「マツモト建築芸術祭」の続きです。午後一番に訪ねたのは「割烹 松本館」です。明治23年創業の老舗料亭です。建物は目黒雅叙園に感銘を受けた2代目当主が松本にも…と考えて昭和10年に建てたもので、国登録有形文化財に指定されています。まずはその豪華絢爛な大広間から…ですが、その正面入り口はこんなすっきりした佇まいでした。屋内の豪華絢爛とはちょっと雰囲気が違いました、
天井・障子腰他の絵画は、金子嶺挙の作品で約3年8ヶ月松本館に滞在して描かれたそうです。天井蛇腹に鶴、障子腰には亀、そして天井中央には百花百鳥を配して、祝いの席にふさわしい雰囲気となっていました。
この「鳳凰の間」は「太田南海」が設計、監修、彫刻等を手掛けています。太田南海は松本出身の彫刻家…ここにも作品がありました。
太田南海は絵画も手掛け、この松本館新築の際は総合的にプロデュースしたそうです。
この照明も素敵でした。
この大広間の床柱もみごとです。向かって左は「西王母伝説」で延命長寿の柱、右は「鯉の滝登り」で立身出世の柱だそうです。右の柱は 諏訪の宮大工 立川流の彫物のようです。
ここに展示されていたのは「小畑多丘」さんの木彫…大きな作品が大広間で存在感ある立ち姿を見せていました。
この大広間の障子の外の窓…飾り格子にレトロなガラスが注目でした。
太田南海作の「葡萄の間」も案内していただきました。小さな部屋ながら、あちこちに葡萄の彫り物があって豪華な部屋でした。
テーブルにも彫り物があり、天井にも装飾がされていました。
煙草盆や電話もレトロです…
寒い日で、待合には火鉢が用意されていました。庭の池の鯉も寒くて(?)石の下に隠れているような…
登録有形文化財になっているこのトイレもおしゃれでした。丸いガラスの窓は金魚鉢になっているそうです。
廊下には大きな花入れがあって、ロウバイが香っていました。松本館では料亭をお休みにして見学者を案内してくださっていて、そのおもてなしぶりはさすが!とっても丁寧な対応をして下さって、心温まる見学ができました。
「珈琲茶房かめのや」は明治44年創業の老舗菓子店が喫茶を構えていた場所をリニューアルオープンした珈琲店…外見の蔦の絡まるレトロな建物が印象的でした。
この近くにも木の根(?)や蔦のからまる、こんな姿の外壁の建物がありました。
「かわかみ建築設計室」は大正14年に建築された建物で、国の登録有形文化財に指定されています。洋風に仕上げた看板建築です。縦のラインの窓や正面のステンドグラスにも注目でした。
この建物にはオーストリア出身の彫刻家「ロッテ・ライオン」さんの作品が展示されていました。レトロな空間に現代的な作品がいい雰囲気でした。
この建物は医院兼住宅として建てられ、今もその時のまま使われています。診察室や治療室と書かれた部屋もありました。
レトロな窓にも注目でした。取り壊しの危機にあった建物を引き受けて事務所として大事に使っている…この会社の姿勢に感動しつつ見学させていただきました。床だけ取り換えて床暖房も入れたそうですが、他は当時のまま使っていると伺いました。「使うこと」で生かし続ける…このように「かわかみ建築設計室」代表は話されています。
床の間に無造作に置かれた照明器具が何やらレトロな雰囲気でした。
最後に訪れたのは「旧念来寺鐘楼」…1705年築の総檜の鐘楼ですが明治の廃仏毀釈で伽藍が壊され、鐘楼だけ時を告げるために残されたそうです。その鐘も戦時中に供出され、その後復元されたそうです。
この鐘楼の中に「山内祥太」さんの作品が展示されていました。暗い空間に浮かび上がる映像作品は幻想的な雰囲気でした。
たくさんの建物とアートに出会ったこの日…あと2~3日かけてじっくり見たいと思うくらいの、とっても素敵な「マツモト建築芸術祭」でした。良く歩いたこの日、歩数は12498歩でした…
「その1」を拝見して来ましたが、見慣れた建物が沢山ありましたヨ。
豪華絢爛な「割烹 松本館」は、普段は見学できないのですか?
その昔、知人に教えて頂いて、松本館で食事をした様な??
入口は凄く重厚感が在って入り辛かった印象を受けました。
松本館は今も経営しておられますか?
知人から松本で、一番有名な歴史ある食堂と教えて頂いた記憶がありますが、
こんな目を見張る様な豪華絢爛な場所では無く・・・
勘違いかもしれません。
見た感じ、建物は常時使われて居る印象を受けませんが・・・
管理しながら保存されているのですネ。
有料で見学出来るのでしたら、自由に運転できるうちに見学しておくべきでした。
歴史ある街にはそれなりの痕跡があちらこちらに残されているのですネ。
松本城のコブハクチョウの事、初めて知りましたヨ。
松本城へは何度も行って居ますが知らない事が多くあります。
案内状や解説をチャント見て居ない反省が多く在ります。
「マツモト建築芸術祭」は、タッジーマッジーさんにとっては、
これは行ってみなくてはならないでしょう!
建築物やアートはあまりわからないので、
タッジーマッジーさんの詳しい解説に導かれながら、
たくさん写真を見せていただきました。
建築物やアートに関心のある方にとって、
松本という街は魅力的なのでしょうね♪
恥ずかしながらわたしにとって松本は、
お買い物と美味しいものを食べに行く街です(笑)
こんなコメントしかできず、すみません・・・
昨夜に書いたコメントを寝落ちせずに送信すればよかった。
このタイミング。
昨夜は
「私には現代アートは遠い存在。
松本の古き建物に釘付けです。
あそこのあれ!!・・と、見たことがある建物に興奮」
ネットで「マツモト建築芸術祭」を見ていましたら
「松本館」にドンと立っている大きな木彫人が!
