
空前絶後の面白さでした(笑)。疲れました。
全フィギュアファンは、例年より全米の日程が早く冬休み中に終わったことに、心から感謝しているでしょう。
そして決まったシングルの五輪代表は、
女子…ブレイディ・テネル、長洲未来ちゃん、カレン・チェン
私の御贔屓アシュリー・ワグナー選手は五輪・ワールドの第一補欠、そして4大陸代表。
男子…ネイサン・チェン、ヴィンセント・ジョウ、アダム・リッポン
同じく御贔屓ジェイソン・ブラウン選手は第一補欠で4大陸代表。アシュリーと同じ!
…ということで、「まさかの」アシュリー落選。グレイシー・ゴ-ルドが欠場でそれだけでも悲しいのに、アシュリーはあと一歩で届きませんでした(泣)。
最終組前の、16歳のスター・アンドリュー選手、素晴らしかったですね~。
FSの曲は「自分で歌う」という斬新さ(笑)。「ワン・モーメント・イン・タイム」は、H・ヒューストンばりの歌唱力で、つくづくアメリカには芸達者な人が多い。
「スター」ってお名前も面白いね。細身でスタイル抜群だし、クセの無い滑りで伸びそうです。彼女は4大陸にも出るので注目。
ブレイディ・テネルは今まで余り注目株ではなかったのに、スケアメで表彰台に乗って、一気に評価を上げた。そして全米ではSP・FSとも完璧。
五輪選考に合わせて調子を上げてくるところなんて、日本の坂本選手みたいですね。ディズニー・プリンセス系の端正な容姿も良いけど、「回転不足を取られない優良なジャンプ」が、今のルールに最も合致しているので、連盟も推したのでしょう。
大きな怪我から復活してきたとのことで、メンタルも強そうです。同じ「優良ジャンプ」系のロシア選手より、動きがセカセカしてなくてナチュラルに音楽表現出来るところもいい。
未来ちゃんが一番泣いたな~。3アクセル、ウォームアップでは綺麗に跳んでいたから、もうあと少し!気迫が伝わる素晴らしい滑りにやっとジャッジが応えた。。。という感じがしました。
アシュリーは少し筋肉が落ちた?そのせいなのかパワー不足に感じました。「ララランド」は、いつもの「強いアシュリー」じゃなくて、「夢見るお嬢さん」って感じでフワーッと可愛かったけど、正直、プログラムのインパクトには欠けたような…。
映画見てるからかあのメインテーマの溌剌とした曲で踊ると予想してたので、「んんんー?(これでいいの?)」って思いました。
4位でも連盟の推しで五輪行けるかな…と予想してたんですが、3位のカレンは昨年の全米優勝とワールド4位が効いたかな。難しいところでした。
選考に不満は無いけど、アシュリーのファンとしては悲しいよ

男子は大波乱でした~!
最終組前にマックス・アーロンが脱落。彼は大学でも成績優秀とか。あまりインテリ風に見えなかったので(すみません)意外でした(笑)。
今回のJスポ生中継は、FSで小塚君がゲスト解説に加わり、「杉田おじいちゃんと孫のタカヒコ」のノリに。
でも杉田さんちゃんと「小塚さん」って敬称を使ってた(笑)。
最初緊張気味だった小塚君が、だんだん杉爺と意気が合ってきて饒舌になってくところが、面白過ぎ。
「イオチサロ」を滑る黒人選手のところでは、小塚君感慨深げでした。
そりゃー彼の方が上手かったわな(笑)。この曲は休むところが全く無いので、とても難しいのだそうです。
しかし、下位選手の演技の時はほとんど「爺と孫」お茶の間トークに近いよ(笑)。
最終組はスゴかったですね。五輪選出がかかってるだけに。
まずホックスタインが脱落。SPでは綺麗に決まった4回転が…ジャンプに精彩が…ちょっと残念な出来でした。
彼は今季残りはもう補欠リストにしか名前が無いので、どうするのでしょう。キャロライン・ジャンとの結婚ネタをやたら強調するJスポ(笑)。
結婚するなら就職しなきゃね。どする!?清々しいスケートをする人なんで、もっと見ていたいですが。
さてロス・マイナー。
こういう時だけ彼は「やる」んだよな~~~~って思ってたらやっぱり!
一世一代の名演…と言っていいでしょう。
クワド含む(あやういジャンプはあれど)パーフェクト。会場中がロスをノセてました。何故か人気あるんだよね(笑)。
こっちはもう「いつコケるか」ハラハラ・キリキリしてました。
いよいよこれはパーフェクトか?となった時、小塚君が「最後の2アクセル、緊張したでしょうね(笑)」と言ってたのがおもろかった。ああいう時って一番優しいジャンプでコケてしまうのよね。でもなんとか降りたよ。
歓喜の山盛りスコアでなんと2位になりましたが、五輪には外れました…ここ数年の成績とアベレージで落ちたそうですが、うーん。ほんと難しい。他に有力選手が居なければロスで決まり、だったろうけど、リッポンとブラウンがいるからねえ。
4大陸はメダル獲って欲しい。そしたら世界ランク的にも上がるもの。
いやいやいやしかし、17歳ヴィンセント・ジョウ

