二度目の昼・夜二回公演。やはりヘビーだ。特に出ずっぱりのJohnは。合間に旅公演の打合せ。炊きだしあり。松岡洋子シェフによるトマト煮。しばらくソウルで勉強中の洪明花が三日だけ帰国、顔を出してくれる。ずいぶん得難い体験をしているようだ。
自宅作業をめんめんと続ける。あっという間に時間が過ぎる。天気予報を信じず、雨模様の雲なので自転車を諦め電車で劇場へ。夜の本番。すぐ帰宅する予定だったが、ハイボール一杯百円の店を引っかけ、帰宅。息子は私の作り置いておいたオムライス二皿を朝も夜も食べて辟易しただろうが既に寝ていて感想はまだ聞いていない。
事前にやっておくべき情宣作業の残りと締切の迫る原稿で、ぎりぎり劇場入り、昼公演と夜公演のあいだに、取材と打合せ二件。スズナリの至近には喫茶店がないのでこういう日は不便である。夜公演後、小田島恒志さんとのアフタートーク。というか、ほとんど恒志さんがエンジン全開で喋ってくださるので、私は楽であった。……東京公演直後に取材の旅に出ることになりそうだ。勉強しなければならないことも多い。
午後、チェルフィッチュ新作を観に原宿へ。70分だが体感ではもう少し重い感じ。私がガーディアンガーデン・フェスの審査員として、彼らの確かコンビニ店員を描いた短編を推し、それが入賞したのは6年以上前。相変わらず身体をくねらせながら喋っている。「ホットペッパー」は語る人物が入れ替わるたび、ただそれだけで笑えるのだが、ベルリンHAUの観客の反応はどうだったのだろう。ちなみに『ザ・パワー・オブ・イエス』でジャーナリストを演じる松岡洋子はチェルフィッチュ出演経験有り。一応ゆらゆらの動きはしていたという。……三時半過ぎ劇場入り。これからスズナリに通う日常がしばらく続く。
2日め。午前中、歯医者。午後、NOTEと稽古、しつこく。本番。西堂行人さんとのアフタートーク。ほぼ満席残ってくださったお客様、ありがたい。なんとか終える。今回は金融関係の劇だけに、いろいろそちら方面のお客様の姿も。演劇関係でその道に関わる方々もおられる。そんな中、いろいろ助言などくださったCoRichの手塚さんが、鈴木聡さん、成井豊さんらの早稲田大学直系の先輩と聞き、驚く。……『化粧 二幕』を終えたばかりの渡辺美佐子さんに、お疲れさまの電話。
とにかく開きました。ほぼ満席。観客と一緒にドキドキした感じである。場内は、こんな芝居は見たことがない、という空気。少なくとも私はそうだ。演劇の可能性は無限大だ。ほんとうにお疲れさま。……初日乾杯。この芝居は劇中、ジャーナリストが何人か登場するのだが、観に来てくれた現役キャスターの七尾藍佳さんも参加、話が弾む。……ほっとはしたものの、まだまだやれることはあるし、先は長い。劇団というものの可能性を信じつつさらに進んでゆく日々である。
降水確率予想を聞いて自転車でなく電車で行く。場当たりが始まる。湿度が異様に高いし、俳優は狭い場所で複数で待機したり、照明の熱も受けるから、どうしても汗をかく。同じ日でも時刻により温度差があるので体調に気をつけないと風邪をひきやすい時期だ。やることが多くたいへんだが、健康管理も仕事のうちである。……外に雨の気配を感じるが、劇場を出ると雨は止んでいる。よくあることだ。
パンフ用の文を書かねばならないがなかなか進まない。他にも原稿が滞っている。締切に向け急ぐ。……劇場入り。いっけんシンプルだが故にこそ細やかさが必要なセット。美術の島次郎氏が「長い間美術をやってきたがこういう××は初めて」と今日も言っていたのだが、その「××」が何かは、観に来ていただければわかる。……ところで社民党は移転先として「テニアン」を示してはいるというつもりらしい。ならばなぜ与党内で一致させようとしないのか。
上海帰りの島猛音響マスターあらわる。上海蟹味プリッツと上海エキスポキャラのストラップをおみやげにもらう。でもストラップは接合部分が弱くて携帯に付けようとしているうちに、あっさりぶっこわれる。三十年前の中国品質である。……普天間問題で、社民党、ヘンである。与党のくせに野党なこと言っている瑞穂さん、ヘンである。かなりヘンだ。とっくに代案出していなさい、野党じゃないなら。いや、しかし、どこであれ、政党ってそういうもんだってことなのかい?
早起きデスクワークの習慣がついてしまった。読むように依頼されていた台本も、通勤車中も含めた時間で一本読んでしまう。今月中のいろいろな行事のため連絡を山のように。それでも午前から稽古場へ。……風邪をひいた者が出たので何名か病院へ行かせる。季節遅れの花粉症持ちでくしゃみの多い私も念のため行く。何名かでてくてくと病院まで歩いていると、なんだか不思議な一行。直射日光に当たるだけでハイキング気分? 計画したより稽古時間が取れないが、予定通り、通し。
世の人々がするというツイッター。携帯電話のメールなどで日々刻々と「つぶやく」のだという。まだ縁がない。まあもともとあまり独り言も言わない。はずだ。ただ、この日記(自分ではブログと言うのがぴんと来ない)も頻繁にというか意地で毎日書き込んでいるから、ある意味で私は毎日つぶやいてはいる。あるいは、つぶやくというより、毎日ぼやいている人なのかもしれない。ちなみに、書き込むことを「更新」というのがまた、なじめない。なんて、ぐちぐち言っていたら、現実的には、私はたんに、独りでつぶやきぼやく旧世代ではないか!
ヨーロッパ某国からフェスティバル招聘が届く。いつか行きたいあの国、である。年内なのであまりにも至近過ぎて予定が合わない。お断りするしかない。よくあることだが、残念。……早朝起床し、デスクワーク山ほど。稽古は終わり近くの数場を当たるが、まだ消化しきれず。しかし夜は通しを強行する。さて、ここから新たにどういう化学反応が生まれてくるか。……帰宅後テレビで、石川遼くんの頑張りに感嘆すると同時に、励まされる思い。
今日も晴れ、嬉しい。ゆとりのある時間で稽古を組んだためか、みんな少しずつゆったりしていて、それも嬉しい。のんびりしている場合ではないのだが、完全な一日休みが取れないだけに、こういう日もあっていいと思う。とはいえ、夕方からエンジンがかかって、倉庫から稽古場への資材搬入も挟んで、時間切れの感じで、それでも深追いせず終える。