平成28(す)398 管轄移転の請求事件
平成28年8月1日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 那覇地方裁判所
元米兵、当時軍属が起こした強姦殺人事件について、沖縄県内の裁判所で裁判員裁判では公正な裁判を受けられないから、よその県でやってくれとと訴えた事件です。
J-CASTの報道です。
沖縄県うるま市の女性会社員(20)を殺害したとして殺人や強姦致死などの罪で起訴された元米海兵隊員で米軍属、シンザト・ケネス・フランクリン被告(32)の弁護団が、審理を東京地裁に移すよう求める管轄移転請求書を提出した件で、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は2016年8月1日、請求の棄却を決定した。公判は那覇地裁で開かれる。
シンザト被告の弁護団は、県民の心は悲しみと憎悪で凝り固まっているため公平な裁判ができない恐れがある、として移転請求書を提出したが、最高裁は、沖縄県の事情や県民の思いがあったとしても、裁判は公平、中立に選ばれた裁判員と、職業裁判官で構成されているため、法と証拠に基づく適正な裁判が行われる事は十分保障されている、として棄却した。
最高裁で却下されましたが、その最高裁での判断はあまり報道されていませんでした。
まあしかし、日本人の一般的な感覚から言えば、これだけの犯罪を起こしておきながら盗人猛々しいと言いたくなりますね。
とは言え、まだ被告の段階なので、法的権利は認められるべきです。糞ですが。
被告は以下のように主張して裁判を起こしました。
沖縄県民にあっては,被告人の自白内容,自白を補強する物証等の存在を知り,被告人が有罪との心証を有しているだけでなく,被告人を厳罰に処すべきとの予断を持つに至っているところ,そのような県民の中から裁判員を選任しなくてはならないことなどからすると,那覇地方裁判所において公平な裁判を行うことは不可能であるなどとして,東京地方裁判所への管轄の移転を請求する
まああれだけ、基地の外で騒がれてはそういう反応になるのは分からないでもないですが、「自分がやらかしたことへの反応はさて置いて」というのは実に腹立たしいところです。これが無罪を主張しているならまだしも。
これに対して、最高裁は
裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は,公平性,中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員と,身分保障の下,独立して職権を行使することが保障された裁判官とによって構成され,裁判員は,法令に従い公平誠実にその職務を行う義務を負っている上,裁判長は,裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることなども考慮すると,公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されているといえる。
うーん、雑ですね。だって、そう思っちゃったんだもーんって言っているのと同じぐらい雑です。もう少し、なぜ偏りがない判断が出せるのか説明があっても良さそうなものです。
これについて千葉勝美裁判官は、意見を述べています。
1 本件管轄移転請求の理由において,所論は,那覇地方裁判所管内の民心の状況等によれば,公平な裁判を行うことは不可能であると主張しているが,その内容等を斟酌すると,沖縄には米軍の基地があることにより,住民の中には,諸々の不利益を受け,基地の存在等に対する嫌悪感を抱く者も多く,また,過去の米軍の軍人,軍属による凶悪事件等を承知しており,彼らの起こす犯罪に対し,厳しい処罰感情を持っていること等から,沖縄県民の中から裁判員が選任された裁判員裁判においては,被告人に対し不利益な事実認定を行い,極端に厳しい量刑を選択する可能性があるとしており,そのことを,裁判の公正を維持することができないおそれがあることを基礎付ける理由の重要な要素としているものと解される。これらの点をどう考えるのかが問題である。
やはり私と同じ疑問を持ったようです。
2 事件の背景等についての証拠に基づかない裁判員の個人的な感情や予断等が入り込む余地のない厳粛な「裁きの場」なのであって,そのことは,国民全体の共通の認識でもある。
白々しいですねぇ。最高裁では相変わらず、裁判員がおかしいと言っている永山基準をひっくり返してますよね。裁判員裁判そのものを全面否定している判断を出してますよね。千葉勝美さん、あなたの主張はおかしくないですか?
