぷりも好き。ぐいぐいスピードで押していく。すばらこいです。大ちゃん、明らかに昨年より脚力がパワーアップしてると思う。メインテーマの音符に合わせてステップを踏んでいます。
最後のスピンは速さも充分。でもとにかく「4分39秒」なもんで、1秒たりとも無駄にできん…ちゅう感じで(笑)。最後に「グラッ」とでも動いたらタイムオーバーとられるんかなー。スリリングと言えばスリリングだが。

普通、「フィギュアの王道」は「起・承・転・結方式」ですよね。
「ガ~ッと華やかに始まり大ジャンプ」→「スローナンバーでひと息いれて」→「テンポアップでムードを変えて」→「メインテーマに戻って大団円」が王道パターン。
でもこの「モロゾフ版オペラ座」は、5部構成になっていますよね。
「動→静→動→静→動」…「静」が前半と後半の2回はいっている。前半が「all I ask of you」後半が「The point of…」。
両方とも、バイオリンの繊細な美しい音色が大ちゃんの流れるスケートに良く合っている。時間も長い。でも、「スロー」が2回あることで、かえって印象が薄くなっているような気もします。私が最初に「曲調はどんどん変化してるのに、何故か通しで見ると冗長に思える」と思ったのはそのせいかな。
やっぱり普通ならば4部構成または3部構成のところを、5つのパートにしてるのでひとつひとつの時間が短くなるし「次、次、次!」って感じに思えるのかもしれないわ。もっとも、ストーリーの順番と場面を忠実に追ってシングルで構成したら、こうなるのかなー。言ってみればこれ、フィギュア競技というか「大ちゃんミュージカル」なんだね。迂闊にも今頃気づいたけど(笑)。

今はまだ、私の目には「大きなひとつのドラマ・うねり」みたいなもんが見えてこない。「勝ちに行くプロ」というより、「大+モロゾフの進化の為の冒険」に思える。毎年おんなじことはやっておれないし。
部分部分のキラキラな魅力と、もう少しなんとかしては~、な部分が混ざり合ってるので、私も複雑微妙な感想になっちまってます。でもまあ、優しくはない。難しい構成なんでしょね。
進化の過程を楽しむことに致しましょう。最早、覚悟もOK!さあさあ今、しごかれてるかなあ…がんばれーがんばれー。

(次は「映画版オペラ座」の話かこかしら・未定)
コメント (7)
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上がる瞬間

2006-10-23 | 06-07 コンペとショー
(見えづらいけどティアラにしてみましたっ)

…さて。時間がたてば元気になるなる・・・・・・なった(笑)。
「やらかしたわね大ちゃん@キャンベル」は多数の方のコメントを頂いて「はあ~そうかあ~」「なるほど~」と思いました。私も視野が狭くなりがちなので。まだシーズン始めだし、プロトコル問題は「保留」ということにさせてもらいましょう。そうだよ。そうだよな。
ただ、私は何故に故にあーまでショックを受けたんでしょうか。低いPCSに。
↓理解して頂く為に、うぐいすの心理経過を「つぶやき」仕立てにしてみました。
 関西弁バージョンであることに、私のホンネ度が現れています。

 大ちゃん
 これじゃ「赤ちゃん返り」やん
 “タダの人”になっちゃったやん
 せっかくせっかく、「ラフマニノフ」で7点台の壁をブチ破ったのに
 TOPの仲間入りを果たせたのに
 わたし…悪い夢でも見てるん? 目ェこするわ
 あそこまで行くのに どんだけかかったん思てるのん
 「Nyah」でも「剣の舞」でも「アランフェス」でも
 「大ちゃんの美しいスケートがなかなか評価されへん!悔しい!」
 胸かきむしるような思いを イヤっちゅうほどしてきたのに
 それやのに なんなん?
 これは なんなん!?????
 去年築きあげたもんは 「砂の城」やったんやろか
 「白昼夢」やったんやろか
 わたし どないしたらええんやろ
 今シーズン どないしたらええんやろ

…キテるキテる。うぐいす、キテるな(笑)。
そこまで思うかってなもんですが。
やっぱ05スケアメのFSで脅威的な点が出た瞬間のキス&クラが、私にとっては一生の宝石なんだ。胸に刻まれてる。「下位でウロウロしてた選手がTOPグループに上がる瞬間」を見るのが好きなんだ。そこに立ち会えたら幸せやなーと思うのだ。
まあ、スケアメは大ちゃんの「心・技・体」が高いレベルで一致して、私の感動とお客さんの反応、ジャッジの採点・ダントツの優勝という結果…全ての符号がピタリと合った特別な大会でした。
なにかこう、カリスマ性を帯びた空気がリンクを覆っていた。
スケートの神様が降りてきた感じ。
絵で言えば、暗い雲間から光がパーッと差してきて、空が雄大にひらけてゆく。
そんな感じ。
あの曲はラフマニノフが鬱病から脱出するきっかけになった曲…という背景も後から知り、大ちゃんの「苦しみからの復活・再生」の物語と重なり、素晴しく感動的でした。ああいう大会はいつもいつも見られるわけではない。格別の思い出として私の脳内記憶ビデオに保存されているのでした。
だから今回はショック大きかったわけですね。あれは名曲ラフマニノフが見せた幻影だったのか…と咄嗟に思ったぐらい。いやもう今はそんなこと思わないから、大丈夫なんだけど。
しかし「赤ちゃん返り」って単語が出てくる私っていったい何なんやろか(大ちゃん、ごめんよ・笑)。

ジャッジの採点等で解らない時は、例に漏れず(?)「フィギュアスケート資料室」を時々見させてもらっています。スピンやステップ等の判定は勉強になるし面白い(もちろん難しくて解らない事はいっぱい)。
演技の美しさを楽しむも良し、採点を分析して楽しむも良し、衣装を楽しむも良し、♪を楽しむも良し、ジャンプを楽しむも良し、選手のキャラを楽しむも良し、オトコマエ度?を楽しむも良し、フィギュア・人間ドラマを楽しむも良し。
「フィギュアの魅力は、キラキラと輝くクリスタルな多面体」と言ってのけたのは、あのタイホされた久永会長ですが。楽しみ方のバリエーションは百人百様なので、まあぼちぼちと参りましょう。
目前まで迫ったスケートアメリカはどうなるのかなー。
やっぱり殿の圧勝かな?ライサと互角の勝負か。「スケアメ・レギュラー」のジュベールが出ないのが、つまらないわあ~。新婚ケビン、頑張れ!

よーやくゆっくりと、大ちゃんの「オペラ座の怪人」を何回も繰り返し見てみました。最初は散漫な印象でしたが、だんだん「見えてきたゾ」な感じです。感想は次回にかこ。
コメント (5)
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