令和1(受)861 取立債権請求控訴,同附帯控訴事件
令和3年1月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所
土地の売買契約の買主は売主に対し当該土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできない
事件概要です
1 本件は,土地の売買契約の代金債権を差し押さえた上告人が,第三債務者である被上告人らに対し,上記の売買代金として各1250万円余り及びこれに対する各訴状送達の日の翌日である平成28年9月29日からの遅延損害金の支払を求める取立訴訟である。被上告人らは,上記売買契約の売主に対する債務不履行等に基づく損害賠償債権を有するとし,同債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張するなどして,上告人の請求を争っている。論旨は,上記の債務不履行に基づく損害賠償債権のうち弁護士報酬に関するものである。
AさんがBさんから土地を買いましたが、土地登記をしなかったため、遅延損害金と編越し費用を払えと訴えました。
(1) 被上告人らは,平成26年7月23日,ハイエステート有限会社との間で,本件会社の所有する土地を9200万円で買い受ける旨の売買契約を締結し,本件会社に対して手付として500万円を支払った。本件売買契約において,残代金8700万円の支払期限は同年9月末日とされ,残代金全額の支払時に本件土地の所有権が被上告人らに移転するものとされ,本件会社は,本件土地につき,本件会社の費用で,地上建物を収去し,担保権等を消滅させ,境界を指示して測量した上で,残代金の支払と引換えに引き渡すものとされた。
(2) 平成26年8月5日,本件会社は営業を停止し,その代表者が行方不明となった。被上告人らは,同月,本件売買契約における本件会社の債務の履行を求めるための事務等を弁護士に委任した。
手付だけ受け取って倒産、土地を引き渡さないってのは勝った方としては冗談じゃない状態です。下手すりゃ破産管財人から10分の1の金額を渡されて泣き寝入りしろと言われかねません。
(3) 本件弁護士は,被上告人らの代理人として,本件土地について,平成26年8月,処分禁止の仮処分を申し立て,これを認容する旨の決定がされた後の同年9月,本件会社に対して所有権移転登記手続を求める訴訟を提起した。同訴訟において,本件会社に対する公示送達により手続が進められて被上告人らの請求を認容する判決がされ,平成27年5月,本件土地について,被上告人らに対する所有権移転登記がされた。
(4) 本件弁護士は,平成27年8月,被上告人らの代理人として,本件土地に設定されていた本件会社を債務者とする根抵当権について,根抵当権者らに対して合計7080万円を支払い,根抵当権設定登記が抹消された。本件弁護士は,同月,被上告人らの代理人として,上告人によって本件土地にされた仮差押えについて,上告人に対して30万円を支払い,仮差押登記が抹消された。
ここまでは比較的順調にいきましたね。泣き寝入りせずに済んだようです。
(5) 被上告人らは,平成30年8月,原審の弁論準備手続期日において,本件会社が本件売買契約を締結した10日余り後に営業を停止するなどしたことにつき債務不履行等が成立し,被上告人らが本件弁護士に本件各事務を委任したことによる弁護士報酬その他被上告人らが負担した費用について債務不履行等に基づく損害賠償債権を有すると主張して,上告人に対し,同損害賠償債権と本件売買契約の残代金債権とを対当額で相殺する旨の意思表示をした。
一般人の感情からすればそうなりますよ。契約して10日で会社が倒産、土地の引き渡しもなされず上物撤去と境界線画定が条件だったのにそれもなされず、実質的に買主が払わないとできなかったわけです。その分の賠償はして貰わなきゃと思うのは当然です。さらに要らぬ弁護士のギャラまで発生しています。
最高裁は
契約当事者の一方が他方に対して契約上の債務の履行を求めることは,不法行為に基づく損害賠償を請求するなどの場合とは異なり,侵害された権利利益の回復を求めるものではなく,契約の目的を実現して履行による利益を得ようとするものである。
おいおい、それはないでしょうよ。だったら現金丸ごと返せという話になりますよね。利益ではなくちゃんと引き渡せという話です。何かおかしくないですか?
結論
土地の売買契約の買主は,上記債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできないというべきである。
ちょっと待てや。そもそも契約から10日後に倒産でしょう。弁護士代丸ごと払えというのはどうかと思いますが、着手金と最低の出廷費用ぐらいは出させるべきじゃないですか?
