Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

二十歳とゴーヤ

2013-09-30 | Weblog
九月に二十歳になった息子のお祝いに、二十歳にはちょっと欠けるがこの日のためにキープしていた甕入りの泡盛をあける。一升入りだからごく小さい。
確か何かの祝いでもらったのものだ。遠い日だと思っていたが、あける日があっさりと訪れてしまった。
二十歳なんて子どもだなどと言うは易い。自分の二十歳の愚かさを思う。
今後この二十歳は自分に流れる沖縄の血脈をどうそれと意識していくのだろう。

写真は半月前ヤルタの市場で見たゴーヤらしきもの。もちろんゴーヤは沖縄だけのものではないし、この「ゴーヤ」は沖縄を知らないだろう。
ウクライナ人はこいつをどう料理して食べるのだろう。聞いておけばよかった。
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帰国

2013-09-28 | Weblog
帰ってきました。
帰国関連でまたまた予想外の出来事が起き、かなり消耗したりもしたし、明日もいろいろ続くのだが、とにかく、帰ってきた。
帰国したという感慨はまったくない。
むしろ、帰ってきてしまったという、虚しさと徒労感。
オリンピックのせいでとくにそう思うのだが、この国は本当に、世界の中でどのように生きようとしているのだろう。
もちろん、「内向き」すぎるということだ。
海外にいて楽なのは、どこへ行こうと、それぞれの国の違いはあれど、日本的な内向きと同一化の指向性のようなものは、そこまで感じられないからだ。
内向きというのは、国家的、マッチョとかナショナリスティックということではない。自分がない、依存心が強い、そして警戒心が強いくせにまわりをちゃんと見ていない、ということ。
特に今回はそう感じた。

帰ってみると「あまちゃん」も「半沢直樹」も終わっていた。まあもともとちゃんとテレビを見ていなかったのだから、気にしても仕方ないのだが。

下村文部科学大臣は韓国でユ・ジンニョン文化体育観光相と会談、「韓国のドラマは日本ではテレビなどで放送されているので、韓国側でも日本のドラマを地上波で放送してほしい」と伝えたという。
どうですかこのニュース。
「韓流」に対する敗北宣言ではないだろうか。
ふつう考えられるのは、日本の作品も面白くて人気があれば、韓国でも放映されているだろうということだけだ。
経済分野でも、自由経済を謳いつつ、国が後押しする。文化も同様というおつもりだろうか?
ほんの十年前まで日本の芸能文化は韓国に紹介することが許されていなかった歴史的背景についても、考慮が足りないのではないか。
それでも韓国の演劇人たちは、我々が彼らに対してそうであると同様、能う限り日本の演劇に関心を持ち続け、相互の交流を厭うことがなかった。

〈韓日演劇交流協会〉〈日韓演劇交流センター〉とそれ以前の、国家政策に反しても出会おうとしてきた、何十年にもわたる日韓演劇人の心を通い合わせた交流について、文部科学大臣に教えてあげなくてはならないのだろう。相談に来てくれればいくらでも助言する用意はある。

成田空港で別れた、『屋根裏』で二ヶ月近くを共に過ごしたイ・ジュウオンも、もう韓国に帰ったはずである。

本当に皆さん、おつかれさまだ。
『屋根裏』はまだまだ続く。さまざまな人たちに支えられて、演劇作品の命が、続いていく。その事実に、励まされる。
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まもなくテルニ出発

2013-09-27 | Weblog
『屋根裏』上演を終え、いったん未明に引き揚げたが、翌日上演のダンスの関係者が観てくれていたこともあり、フェスティバルのシャツをまだ入手していなかったのと、カフェの食券もまだ余っていたので、あらためてテルニ国際創造フェスティバルへ顔を出す。
カフェで、女性が私をしげしげと眺めているので何かと思ったら、数分後に近づいてきて、『屋根裏』を大絶賛してくれた、ダンスを観る客席でも、幾つか離れた隣席にいた初老の男性がスライドしてきて話しかけてきて、やはり『屋根裏』を手放しで褒める。そんな感じで、上演時の反応がホンモノであったと知ることになった。
日中は一時間だけ放水するという近郊の「マルモレの滝」を観る。二千年前に作られた人口のダムの堰を毎日数時間だけ解放するのである。まあテルニはそもそも工業都市なので観光的なことはそのくらいだ。雨合羽を用意した方がいいと言われる理由がよくわかる、たいへんな水飛沫であった。大量に動く時の水の美しさと、恐ろしさ。スローモーションと立体感の妙。
その辺りの写真をiPhoneで撮ったのだが、まだパソコンに送れていない。なんだか認証手続がうまくいかないのだ。
というか、さらっとiPhone所有者であることを告白したが、これは正月に音響家で『普天間』を担当して下さった近藤達史さんに頂いたものである。近藤さんはiPhone5に乗り換えたので旧型をくださったのである。
しかし私はふだんPHS愛用者だ。乗り換えるには面倒だし登録契約すると結局新機種を買うくらい出費も多い。で、このiPhoneを私はシムカード無しで使うことにした。小型のパソコンとしてメールとフェイスブック、時計やアラームは使える。ただ、日本国内では、そんなにWi-Fiが飛んでいるわけではないので、ほぼ使っていなかった。今回のツアーがiPhoneデビューである。
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『屋根裏』テルニ国際創造フェスティバル上演

