Uさんはフランス、ピレネーの旅で取材されました。
「ガヴァルニー大渓谷」 水彩画 F6
氷河の融けこんだ川をはさむ道の遥かむこうに氷河が岩を削って
できたという壮大な光景が見渡せます。Uさんが現地で味わった
その清らかさを、細かい説明を削ぎ落とし透明水彩絵の具の性質を
いかして表しました。冴え渡る表現にイメージが広がる作品です。
近づいてみました。
切り立つ岩壁に残る氷の白は紙の地を活かし、そのタッチと色に
険しい岩の表情や植生や季節まで感じることができます。絵の具が
紙の上で乾いた時の味わいを想像しながら決めた水の溜め具合は
絶妙でその場の雰囲気を想像させ、自然と見る者をひきこむのです。
多くの経験から得た技術に満足することなく挑戦し続けるUさん。
Uさんの過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“
作品集”の中のUさんのページに制作順に掲載されています。
ぜひこちらもごらんください。
いよいよ作品展も迫ってきた9月四回目の教室日も
朝からカラッと晴れ上がって気持ちよく制作できました。
この日も9月末の「第15回グループ彩雲作品展」に出品予定の
作品が続々と仕上がってきました。
数ヶ月間精魂こめて取りくんできた作品に印を押す瞬間は少し緊張。
やはり嬉しいものですね。
午前中にIさんとNさんが日本画作品を、Hさんがパステル画を
完成させました。順次ご紹介してまいりますのでお楽しみに☆
朝のうちは静かで涼しい風が吹いており、森にはセミの声の代わりに
秋の虫の寂しげな美しい声が響いていました。
夏の間は声ばかりでなかなかその姿を見ることはできなかった
タイワンリス。地面の近くで何かを探していました。
甲高いあの特徴的な鳴き声は!
さえずりの方向を探すと
遠くの木の幹にアオゲラがいました。
珍しく幹にしばらくとまっています。行動が変だな~と見守っていると
穴からひょっこり一羽が顔を出しました!ヒナです!
可愛い~♪
「お母さんどこいったのかな?」と言いたげに頭を出したり引っ込めたり。
もうほとんど成鳥と同じくらいの大きさなのではないでしょうか。
巣立ちはもうすぐですね、がんばれ!
冬ならアオゲラを見たことがあるけれど、子育てシーンは初めて。
ウキウキしながら歩いていると
クズの葉の上でカナヘビが日向ぼっこ
いつもは忙しないテングチョウも秋の日差しを浴びていました。
すぐにダイミョウセセリとバトルを始めましたが。
お昼には気温が上がり、ミンミンゼミも息をふきかえしたように
鳴き始めアゲハ類も何度か見かけてほっとしました。
太陽が眩しくてちょっと暑いくらいのこの時期が長く続いてほしい・・。
つい夏の名残りを探してしまいます。
Oさんは山形の旅で取材されました。
「山形銀山温泉」 日本画 P15
重く湿った空色、眩しいほどに輝く雪。昔懐かしい風情ただよう街は
冬色に彩られて空気が引き締まっています。清らかな川の流れの
表現は真に迫り、人々の温もりが感じられる家並みから遠くの木々、
岩の苔、水紋にいたるまでいのちが宿り、生き生きとしています。
近づいてみました。
鉛筆と水彩絵の具による細やかなスケッチからゆるぎのない力強い
線がうまれました。納得のいく質感が出るまで粘り強く描きこまれた
それぞれの部分は確かな存在感がありながら調和して美しく響き合い
見る者をひきこんで、大気の冷たさや水音までも感じさせるのです。
臨場感溢れる風景画を描いてこられたOさん。次の作品も楽しみです。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Oさんのページに制作順に掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。
雨上がりの朝歩いた横浜自然観察の森は緑の濃い香りがしました。
花盛りのセンニンソウ。虫がやってこないかとしばらく見ていたのですが
蜂さえやってきませんでした。何故だろう?