3 すなわち,裁判員裁判制度は,一般の健全な市民感覚を持った人達が刑事裁判に参加し,その民主的な基盤をより強固なものにすることを企図したものであり,裁判員には,証拠に基づかない私的な感情を排した冷静な審理への参加が求められており,各人がそのような自覚の下に,裁判員裁判の制度を裁判官と共に築き上げていく責務があり,また,これまで行われてきた裁判員裁判においても,その地道な努力が全体として例外なくしっかりと積み重ねられてきている。本件においても,沖縄県の特殊事情,県民の様々な思いがあったとしても,適正な手続で選任された裁判員としては,法と証拠に基づく公正な裁判の実現を目指すべきであり,また,目指すことは十分に信頼できるところであって,これこそが裁判員裁判の制度を支える基礎となるものであろう。
これって本件と関係あります?もはや感想文ですね。
この裁判の結果については当然であると思いますが、もう少しなぜ正当なのか説明があってしかるべきです。すでに、千葉勝美裁判官が最高裁審判を通ってしまったのが残念です。
今回の裁判官
第1小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信 今一つ
裁判官 千葉勝美 不思議ちゃんレベル
裁判官 鬼丸かおる 今一つ
裁判官 山本庸幸 今一つ
平成28年8月1日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 那覇地方裁判所
元米兵、当時軍属が起こした強姦殺人事件について、沖縄県内の裁判所で裁判員裁判では公正な裁判を受けられないから、よその県でやってくれとと訴えた事件です。
J-CASTの報道です。
沖縄県うるま市の女性会社員(20)を殺害したとして殺人や強姦致死などの罪で起訴された元米海兵隊員で米軍属、シンザト・ケネス・フランクリン被告(32)の弁護団が、審理を東京地裁に移すよう求める管轄移転請求書を提出した件で、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は2016年8月1日、請求の棄却を決定した。公判は那覇地裁で開かれる。
シンザト被告の弁護団は、県民の心は悲しみと憎悪で凝り固まっているため公平な裁判ができない恐れがある、として移転請求書を提出したが、最高裁は、沖縄県の事情や県民の思いがあったとしても、裁判は公平、中立に選ばれた裁判員と、職業裁判官で構成されているため、法と証拠に基づく適正な裁判が行われる事は十分保障されている、として棄却した。
最高裁で却下されましたが、その最高裁での判断はあまり報道されていませんでした。
まあしかし、日本人の一般的な感覚から言えば、これだけの犯罪を起こしておきながら盗人猛々しいと言いたくなりますね。
とは言え、まだ被告の段階なので、法的権利は認められるべきです。糞ですが。
被告は以下のように主張して裁判を起こしました。
沖縄県民にあっては,被告人の自白内容,自白を補強する物証等の存在を知り,被告人が有罪との心証を有しているだけでなく,被告人を厳罰に処すべきとの予断を持つに至っているところ,そのような県民の中から裁判員を選任しなくてはならないことなどからすると,那覇地方裁判所において公平な裁判を行うことは不可能であるなどとして,東京地方裁判所への管轄の移転を請求する
まああれだけ、基地の外で騒がれてはそういう反応になるのは分からないでもないですが、「自分がやらかしたことへの反応はさて置いて」というのは実に腹立たしいところです。これが無罪を主張しているならまだしも。
これに対して、最高裁は
裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は,公平性,中立性を確保できるよう配慮された手続の下に選任された裁判員と,身分保障の下,独立して職権を行使することが保障された裁判官とによって構成され,裁判員は,法令に従い公平誠実にその職務を行う義務を負っている上,裁判長は,裁判員がその職責を十分に果たすことができるように配慮しなければならないとされていることなども考慮すると,公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されているといえる。
うーん、雑ですね。だって、そう思っちゃったんだもーんって言っているのと同じぐらい雑です。もう少し、なぜ偏りがない判断が出せるのか説明があっても良さそうなものです。
これについて千葉勝美裁判官は、意見を述べています。
1 本件管轄移転請求の理由において,所論は,那覇地方裁判所管内の民心の状況等によれば,公平な裁判を行うことは不可能であると主張しているが,その内容等を斟酌すると,沖縄には米軍の基地があることにより,住民の中には,諸々の不利益を受け,基地の存在等に対する嫌悪感を抱く者も多く,また,過去の米軍の軍人,軍属による凶悪事件等を承知しており,彼らの起こす犯罪に対し,厳しい処罰感情を持っていること等から,沖縄県民の中から裁判員が選任された裁判員裁判においては,被告人に対し不利益な事実認定を行い,極端に厳しい量刑を選択する可能性があるとしており,そのことを,裁判の公正を維持することができないおそれがあることを基礎付ける理由の重要な要素としているものと解される。これらの点をどう考えるのかが問題である。
やはり私と同じ疑問を持ったようです。
2 事件の背景等についての証拠に基づかない裁判員の個人的な感情や予断等が入り込む余地のない厳粛な「裁きの場」なのであって,そのことは,国民全体の共通の認識でもある。
白々しいですねぇ。最高裁では相変わらず、裁判員がおかしいと言っている永山基準をひっくり返してますよね。裁判員裁判そのものを全面否定している判断を出してますよね。千葉勝美さん、あなたの主張はおかしくないですか?
3 すなわち,裁判員裁判制度は,一般の健全な市民感覚を持った人達が刑事裁判に参加し,その民主的な基盤をより強固なものにすることを企図したものであり,裁判員には,証拠に基づかない私的な感情を排した冷静な審理への参加が求められており,各人がそのような自覚の下に,裁判員裁判の制度を裁判官と共に築き上げていく責務があり,また,これまで行われてきた裁判員裁判においても,その地道な努力が全体として例外なくしっかりと積み重ねられてきている。本件においても,沖縄県の特殊事情,県民の様々な思いがあったとしても,適正な手続で選任された裁判員としては,法と証拠に基づく公正な裁判の実現を目指すべきであり,また,目指すことは十分に信頼できるところであって,これこそが裁判員裁判の制度を支える基礎となるものであろう。
これって本件と関係あります?もはや感想文ですね。
この裁判の結果については当然であると思いますが、もう少しなぜ正当なのか説明があってしかるべきです。すでに、千葉勝美裁判官が最高裁審判を通ってしまったのが残念です。
今回の裁判官
第1小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信 今一つ
裁判官 千葉勝美 不思議ちゃんレベル
裁判官 鬼丸かおる 今一つ
裁判官 山本庸幸 今一つ