2013-09-26 | Weblog
テルニ国際創造フェスティバルでの『屋根裏』上演を終える。満席。階段席はすぐに埋まったが、イタリアの観客は追加の桟敷席のクッションで二時間超の劇を観ることを厭わない。観客の集中力はたいへんなもので、上演時間中はまったく熱気さめやらず、日本以上に細やかな反応がある。ヤルタとローマで稽古の手直しをしたことが功を奏して、かねてから越えられなかった課題をクリアできたり、日本語を解さない観客を相手に何を見せるかという命題に向き合い多くの示唆を得た俳優も多く、ローマ以降に演技のレベルも向上、演じる側の手応えもあり、充実した上演だったと思う。
どうやら『屋根裏』は本フェスティバル随一の大作ということになっていたのだった。ステージングの巧みさ、クオリティの高さへの賞賛も多く聞かれた。「こんな芝居は観たことがない」という声、世界的な社会の変化への批評性について、さらに、この劇からも感じるらしい伝統と現在についての関心、等々、終演後に質問も多々あり、ともあれ圧倒的な反響だったといえるようだ。
フェスティバルのスタッフも優れていて、ハートフル。イタリア人気質というか、何かことあるごとに口々に怒濤のように喋りまくるので、それをなるべく大切にしつつこちらが意見を返すタイミングをはかるのが通訳を挟む場合もあるのでまたたいへん疲れるのだが、それだけ真摯で情熱家なのである。こちらが何をしようとしているかを理解すると反応はおそろしく早い。もちろん事前に書面で打ち合わせのやり取りはしているわけだが、現地に来てみないとわからないことも多々あり、空間に応じたしつらえ直しを多くしたが、現地の照明機材の一部の故障が直りきらなかったりしたこと以外は、ほとんどの要求が実現したし、対応策は講じた。そして、こういうフェスティバルでスタッフ全員がちゃんと舞台を観てくれたというのも珍しいのではないか。気持ちのいい人たちだ。
二度目の上演は午後10時15分から(もちろんご当地の常識として大幅に遅れたが)だったので、撤去作業と梱包終了は深夜三時近くとなる。
皆さまおつかれさまである。
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普天間で米軍によるオスプレイ配備抗議者の身柄拘束

2013-09-25 | Weblog
報道によれば、米軍普天間基地野嵩ゲートでオスプレイの抗議行動に参加していた日本人男性が、アメリカ軍に身柄を拘束されたという。オスプレイ配備反対を訴えていて「米軍施設区域内に侵入した」とされている。オスプレイ配備反対の横断幕を米軍側が撤去しようとするのに抗議したらしい。

高江でも基地構内からオスプレイパッド工事の音が聞こえているという。

米軍も防衛局もなりふりかまわなくなってきたのか。強気で出ても大丈夫と考えているのか。名護市長選までの「空気」を、少しでも自分たちに都合のよいように持って行こうとしているのだろう。
県民全体にどう浸透させていけるのか。この国のアイデンティティが問われていることを国全体にどう当時者性をもって認識させうるのか。

http://www.qab.co.jp/news/2013092546511.html


青年劇場『普天間』は九州をツアー中。少しでも多くの人が当事者として考える契機となればと願う。

http://www.seinengekijo.co.jp/s/hutenma/hutenma.html


自分の現場は、テルニ国際創造フェスティバルの舞台仕込み。写真は会場CAOS内部の案内板の下端。フェスティバルのスタッフは協力的。高所作業も多いが、無事に明かり作りまで終える。
密度の濃い空間が作れたと思う。
フェスティバル側の要請で、イタリア語と英語、両方の字幕を出すことに。
開演時間は午後5時と午後10時15分からの、二回。こんな夜遅くの上演は初めてだ。
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テルニ到着

2013-09-24 | Weblog
テルニに移動。
テルニ国際創造フェスティバルの会場は、CAOSと呼ばれる集合文化施設。幾つかの既存の建物を劇場やスタジオ、ギャラリー、映画館、カフェ、オフィス、青少年向けの施設などに改造している。もともとは石鹸工場だったという。金沢の市民芸術村を拡大増設し敷地いっぱいに大きくしたような感じだ。
鉄鋼の町で、かつては戦火にもさらされたテルニ。どんな町にもそれぞれの貌がある。
今日はフェスティバルのスタッフと打ち合わせのみ。イタリア流と日本流=?我々流が噛み合わないようで噛み合っていく、必要な時間。なんだかんだ夕方まで。
同時並行で美術展と公演が複数で幾つも開催されているので、慌ただしく賑やか。想像以上に国際的で大規模なフェティバルだ。
食事はフェスティバルのカフェで食券を利用する。これまで食べた中で一番薄いと感じるイタリアンクラストのピッツァが美味。
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ローマの夜