前回きのこがたくさん出ていた場所にまた行ってみると
期待通りきのこキノコ茸・・・秋のきのこ祭り会場となっていました。
再びきのこ好きさんにご協力願い、きのこの名前を教えてもらいました。
いかにも毒きのこ!な佇まいのこちらはコテングタケ
淡い檸檬色が美しい小型きのこはクヌギタケ
家族でお出かけ風のこちらは再登場、コガネテングタケ
ススケヤマドリタケ
私の前に観察者がいたらしく、このように倒されているものがいくつも
ありました。
下から見るとこんな様子。
上の写真はパナソニックLUMIX DMC-G2で撮影したもの、
下の写真はニコンCOOLPIX AW100で発光させて撮影したもの。
同じきのこなのにカメラで違うものですね。
笠の裏が白い新鮮なこちらはヤマドリタケモドキ
前半三つのきのこは有毒、後半のきのこは食べられるそうです。
雨をたっぷり吸ってかびてしまっているものや巨大になったものが多く
同じ種類のきのこでも表情に多様な変化があります。
自然のきのこを食べてきた昔の人は勇気がありますね。
台風一過の朝。久しぶりに見られた青空は澄んでいて
今が気持ちの良い初秋だということを思い出しました。
日差しは強くても朝のうちは風が爽やか
ナンバンギセルの雫がきらめいていました。
アトリエの天窓から降る光がこの時期ならではの美しさ♪
9月三回目の教室日も作品展直前の熱気に満ちた一日でした。
続々と新作が完成しています。
午後にはOさんが日本画作品を、SさんとYさんが水彩画作品を
完成させました。順次ご紹介してまいりますのでお楽しみに☆
お昼には気温が上がり、草原を見渡せばたくさんのトンボたちが
飛びまわっていました。オオシオカラトンボやシオカラトンボのほかに
突然足元に舞い降りてきたギンヤンマのペア。
クロスジギンヤンマなら少し前の時期よく見かけましたが、ギンヤンマは
珍しい!オオシオカラトンボに追い立てられながら何度も同じ水溜りに
戻って産卵していました。
大きくて美しくて、何度見ても嬉しくなってしまいます。
大雨の影響で数日のうちに干上がりそうな水溜りがあちこちにできていて
か細いイトトンボの仲間もふわふわ飛んでいました。
アジアイトトンボのようです。
草原に目をあげると
ノシメトンボのメスがいました。
この日はほんとうにたくさんの生き物が見られ、キノコもにょきにょき
出ていました。次にご紹介いたします。
Iさんは《習作》と題した芸妓図を描かれました。
「エチュードU・浮世絵」 日本画 M10
喜多川歌麿の肉筆画をもとに現代の日本画材料で表現されました。
厚い雲肌麻紙に粒子の粗い岩絵の具をじっくり重ねて堅牢な画面とし
原画の粋でたおやかな美人像に華やかさと力強さが付加されました。
画面の比率の違いも考慮して全体を整え緊張感のある仕上がりです。
近づいてみました。
今まで光と影の表現に重点をおいて動きとボリュームのある今日的な
人物画に取りくんでこられましたが、今作ではあえて描線と空間の美
を意識した平面的な表現に挑戦され見事に描ききり、多くのことを発見
されました。線の多彩な表情と発色のよさに強く惹き込まれる作品です。
以前の作品と比較すればIさんの変化と挑戦がはっきりと感じとれます。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のIさんのページにされています。ぜひこちらもご覧下さい。
このあいだの教室日のお昼休み、横浜自然観察の森の
観察センター近くでたくさんのきのこが発生しているのに気がつきました。
きのこはあまり馴染みがないし本当に種類が多い!なので撮影画像を
きのこ好きさんに送って、何きのこか教えてもらいました。
こちらはヤマドリタケモドキ
こちらと
こちらは同じきのこでススケヤマドリタケ
このツヤピカさんと
このツヤピカさんが同じキノコでコタマゴテングタケ
雨続きでだいぶ傷んでしまっているようです。
直径20センチはあろうかというフカフカ巨大きのこはノウタケ。
ほかにもいろいろありました~。きのこって面白い!
