幸せアップ+α

TVを見ていることが多いし、いろいろ感じることがある。

養老孟司さんのインタビュー記事から

2015-05-02 08:10:06 | 心に響くことば

GWですね~。

昔からGWはどこも込むので、あまり出かけなかった。子どもたちとは夏休みに旅行に行った。

 

養老孟司(東京大学名誉教授・昆虫採集で世界を飛び回る)さんのインタビュー記事から。4月8日。

100年前を生きた夏目漱石の苦悩を通して、現代社会を見つめる。

 

自分とは、漱石も苦悩

『我輩は猫である』と『三四郎』が特に好きで、漱石は若い頃から読み返してきました。

漱石の中で西洋文明の個の感覚と、江戸以来の日本の文化がぶつかり、抜け道がなくなったのだと思う。

漱石が悩んだ問題は、現代の日本社会にそのまま重なります。

僕の生き方はローカルだった。科学者は英語で論文を書き、海外の科学誌に発表する。

完全なグローバル基準。

しかし僕はある時からそれをやめた。日本語しか書かない。論文形式をとらない。

土俗に徹したから『バカの壁』シリーズは600万部を越えました。英語で書いても売れません。

西洋風に教え込まれて、今は世界中で個性を伸ばせという。

自分探しという言葉を聞くたびに、探しているお前は誰なんだよ、と疑問を呈するのですが、

個性は伸びるものではありません。認めるしか、しょうがない。

血液型が生まれながらに決まっていて伸びないようにね。

西洋と日本は言葉の作りから違う。

日本語には主語がなくてもよい。「私」がないから責任者もいません。

書類の決裁で課長、部長と順繰りに判子を押していくでしょう。

僕にはあれが「ここに判子を押した人は、この件について一切の責任を持ちません」と

言っているように見える。

明治維新は人々が信じていたものが全てひっくり返った。敗戦もそれに近い。

僕は、世界はでたらめで動いていると思って生きています。

昭和20年8月15日を知っているから。小学2年生でした。

大人たちは前日まで本土決戦たと言ってバケツリレーや竹やり訓練をしていた。

それを、嘘だなんて思わないでしょう。終戦と聞いて、ひざの力ががっくとぬけた。

先生より権威のあったお国の教科書を墨で塗りました。

そうなると、子どもは、ひとりでに何が信用できるのか考える。

若い人たちは「だまされた」と思うことがあるでしょう。

僕は早めにだまされて良かった。だまされないと大人になれないから。

漱石は晩年、「則転去私」の思想に至る。天に則り私を去る。無我ですね。

最後は日本に戻ってきた。それが漱石の解決だった。

今の日本は、どっしりと落ち着いて、ローカルを本気でやる時期だと思う。

 

さすが、ベストセラー作家は、視点が違うと思った。

「バカの壁」は面白かったけれど、なにも覚えていない

判子を押すって、そういうことだったのね

以前、TVで彼のお母さんのことを見たことがあった。

養老孟司さんのインタビュー番組でお母さんの思い出の中で、放送されたのだったかな。

開業医で高齢になっても亡くなるまで現役だった。

お母さんは、とても忙しかったので、子ども時代は自由に育ったような事を言っていた。

お母さんは、臨床医は命を預かる仕事なので大変なことだと言われたそうで、

解剖医になったと言っていたと思う。お母さんも立派な方だった。

 

 

 

 


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