裁判長裁判官 林 景一
裁判官 戸倉三郎
裁判官 宮崎裕子
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
日本の民事裁判のクソなところ満載です。日本では民事事件はすべてやったもん勝ち、実質何ら制裁もないのです。しかも根拠は利益を得る目的だから?いや損失回復ですよ。
全員専門馬鹿な判決です。世の中の正義を維持しようとするならば、制裁を加えてしかるべきです。
また敢えて書きますが、そもそも本人訴訟で裁判所はその訴えを受け付けますか?まともに対応しないで弁護士を通せとやりますよね。最低料金ぐらいは必要経費として認めるべきですよ。
令和3年1月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 大阪高等裁判所
土地の売買契約の買主は売主に対し当該土地の引渡しや所有権移転登記手続をすべき債務の履行を求めるための訴訟の提起等に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできない
事件概要です
1 本件は,土地の売買契約の代金債権を差し押さえた上告人が,第三債務者である被上告人らに対し,上記の売買代金として各1250万円余り及びこれに対する各訴状送達の日の翌日である平成28年9月29日からの遅延損害金の支払を求める取立訴訟である。被上告人らは,上記売買契約の売主に対する債務不履行等に基づく損害賠償債権を有するとし,同債権を自働債権とする相殺の抗弁を主張するなどして,上告人の請求を争っている。論旨は,上記の債務不履行に基づく損害賠償債権のうち弁護士報酬に関するものである。
AさんがBさんから土地を買いましたが、土地登記をしなかったため、遅延損害金と編越し費用を払えと訴えました。
(1) 被上告人らは,平成26年7月23日,ハイエステート有限会社との間で,本件会社の所有する土地を9200万円で買い受ける旨の売買契約を締結し,本件会社に対して手付として500万円を支払った。本件売買契約において,残代金8700万円の支払期限は同年9月末日とされ,残代金全額の支払時に本件土地の所有権が被上告人らに移転するものとされ,本件会社は,本件土地につき,本件会社の費用で,地上建物を収去し,担保権等を消滅させ,境界を指示して測量した上で,残代金の支払と引換えに引き渡すものとされた。
(2) 平成26年8月5日,本件会社は営業を停止し,その代表者が行方不明となった。被上告人らは,同月,本件売買契約における本件会社の債務の履行を求めるための事務等を弁護士に委任した。
手付だけ受け取って倒産、土地を引き渡さないってのは勝った方としては冗談じゃない状態です。下手すりゃ破産管財人から10分の1の金額を渡されて泣き寝入りしろと言われかねません。
(3) 本件弁護士は,被上告人らの代理人として,本件土地について,平成26年8月,処分禁止の仮処分を申し立て,これを認容する旨の決定がされた後の同年9月,本件会社に対して所有権移転登記手続を求める訴訟を提起した。同訴訟において,本件会社に対する公示送達により手続が進められて被上告人らの請求を認容する判決がされ,平成27年5月,本件土地について,被上告人らに対する所有権移転登記がされた。
(4) 本件弁護士は,平成27年8月,被上告人らの代理人として,本件土地に設定されていた本件会社を債務者とする根抵当権について,根抵当権者らに対して合計7080万円を支払い,根抵当権設定登記が抹消された。本件弁護士は,同月,被上告人らの代理人として,上告人によって本件土地にされた仮差押えについて,上告人に対して30万円を支払い,仮差押登記が抹消された。
ここまでは比較的順調にいきましたね。泣き寝入りせずに済んだようです。
(5) 被上告人らは,平成30年8月,原審の弁論準備手続期日において,本件会社が本件売買契約を締結した10日余り後に営業を停止するなどしたことにつき債務不履行等が成立し,被上告人らが本件弁護士に本件各事務を委任したことによる弁護士報酬その他被上告人らが負担した費用について債務不履行等に基づく損害賠償債権を有すると主張して,上告人に対し,同損害賠償債権と本件売買契約の残代金債権とを対当額で相殺する旨の意思表示をした。
一般人の感情からすればそうなりますよ。契約して10日で会社が倒産、土地の引き渡しもなされず上物撤去と境界線画定が条件だったのにそれもなされず、実質的に買主が払わないとできなかったわけです。その分の賠償はして貰わなきゃと思うのは当然です。さらに要らぬ弁護士のギャラまで発生しています。
最高裁は
契約当事者の一方が他方に対して契約上の債務の履行を求めることは,不法行為に基づく損害賠償を請求するなどの場合とは異なり,侵害された権利利益の回復を求めるものではなく,契約の目的を実現して履行による利益を得ようとするものである。
おいおい、それはないでしょうよ。だったら現金丸ごと返せという話になりますよね。利益ではなくちゃんと引き渡せという話です。何かおかしくないですか?
結論
土地の売買契約の買主は,上記債務の履行を求めるための訴訟の提起・追行又は保全命令若しくは強制執行の申立てに関する事務を弁護士に委任した場合であっても,売主に対し,これらの事務に係る弁護士報酬を債務不履行に基づく損害賠償として請求することはできないというべきである。
ちょっと待てや。そもそも契約から10日後に倒産でしょう。弁護士代丸ごと払えというのはどうかと思いますが、着手金と最低の出廷費用ぐらいは出させるべきじゃないですか?
裁判長裁判官 林 景一
裁判官 戸倉三郎
裁判官 宮崎裕子
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
日本の民事裁判のクソなところ満載です。日本では民事事件はすべてやったもん勝ち、実質何ら制裁もないのです。しかも根拠は利益を得る目的だから?いや損失回復ですよ。
全員専門馬鹿な判決です。世の中の正義を維持しようとするならば、制裁を加えてしかるべきです。
また敢えて書きますが、そもそも本人訴訟で裁判所はその訴えを受け付けますか?まともに対応しないで弁護士を通せとやりますよね。最低料金ぐらいは必要経費として認めるべきですよ。