ナチュラルな暮らし

穏やかな日常の一コマ

リ・シンビズム そして未来へ 展~茅野市美術館~

2024-09-05 | ミュージアム

今まで何年かかけて県内の美術館で開かれていた「シンビズム展」…県内の美術館の学芸員さんが選んだ県ゆかりの新人作家さんの展覧会ですが、それを振り返る意味で再び選ばれた作家さんたちの展覧会でした。今まで何度もあちこちの美術館に足を運んでこの「シンビズム」展を見てきたのですが、その振り返り展のようでもありました。まずは「茅野市美術館」です…JR茅野駅前に「茅野市民館」があって、そこに美術館、大ホール、図書館などが入っています。

     

     

 

この日はホールで住宅施工会社のイベントがあって賑わっていました。美術館は静かでこちらは館内からの写真です。

     

 

「シンビズム」とは「信州の美術の主義」の意味の造語で、新しい美術、真の美術、親しい美術等の意味を含んでいるそうです。行われていたのは「リ・シンビズム2 そして未来へ」です。17名の作家さんの作品が展示されていました。

  

     

        

 

館内の写真撮影は可能でしたが、個々の作品でなく全体を撮ってくださいとのことでした。それぞれ注目すべき作品たちばかりでしたが、以前に見た作家さんの作風の変化などにも注目して観てきました。

     

     

     

     

     

 

たくさんの作品たち…静かな空間でじっくり鑑賞することが出来ました。その後、原村まで足を延ばしましたのでその風景です。茅野から御柱街道で原村に向かいました。左に蓼科山を望みながら行きました。

     

     

 

田んぼの稲は黄色く稲穂を垂れ、収穫の時を迎えつつありました。途中で田んぼの中の「サギ」に出会いました。

     

     

 

原村は高原野菜の産地です。キャベツ畑と原村から望む諏訪湖の風景です。

     

     

 

美術館の作品との出会いでは、若い作家さんたちの作品制作へのエネルギーを感じ、こちらも元気をもらえるような気がしました。久しぶりに原村に出かけたのも嬉しいことでした。原村の庭の様子は次に続きます…

 

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さまざまな生き物~松本市立博物館~

2024-09-01 | ミュージアム

この時期の「松本市立博物館」の企画展は「生物多様性と松本~すぐとなりにあるワンダーランド~」でした。「生物多様性」についてはこのように解説されていました。

     

     

 

「生態系の多様性」では近縁のチョウの仲間でも食べる植物が違うこと、有毒生物は互いに似ることで外敵への警告の効率を上げていることが紹介されていました。

     

     

 

「種の多様性」では様々な蝶が展示されていました。大きなチョウとヒメシジミの小さなチョウの比較もありました。

     

     

 

チョウはガの仲間(鱗翅目)のほんの一部だそうで、日本にいる鱗翅目5000種以上のうち、チョウは250種ほどだそうです。世界では鱗翅目16万種のうち、チョウは1.5~2万種といわれているそうです。ガにも美しいものがいます。たくさんのクワガタなどの仲間も展示されていました。

     

     

     

 

家紋に使われている植物の紹介もありました「「松本」城の前身といわれる「深志城」を拠点に北信へ勢力を伸ばした「武田氏」とその後に城主になった「小笠原氏」の家紋は「ヒシ」です。

     

 

「石川家」の「ササリンドウ」、「松平家」の「三つ葉葵」、「水野家」の「オモダカ」に注目でした。

     

     

     

 

松本ゆかりの作家と歌人も紹介されていました。「北杜夫」は「どくとるマンボウ昆虫記」を描いたほどの昆虫好きでエピソードもたくさん(あがたの森文化会館「旧制松本高等学校」でも見ました)あります。「窪田空穂」は松本出身の歌人で、動物や植物を題材にした歌をたくさん詠んでいます。

     

     

     

 

昆虫たちが描かれた馬具も展示されていました。トンボ、カマキリ、セミ、チョウ、スズムシ、キリギリスなどが登場しています。漆塗りに螺鈿細工の立派なものです。

     

 

市街地でも見られるチョウの標本や変化してきているものの標本などたくさん展示されていましたが、載せきれません…気になったものだけ取り上げてみました。

     

     

     

     

     

 

松本市では毎年、市民が参加して生き物調査をしているそうです。そのまとめもありました。トンボの調査です。

     

     

     

 

こちらは「ホタル」の調査と「セミ」の調査、それに「カエル」の調査の記録です。市民参加型の調査とはなかなか良い企画と思いました。

     

     

     

     

 

3Fの常設展も見ましたが、前回の見学時と大きな変化はなかったので省略します。松本市立博物館へ~常設展と街歩き~ - ナチュラルな暮らし (goo.ne.jp)

1Fは松本市の「クールシェア」の場所として開放していますとのPRがあって、暑い日でしたし、テーブルと椅子の席は満杯の状況でした。その一角に「満蒙開拓団」の記録の展示がありました。松本市からも戦時中に満州へ開拓団として行かれた方がいたようです。

     

  

 