SPに続けて、冒頭の4ルッツ+3T(両手上げ加点付き)を見事に決めました。そしてあろうことか4フリップも決めちゃいました。
後半の4Tで転倒して、さすがにポロポロ回転不足で減点されましたが、演技終了直後のTESカウンターは120もありました(笑)。
凄いね!もうフィニッシュの時に「死んだ~~~~~」ってぐらい、スッカラカンでしたね。昔の羽生君みたいだった(笑)。
関係ありませんが、ヴィンセントはキスクラで笑う時、ちょっと「高橋一生入ってる」と思うのは私だけですか。可愛いー

アダム・リッポン、ジェイソン・ブラウン…そしてネイサンという、「連盟のもくろむ代表(候補)」3人が立て続けに演技に入るのですが、会場のボルテージも上がる上がる。すさまじいプレッシャーでしょう。
リッポンは冒頭4ルッツで大きく転倒した際に、靴に違和感を感じ、それで最後の3回転サルコゥとルッツが抜けたと述懐してるみたいですが。う~ん。最後まで滑り切れて良かったというべきか。棄権か中断してたら終了でしたもんね…。
そう思って見たら、前半は気合十分で動きも丁寧だったけど、後半やや密度が薄くなった感じが。大崩れはなかったけど伸び悩む点数。この時点でロスよりもジョウよりも下にいる…ということは絶望的やん。
がっくりしながらも、解説陣は「これで次のジェイソンは少し楽になりましたね」と。そうやなー。ジェイソンが、いつも通りでそこそこまとめたら3位以内には入れそうですもんね。
と思いきや、「そこそこまとめる」に到達せず!なんでー!?
3アクセルが今季不安定で、シーズン進むにつれて他のジャンプまで崩れてきて気になってたのですが、「不穏な着氷」が続きました。冒頭4回転に挑むも、大きく回転不足で転倒。
彼はジャンプが悪い時でも他の「踊り」部分は絶対に崩れないので、そこは大きな長所だけど、さすがに解説陣も「PCSで稼ぐといっても…限界がありますしねえ」なんて言ってる。
キスクラで暗くならずに、はしゃいで見せるジェイソンはいつも通りだけど、私も胃に穴が開くよ…点を見たくないよ…あー。TES60点台だし、PCSも抑えられてる。
ジェイソンに救済点は出さなかったかー。つうか救済しようがなかったので、ジャッジも「あきらめた」感がありました。若いヴィンセントが天井点を出したので、「見切られた」とも言えますか。。。(つらいー)
さてこの「2トップ御乱心」状況で登場する若きディフェンディング・チャンピオン。すごいなー。こんな状況で最終滑走って。私だったら心臓爆発して即死してるよ(笑)。
ネイサン・チェンは名古屋ファイナルのあとインフルで2週間滑れなかったそうですが、そのせいなのかなんなのか、4ルッツを抜いてきました(SPも)。
4フリップ+3トゥ、4フリップ、3ループ、(→ここから後半)4トゥ+2トゥ、4トゥ、4サルコゥ、3アクセルがパンクして1アクセル、3ルッツ(3フリップだったっけ?)+1ループ+3サルコゥ
覚えてる限りではこんな構成でしたが、一応転倒せず3アクセルのミス以外はまとめました。
FSが210点でしたが、昨年初優勝の全米を見返したら、今回より点数高いんだよね。4ルッツとアクセルミスの分かな。
まあ国際規準にしたらPCSは89~90かなあ。でも会場がすんごい盛り上がったら、92位まではいくかも。
今回の全米は最終滑走で大きなミスなし、だったから、ジャッジも94点出しました。
全米で「誰がどう滑ってどんな点を出すか」は世界も注目してるし、アメリカの連盟も五輪金メダル狙ってるだろうから、派手にアピールしとかなきゃね。「ウチの子は凄いんですから!」って

ロスが落ちてリッポンが滑り込み、でもジェイソンは落選…私にとっても悲喜こもごも。ああジェイソンのあの美しい滑りが五輪で見られないなんてー。。。
その分、リッポンには頑張って欲しいよ。目標は5位以内!そしてルッツを降りてくれ!
ネイサンは不調ながらもまとめてきて、こうなると五輪メダルの行方はますますわからなくなりました。でもネイサンの魅力は、ジャンプだけではない、「エモーショナルな滑り」ですね。ぜひ五輪本番では、バクハツして欲しいです。
全米選手権では恒例の「功績をたたえる」セレモニーがあり、懐かしのディック・バットンさんとか、クリスティ・ヤマグチとか、マイケル・ワイス兄さんとか、いろんな方が出てきました。ワイス兄さんは現役時より男前(笑)。
アメリカではフィギュア選手は高学歴の人が多く、ハーバード出て医者とか弁護士とか、しっかり将来を見据えてる人が多いそうです。
リンク数がそもそも多いから「勉強しながら(働きながら)スケートをやる」ことが可能になるのも大きいと思う。
日本でも「功績をたたえるセレモニー」が毎回行われるぐらいに、歴史が積み重なって欲しいな。毎回全米を見ていて感動するのは、こういう「みんなでフィギュアを盛り上げよう」って心意気を感じるから。
日本は、「息をつめて見守っている」感があるけど、あちらのお客さんってもっと「楽しんでる」って感じがする。お祭りワッショイみたいな。そこが好き。
ホンマに今年も感動しました。ありがとうございましたあ(ペアとダンスも見なくては)★