新聞記事から。
岸田政権の課題
処理水「伝わる発信」を
風評被デマ対策 不十分だった
東京大学准教授 開沼博 氏
福島県いわき市出身で福島の復興や原発の
廃炉などについて研究する。社会学者。
___ 政府は、東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」を
海洋放出する方針だ。
国際原子力機関(IAEA)は放出の妥当性を認める報告書を
公表した。科学的知見に基づき、客観的な立場から検討された
報告書の意義は大きい。
にもかかわらず、「原発事故に由来する健康被害がある」と
いう風評がある。国連科学委員会などは、
「事故による健康への影響は低い」とする研究結果を
出している。こうした事実は必ずしも知られていない。
国内の一部メディアが、日本がIAEAに多額の資金を拠出し、
IAEAの中立性が疑われるという記事も流した。
実際には中国の分担金の方が高い。
政府は、正しい事実を元に遂次反論し、
風評が広がらないようにすべきだ。
___ 政府の風評対策は十分か。
政府は「福島の食品は安全だ」「福島に観光に行きましょう」と
いったキャンペーンは行ってきた。
しかしながら、風評の原因である誤情報への対策は
不十分だったのではないか。
政府や政治家が全面に立って、「伝わる」発信を心がけて
いくことが大切だ。
___ 中国は処理水を「汚染水」と呼んで放出に反対している。
安全保障を巡る日本との関係悪化などが複雑に絡み、
中国はこの問題を外交カードにしている。ただ、中国も
インターネット上の言論を完全に統制できているわけではなく、
科学的な書き込みをしている人もいる。
こういった層に対し、科学的に正確な情報を
透明性高く発信し続けるべきだ。
そもそも、処理水に含まれるトリチウムは外国の原発からも
排出されている。
東電は年間放出量を22兆ベクトル未満に抑える計画だが、
中国の泰山第三原発は2020年に約143兆ベクトルを放出した。
茂木幹事長が7月25日の記者会見で、
「中国で放出されている処理水の濃度がさらに高いのは
事実だ」と指摘した。その上で、
「中国には科学的根拠に基づいた議論を求めたい」と
主張したのは画期的なことだ。
岸田首相も同じ日に、安全性を説明する外務省が作った
英語の動画を自らのツイッターに掲載した。
今後もこうした取り組みを積極的に積み重ねる必要がある。
・・・
ニュースを見ると、中国は「汚染水」と言っている。
言った者勝ちでは困る。
この記事は分かりやすかった。
福島には、来年には行きたい。来年の事を言っています。
言うことで実現できそう。