「満蒙開拓平和記念館」(母の教え子から満蒙開拓団出発の時にもらった手紙を寄贈したの施設)の紹介もあり、当時の満州の写真も見てきました。満蒙開拓団関連の書籍も機会があったら読んでみようと写真に納めました。

     

     

     

 

博物館前の「大名町大手門井戸」と側溝のふたに描かれた「松本てまり」です。

     

     

 

帰り道でもソバ畑のソバの花を眺めました。秋の気配が迫って来ています…

     

 

松本近辺の動植物についてあれこれ知ることが出来た松本市立博物館の企画展でした、この日は少し松本の街中も歩きましたので、歩数は6438歩でした…

 

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鳥のはく製と講演会~八ヶ岳美術館~

2024-07-10 | ミュージアム

原村にある「八ヶ岳美術館」で「世紀を超えた鳥類標本の全容」と題する企画展が開かれていて、その標本を所有されている「林正敏」さんの講演会もあって参加しました。「八ヶ岳美術館」は標高1350mの所にあって、そこに登っていく道沿いには「アナベル」が植えられていて咲き出していました。

     

     

 

美術館の敷地には「カラマツソウ」が咲き、「清水多嘉示」の作品が展示されています。館内にはたくさんの「清水多嘉示」作品がありますが、館内は撮影禁止ですので屋外の作品です。この2枚目の「みどりのリズム」は岡山の後楽園にもあって、訪れた時に出会って驚いたものです。

     

     

  

     

 

今回の企画展はその膨大な資料が「国立科学博物館」に収蔵されるということで、その前に緊急展示となったようです。科博への収蔵が急遽決まったとのことで、年間計画がたたっていたところをやりくりしての貴重な展示でした。

     

     

 

鳥のはく製や卵、軸図や掛図、道具類等々、3000点にも及ぶ資料…それらの行く末が気になっていてあちこちの博物館に当たっていた林さんですが、この度これらが鳥類の学術資料として重要なものとの判断で国立科学博物館に収容されることになったそうです。貴重な鳥類もたくさんあって、これから遺伝子解析なども為されるようです。展示物も膨大な量でしたが、その一部です。

      

   

  

     

 

はく製には本剥製と仮剥製があるそうです。写真上は本剝製、下が仮剥製のものです。この展示には仮剥製のものが多かったです。

     

     

     

 

ここでこのコレクションの所有者「林正敏」さんの講演を聞きました。林さんは岡谷市川岸地区のご出身、長く日本野鳥の会の諏訪支部長を務められ、塩嶺小鳥バスの案内もされておられる方です。

     

     

     

 

さすが元新聞記者、丁寧な記事も作られ、資料も駆使して納得の内容の講演でした。講演の後には参加者の中から鳥類研究の先生方(NHKこども電話相談室出演の先生も)のお話や元信州大学諏訪臨湖実験所の沖野先生のお話などもお聞きでき、いい時間が過ごせました。

  

 

この日の美術館屋内の天井の様子…このレースのカーテンがいい雰囲気を出しています。

   

 

少し時間があったのでここの「原村歴史民俗資料館」の部分も見ました。原村には大きな縄文遺跡(阿久遺跡など)があってたくさんの出土品があります。その一部がここに展示されていました。昨年秋に阿久遺跡の収蔵庫を見学した時の記録はこちらです…阿久遺跡見学会 - ナチュラルな暮らし (goo.ne.jp)  

今ここで注目の土器はこの「顔面装飾付き釣手土器」です。愛称は「フゥーちゃん」だそうです。

     

  

 

こうした土器を巡って御朱印を集めることもできるようでちょっとビックリでしたが、興味深かったです。このフゥーちゃんは「中部土偶札所巡り 三十一番」の札所だそうです。

     

 

美術館は木立の中にありました。「シモツケ」の花が咲き、キノコも生える林の中です。帰りもアナベル街道を下ってきました。

     

  

     

 

国立科学博物館へ収蔵されれば、なかなかお目にかかる機会が無くなるたくさんの資料を目にすることが出来、丁寧なお話も聞けてとっても良い機会でした。いい機会を設けて下さった美術館に感謝でした…

 

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恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館へ

2024-07-03 | ミュージアム

「浜離宮恩賜庭園」の後、新橋に出てそこから恵比寿へ…「東京都写真美術館」が次の目的地でした。恵比寿駅から「恵比寿ガーデンプレイス」に向かいました。その一角にこの美術館はあります。高いビルに青空と雲の動きが映ってきれいでした。

  

 

アガパンサスやローズマリーの植栽された場所の左側下方には山手線が通っています。

     

 

「東京都写真美術館」で開催中の企画展…この中で「今村光彦 にっぽんの里山」写真展とTOPコレクション展「時間旅行」を鑑賞しました。ここは日本はもとより世界的にも数少ない「写真と映像」を専門とする美術館です。

     

 

まずは3Fの展示場へ…ここでは「時間旅行」と題してここのコレクション展が開催されていました。100年前からのコレクションをテーマごとに展示していました。

     

 

1~5の部屋に分かれて展示がありましたので順に記録していきます。ここでは写真撮影が可能でした。第一室「1924年-大正13年」では今から100年前の作品が紹介されていました、1924年は関東大震災の翌年です。