タッジ―マッジーさんも ここにいらしかたかしら。
パートⅡを待ちます、的なことを書いていました。
ここは 長女の結婚式披露宴の場。
身内だけのささやかな結婚式ときいていたけれど この煌びやかな雰囲気は
(どちらかというと娘たちには似合わない・・・)
なんと兄が結婚式をあげた目黒雅叙園に「そっくり」‥(兄たちは洋式)
義姉も雅叙園の豪華絢爛さは苦手だったけれど兄の勤務先に近い、というだけで決められたって
(悪口です)
でも 今になってみれば「それもあり」の納得場所になっています・・
って 余計なことを書きましたが
先日ね、自分のブログを見ていたら タッジ―マッジーさんのお父様も泊まられたところと、懐かしく読んでいました。
健脚!
歩くこと歩くこと この日は12498歩!!
すごいなぁ。
おかげさまで ここにいて「松本」を見させていただきました。
お料理よりも、トイレ必見と!
未だ諏訪に嫁いできたばかりで、松本等、何も知らない時代でした。
松本市内は美味しいお店が目白押しで、その後、伺う御縁がありません。
先日の日曜日まで「マツモト建築芸術祭」が開催されていました。
松本にはたくさんの古き良き建物があるのですが、
その建物とアートがコラボしていて、素晴らしい企画でした。
きっとranさんが見たことのある建物もあったことと思います。
中でも松本館は注目でした!
普段は老舗料亭として営業されていますが、この期間はお休みされ…
芸術祭のために会場を提供されていました。
個室でのお食事や結婚披露会場としても使われている場所です。
もしかしてranさんの行かれたのは「レストラン鯛萬」かしらと思いました。
こちらも松本では老舗レストランで入口は重厚な雰囲気なので…
でも追伸をいただいて、このお手洗いは松本館ならでは!
こちらを見られたのですね。
心配りある素敵なお手洗いでした…
古い建物を使いながら保存するのは素晴らしいことですね。
なかなか大変なことでしょうけれど…
松本にはこうした建物を保存する気風があって素晴らしいことです。
おかげで松本城も開智学校も残されて国宝になりましたもの…
お城のコブハクチョウはここに住みついているようです。
何かの記念に彦根城から送られたつがいの子供だそうです。
松本城は何度行ってみてもその姿の美しさにうっとりします…
みさとさんのお見通しのとおりです!
この開催を知ってから、どうしても行ってみたくて…
会期ギリギリになって駆けこみました。
そういえば大町の北アルプス国際芸術祭もそうでしたが、
こうしたものはあっという間にその期限が来てしまう気がします。
どうにか出かける都合がついて間に合って良かったです。
建物もアートも専門外の素人ですが…
街を歩いていても建物がついつい目についてしまいます。
特に松本の街は古き建物がたくさん残っていて、
何度歩いても新たな発見があったりして面白いです。
もちろん松本のグルメも注目ですよね。
買い物もいいお店があれこれあって嬉しいですし…
何か大きな買い物や贈り物となるとやはり松本!
と言っても今はまだまだ我慢の時ですね。
今回、気にしながら久しぶりに松本の街中を歩きました。
早く自由にお店で食事をしたり買い物したいものです…
また訪問して下さって嬉しいです。
この「マツモト建築芸術祭」に取り上げられた建物、
きっとtakeさんはご存知のものがあるでしょうと思いました。
会場となった場所は以前に娘さんがいらした所の近く…
それにtakeさんが散歩された範囲の場所が多かったですもの!
松本城の周辺には古き建物や老舗が集まっているということでしょうし、
そうした建物を大事に使い保存する方々がそこに居る!
今回歩いてみて、それがとっても大きなことかと思いました。
やっぱり松本はいい街ですね。
私も現代アートは遠い存在ですが…
素敵な建物と一緒にそのアートも楽しんできました。
「松本館」の大広間を見せていただいた時、
「ここで披露宴とは豪華なこと!」と思ったのですが…
なんと、娘さんの結婚披露宴はここでされたのですね。
それは素晴らしかったことでしょう!
ここは目黒の雅敘園に繋がっていることもあって…
いろいろ思い出していただけたのですね。
私はtakeさんの行かれた目黒の雅敘園のお雛様を思い起こしました。
父が泊まり、私が訪れたのは遥か昔の話ですが…
普段の生活の中で日々歩けばいいのですが、
私はたまに集中して歩くばかり…
それでもこうして歩けることはありがたいことです。
やっと思い出しました。
東京の目黒雅叙園。
あれこれ、雰囲気が良く似ているなあ、と。
あの照明、面白いですね。
この松本館…目黒の雅叙園に感銘を受けた当主が建てたもの!
雅叙園のような豪華なものにしたかったのだと思います。
そして今に残って私たちを楽しませてくれていることに感動でした。
昭和10年の建築ですからもう87年の時を経て…
未だ現役で使い続けて居ながら色あせないこの絢爛さ!
目黒雅叙園の雰囲気が出ているかと思います。
くちこさんも見たことがあるような…と思い出していただいたのですね。
この照明も素敵ですよね。
他にも窓ガラスや火鉢、黒電話などが現役で使われていて、
あちらこちらにあるレトロなものにも注目しながら見てきました。
こうした物が使われつつ保存されていることにも感動でした…