中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

競馬場

2007-04-03 10:13:29 | 身辺雑記
 初めて競馬場に行った。馬券を買ってレースを見るつもりはなく、かねてから一度競馬場と言う所も馬も見たかった。それにこの阪神競馬場は桜がきれいだと言われているので、それも見たかった。

 この競馬場は何年か前に大改造された、関西でも有数の大きな規模のもので、非常に立派な建物が造られている。最寄りの電車の駅を降りると国道の向こう側に見える。以前は競馬開催日には道路を渡ろうとする群衆で大混雑していたが、今では駅から地下道で通じている。

 地下道に通じるエスカレーターを降りて少し歩いたところに、馬の人形の置物がある。競馬場に向かう人がこの人形の頭を撫でていく。「当たりますように」というまじないらしく、痛いところを撫でると治ると言う信仰のある「おびんずる(賓頭盧)さま」のようなものなのだろう。


 巨大な建築物である。競馬場と言うイメージから遠い。この裏側に広いコースがある。


 馬が見たいので、とりあえず競馬好きの卒業生が教えてくれたパドックに向かう。観客が出走前の馬の状態を見てチェックするところである。

 
 出走時刻の30分前になると、厩務員に伴われた出走馬が入ってきて、パドックを回り始める。競馬新聞を手にした観客が赤いボールペンなどでチェックしている。熱心なものである。






 馬という動物は美しいものだ。何か気高い感じさえする。内田百はある随筆の中で「動物の顔の中で、牛の顔は大儀そうであり、馬の顔はばかばかしいが、見ていても別に腹は立たない」と書いているが、これは当時市中で荷車を曳くなどの使役に使っていた駄馬のことを言っているのだろう。私も駄馬を見たことはあるが、ばかばかしい顔をしていると言うよりは少し物悲しそうに見えた。しかし競走馬のサラブレッドなどになると、顔つきには品位があり、体型は惚れ惚れするほど素晴らしい。






 親子連れの観客がかなりいる。昔ならちょっと考えられないことではなかっただろうか。有名な武豊騎手以来、顔立ちの良い騎手が多くなり、女性の競馬ファンが増えたのだそうだ。


観客席。


 「各馬一斉にスタートしました」という瞬間。
 
 
 初めは団子状だがやがてばらけて来る。観客の一喜一憂が始まるのだろう。

 
 懸命に走る姿を見ていると何だかいじらしく思えてもくる。

 
 一頭が抜け出す。そのままゴールインすると場内にはどよめきが起こる。




 
 競馬場には競馬のための設備だけでなく、公園や遊園地のような設備もあることを初めて知った。たくさんの親子連れが来ているが、どうやら競馬がお目当てでなく、ちょっとしたピクニックに来ているような様子だった。

 噴水や花壇があって、小さな子どもが楽しそうに駆け回っていた。




 スタート地点を見下ろすような、土を盛り上げて芝生を植えている場所があって、たくさんの人達がいたが、皆が皆走っている馬に目を向けるようでもなく、シートを敷いて弁当を食べたり、寝転んだり話したりしている。はしゃいでいる子どもも多い。




 スペースキッズという子ども達のための遊び場もある。大勢の子どもが賑やかにはしゃいでいた。平日には無料で入場できるので、幼稚園の子ども達がよく遊びに来るということだ。


  スペースキッズでは、桜は7、8分ほど開花していたが、他の場所ではまだほとんど咲いていなかった。4月8日の日曜日には桜花賞と言う大きなレースがあるが、そのときにはおそらく満開になり、レースの名称にふさわしいものになるだろう。ただし、徹夜で開門を待つ人もいて、大変な人数の観客が押しかけて、身動きもできないようになると言う。桜と馬の取り合わせも見たいものだが無理な話のようだ。