     

  

     

 

第二室「昭和モダン街」は1930年代の活気にあふれた東京が紹介されていました。朝日グラフの表紙や昭和の初めの広告ポスターにも注目でした。

     

     

     

  

  

     

     

 

第三室「かつてここでー「エビスビール」の記憶」ではこの美術館のある「恵比寿ガーデンプレイス」の場所にあったビール工場の紹介でした。ビールの名前「エビスビール」はこの町の地名にもなっています。

     

     

  

 

第四室「20世紀の旅ーグラフ雑誌に見る時代相」ではアメリカの雑誌「LIFE」や「アサヒグラフ」の表紙から時代の変化を紹介していました。

     

     

  

  

     

 

第五室「時空の旅、新生代沖積世」では100年前の写真と現代の作品を一緒に展示してありました。

     

     

     

 

宮沢賢治の詩の世界のように、時間と空間を越えた旅ができたような、素敵な企画展でした…

この後2Fの「今森光彦 にっぽんの里山」展をみました。ここへ行った目的はこの企画展でした。NHKで放映された里山の四季の映像を見て以来惹かれた作家さんです。この方の撮られる里山風景はどこか懐かしい日本の原点のような雰囲気がありつつ、そこに映し出される植物も動物も生き生きしてこちらも元気をもらえました。この企画展は写真撮影禁止でしたのでパンフレットの写真と絵葉書からの写真です。

     

     

     

 

とっても素敵な企画展を見ることが出来て満足の美術館でした。

この「恵比寿ガーデンプレイス」は1994年開業とのことですが、なんと私にとっては初めて訪れる場所! 何年か前に恵比寿から日本画の「山種美術館」へ行ったことがありましたが、こちらは足を延ばせなかったです。 その昔はビール工場があって恵比寿駅も貨物駅の様相を呈していました。田舎に帰省する際、「チッキ」で小荷物を送るのに恵比寿駅まで何度も来たものです。大昔の話ですから今の変わりようは目を見張るばかりです。

ガーデンプレイスの建物と咲いていた花(アガパンサス)と恵比寿駅直結の動く通路「スカイウォーク」です。この動く通路がありがたかったです。

  

     

     

 

この後、買い物をして夕方の新宿発の「あずさ」で帰ってきました。充実の2日間が過ごせて良い旅となりました。東京ではいつもたくさん歩きます。今回は行く場所を絞ったつもりでしたが、歩数の1日目は11861歩、2日目は16124歩でした…

     

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ゆとりの空間~DIC川村記念美術館~

2024-06-26 | ミュージアム

3万坪もの広い庭園を散策した後、美術館に向かいました。この美術館はDIC株式会社が収集した美術品を公開するために作られた美術館で、17世紀から21世紀の作品が収蔵されていて、随時展示されています。この美術館の建物は建築家「海老原一郎」の設計です。それぞれの作品にふさわしい、ゆとりのある空間づくりを目指して建てられたそうです。DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art

     

 

エントランスの空間もその天井やステンドグラス、光の差し込む窓辺や階段部分などとっても素敵でした。

     

     

  

 

中庭部分を眺められる場所には、この美術館についての説明書きがありました。

     

     

     

 

館内の作品は写真撮影禁止で写真がありません。まずはパンフレットからこの建物と作品展示のゆとりのある空間を見て下さい。

     

     

 

たくさんのコレクショの中ではこの「レンブラント」の肖像画「広つば帽を被った男」が有名です。一部屋にこの作品一点だけを展示するゆとりの空間…じっくり鑑賞できました。絵葉書より…

     

 

他にたくさんの注目作品があったのですが、絵葉書から「藤田嗣二」の作品と「パブロ・ピカソ」の作品です。

     

     

 

その他、「ルノアール」や「モネ」、「シャガール」や「マチス」等々…たくさんの作品に出会うことが出来ました。20世紀以降の作家さんでは「カンディンスキー」、「エルンスト」、「マグリット」、「ロコス」のシーグラム壁画も圧巻でした。「ステラ」の作品は展示室でも美術館入口でも存在感を発揮していました。

     

 

この時の企画展は「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」でした。「カール・アンドレ」は20世紀後半~のアメリカの彫刻家、詩人で今回が日本での初個展だそうです。木や金属や石を使った作品は一部触れることもでき、存在感ある作品を身近に見ることが出来て感激でした。

  

 

この美術館での鑑賞の後、娘夫婦とは別行動…ここから佐倉駅まで無料送迎バスが出ているのでそれに乗って駅まで行き、JR総武線快速で1時間ほど、品川に向かいました。バス停にあった「飯田善國」の作品と駅まで乗ったバスです。

     

     

 

広い庭と充実の美術品を鑑賞できてとってもいい時間が過ごせた「DIC川村記念美術館」でした。このバスは総武線の快速と接続できる時間に設定されていて、20分ほどの距離も佐倉市の様子を見学しながら行くことが出来ました。美術館でも毎日ガイドツアーをしてくださっていたり、雨でしたので一人一人にタオルを配布して下さっていたり、たくさん休憩場所があったりと配慮溢れる美術館でした…

     

 

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