昨日の豪雨でもうほとんど溶けてしまったかな?
カラフルな色づきが楽しみなノブドウの実はだいぶ大きくなって
赤く色づいたものがありました。ほんとうにノブドウ?という色。
ノブドウの実のほとんどは虫えいがつくられてその色の変化が美しい
ですが、よく見るものはもっと青っぽい色。これからどうなるのでしょう。
きのこと一緒にときどき確かめに行きたいと思います。
Yさんは妙高の名瀑を描かれました。
「新潟妙高苗名滝」 水彩画 F4
この夏行かれたという山旅のなかで出会った印象的な光景です。
灼熱の熔岩がこのように形作られるまでのはるかな時の流れを
思わずにはいられない、見事な柱状節理は太い線で力強く描かれ
Yさんの感動が表れています。清清しくも濃密な味わいの作品です。
近づいてみました。
主役である滝は描き込んでから水で洗い、その上からパール絵の具
をかけてその透明感と輝きを表現しました。対して滝壷の岩石は
タッチを工夫し厚く塗り重ねて重さを出し、空は絵の具をかすれさせて
霞を表しました。全てのものがうごめいて生命感に溢れています。
次々と新作にとりくみ挑戦し続けるYさん。次の作品も楽しみです。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Yさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。
朝から雨が降ったりやんだり。不安定なお天気の一日でしたが
9月二回目の教室もたくさんのメンバーが参加してくださいました。
作品展まであと3週間。出品予定作品の仕上げにとりかかる方も多く
アトリエは活気にあふれています。お土産を美味しくいただき談笑しつつ
制作にも集中するという楽しいひととき♪
午前中、IさんとOさんがそれぞれ日本画作品を完成させました。
順次ご紹介してまいりますのでお楽しみに♪
この日は道路が混んでいて上郷の森への到着が遅くなり
短時間の散策となったので、生き物との出会いはあまり
期待していませんでした。
雨が上がった途端、蚊がわんわん押し寄せてきました・・。
綺麗なカタツムリ。
飛んでいるものはさすがにいないかな~とゆっくり歩いていると
なんと足元に森の妖精がいました!
大好きなオオミズアオです♪
ヤママユガの仲間のなかでも特別な美しさ。その翅色といい姿といい
大きさといい素晴らしい・・・存在感抜群です。
触角を見るとメスのようです。翅を広げたら12~13cmはありそうです。
羽化してから何も食べず次の世代を残すためだけに活動するそう。
翅が傷んでいるようでしたが、無事産卵できたのでしょうか。
また出会えますようにと祈りながら草むらをあとにしました。
気温が上がるとコミスジも飛び出しました。
良い出会いに足取りも軽くなり蚊に刺されたところの痒みも半減した
朝でした。
アベリアの生垣の前を通ったら素敵な出会いがありました。
このクマバチをはじめ小さなハナバチたちが訪れていましたが
嬉しかったのは
久しぶり!オオスカシバです♪
透明な翅、海老状の腹部に臙脂色の線がチャームポイント♪
くるりんと巻いた口吻も可愛い!
それほど虫に興味がなかった子供の頃でさえ、このオオスカシバは
美しいと思って会えた時は喜んでいました。
同じ生垣を朝方訪れていたのは
ホシホウジャクです。
遠目ではオオスカシバに似ているけれど翅は透明ではないし
体はやや小さく、飛び方がよりせわしないようです。
やっぱり腹部は海老みたい。
それにしてもよく虫たちがやってきます。アベリアの蜜はよほど
美味しいのでしょうね!日がな一日眺めていたいものです。