今日の「厚床パス」は、牛の放牧を眺めながら、青々とした牧草地などを歩いて回るアップダウンの少ないコース。途中、標津線跡、殖民軌道跡などの開拓期の歴史が偲ばれる道や自然を楽しむことができる。また、途中にはレストランやカフェがある・・・などが特徴である。
厚床駅を発着点として周回できるようになっている。距離は10km。
3連泊となった、三重ナンバーの車も泊まっていたアゼチ岬を出て、厚床駅へ。
駅横には「厚床パス」の案内板が立っていた。
6:00、牧草地歩きがあるらしいので、雨上がりでもあり、スパイク長靴を履き、寒かった(10℃)こともあり、合羽の上下を着て、スタート。これらの装備は予想以上に大正解だった。
駅前には、歴史と風格を感じさせる焼肉屋さんの建物。
駅前から国道に出て、1kmほど進むと標識があり、農道へと入っていく。
標識に従って分岐を右に進むと、刈り払われた明るい牧草地に出る。その左端に続く農道は、殖民軌道跡である。
これは、1925年に道内初の軌道として誕生し、馬が簡易な車両を牽引して、ミルク缶などの荷物や住民を運び、地域の足となったが、1933年、標津線の開業により、廃止。
やがて、キッシングゲートを開けて、牧草地の中を進むことになる。ここからは、長靴が大正解。
牧場の柵に沿って歩くが、どこからともなく牧場の牛たちが全頭集まってきて、こちらの歩きに合わせて、1列になって付いてくる。牛飼い爺にでもなった気分。昨日は馬だったが・・・。
それも300mほど先のキッシングゲートまでだった。
その先も刈り払われた牧草地の中をカーブするように進む。
やがて、伊藤牧場の経営するレストランATTOKOと、酪農喫茶Grassy Hillに到着。この伊藤牧場が、根室フットパスの中心人物のようだ。
再び、牧草地の中の歩きになるが、「もの思いにふける丘」に上って行く。その上からは広い牧草地や牧場の景観が広がる。
丘を下り、左側に続く標津線跡の歩きとなる。標津線は根釧原野開拓のための人員と貨物の輸送手段として、1933年を皮切りに厚床~標津間に開通。1989年、歴史の幕を下ろした。
この歩きも、長靴と合羽ズボンが大正解だった。
やがて、国有林の中へと入っていく。ここは藪の中に微かな踏み跡が続くだけで、長靴はもちろんだが、合羽ズボンを履いていて正解だった。
この木の割れ目は、凍裂によってできたものらしい。
この土塁は、馬市場と呼ばれる家畜市場があり、そこで日本陸軍の軍馬の調達がなされていた場所の名残である。馬が逃げ出さないように築かれたもの。
再び、標津線跡を進む。国道の下を潜って進む。
標津線跡の先から厚床駅までのコースは、まさに胸丈ほどの藪濃きだった。数日前に歩いた人がいるらしく、その痕跡があるから道だと分かるが、合羽もびしょぬれになった。ここだけでも刈り払いがなされることを望む。
8:10、2時間10分で、厚床駅にゴール。舗装道路の歩きは、最初の国道の1kmだけで、根室フットパス3パスの中では一番楽しいコースだった。
ゴール後は、釧路市街地へ向かい、まずは、コインランドリーへ。洗濯している間にブログを打つ。
コインランドリーの近くに、見た目に函館のハセストとそっくりな店構えのタイエーというコンビニがあった。そこに、「根室名物やきとり弁当」の旗が立ち、「テレビでも紹介」と書かれている。興味本意で入って、注文した。
まさに、パッケージもハセストのやきとり弁当そのものである。ハセストの部分の印字がタイエーになっているだけで、あとは何も変わらない。聞いたら、ハセストと同じ系列のコンビニとのこと。このやきとり弁当、我々は函館名物と自負しているが、こちらでは根室名物になっていた。
今夜には、koさんと食事をすることになっているので、根室駅近くで車中泊できそうなところを探した。駅から1.5kmほどの明治公園の駐車場に決定。
今日の「厚床パス」で、今回、根釧方面へやってきたミッションは達成である。この時期にこちらへやってきたのは、湿原や草原に咲く花が一番きれいな時だったからである。この時期にゆっくり歩いてそれらを楽しむ計画をずっと温めてきた。
スカッと晴れた天候には1日も恵まれなかったのは残念だが、昨日の午後を除くと、雨で停滞することもなく、予定以上に、順調に日程をこなすことができた。
しかし、明日と明後日は雨予報である。2日間は根室市内で停滞し、適当に過ごす予定である。そのあとは、天気の良いときに、羅臼岳(岩尾別コース)と斜里岳(三井コース)を登りたいと思っている。