2013-09-23 | Weblog
ローマ公演終了。実はこの公演、会場であるTEATRO VASCELLOのManuela Kustermann芸術監督、ラ・ママ・ウンブリアのアンドレア、日本文化会館の松永さん、いろいろな方々のご厚意と協力で実現した。〈ヤルタ・チェーホフ国際演劇祭〉と〈テルニ国際創造フェスティバル〉の間で日程的に可能なので、「ローマでもぜひ」ということになり、かなり急に決定した公演なのだ。テルニ市は、東京と比較すると、ローマからいえば、横浜よりも遠く、浜松よりは近い、言ってみれば、高崎か宇都宮くらいの距離感である。
TEATRO VASCELLOは国際的な企画でも知られる劇場で、25周年を迎えたところ。座・高円寺を一回り大きくしたかんじ。固定席は四百弱だが、もっと増やせる。
急に決まった公演だが新聞やネットに情報が多く載り、さすがに満席とはいかないが、なかなか渋い演劇通のお客が来た感じ。
ヤルタでは不首尾だった字幕がうまくいったこともあり、観客の集中度は高く、まあ日本の観客と同様な反応、というより、日本とは違う面白い反応もいろいろあった。カーテンコール三回、スタンディングオベーションも出た。Manuelaも非常に興奮してくれた。終演後に他の演劇祭からのお誘いの話もいただいた。他にも招待されている所があるので、今後も『屋根裏』海外の旅は続きそうだ。
まだ写真が届いていないのと掲載許可の問題で、とりあえず劇場の表の写真。ちょっと地味かな。
ローマでは観光らしいことはほぼする余裕はなかったが、コロッセウムだけは駆け抜けた。感想はいろいろだが、いずれまた。
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『釜ヶ崎語彙集 1972-1973』

2013-09-21 | Weblog
『釜ヶ崎語彙集 1972-1973』(寺島珠雄編著)は、1973年に一部が雑誌に発表されたまま未刊になっていた原稿が、実に40年ぶりに刊行されたものである。
全243項目からなる本書は〈街のすべてを住みか〉として生きてきた日雇労務者の「釜ヶ崎事典」であり、1972ー1973年の現場報告書といえる。
外からの一時的な視察や調査によるものではなく、釜ヶ崎に生活と仕事の根をおろした者たちによる「ルポルタージュ」であり、「ドキュメンタリー」であり、「フォークロア」でもある。

以上はこの本の版元の新宿書房さん自身による解説だが、この企画の協力応援者の一人である私も、まだ完成したこの書をまだ熟読できていない。ななめ読みしただけだがわくわくする。早く完読してさらに熱烈宣伝したいのだが、今回のヨーロッパツアーは荷物の重量制限が厳しく、持参してくることができなかったのだ。

いつか時間をたっぷり取って、この書を手にして釜ヶ崎をゆっくりと歩きたい。編著者・寺島 珠雄氏の人生も偲びつつ。
それが当座の帰国後の楽しみの一つである。

この『釡ヶ崎語彙集1972-1973』の刊行を記念して、特別付録「釡ヶ崎今昔對比繪地圖」(A3判/両面カラー)が作られた。「本書をお買い上げのうえ、読者カードを送付してくださった方にさしあげます」とのことなので、お忘れなく。これも釜ヶ崎歩きのお供に最適であろう。

http://www.shinjuku-shobo.co.jp/new5-15/html/mybooks/440_Kamagasaki.html
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「できている」と「きっとそうなる」の意味は同じか?!

2013-09-21 | Weblog
猪瀬東京知事は東電福1原発の汚染水問題について、「今は必ずしもアンダーコントロールではない」と述べた。そこまではいい。だったら「コントロールできている」と太鼓判を押した安倍首相を制止すべきだったし、訂正を求めるべきだ。それができないのは一人前の人間ではない。ところが猪瀬知事は「アンダーコントロールにする、なるんだと(首相が)意思表明したことが大事だ」とも言った。首相を擁護したつもりだろうが、「できている」と「きっとそうなる=できるようになると無責任に言い放った」こととの間にはおそろしい距離がある。
そもそも安倍首相が福一原発を視察して「五号機と六号機を廃炉にするよう命じた」と言うが、今まで廃炉にする気がなかったことじたいが問題だ。安倍首相が現場でした質問によれば、彼は原発事故処理が二十四時間体制を必要とすることさえ知らなかったらしい。
下村文部科学相は「状況はコントロールされている」の安倍首相と同じと同じ「コントロールと」いう言葉を、後で東電職員が使ったのは「非常に迷惑だ」と東電を批判したという。原発はコントロールできなくても関係者の言論はコントロールしたいようだ。

東日本大震災の津波で送迎バスが流され、死亡した宮城県石巻市の私立日和幼稚園の園児5人のうち4人の遺族が「安全配慮を怠った」として、園側に損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は17日、園側に要求額のおよそ三分の二に当たる約1億7700万円の賠償を命じる判決を言い渡した。裁判長は「最大震度6弱の揺れが3分間も続いていたから、巨大な津波に襲われるかもしれないと容易に予想できた」と判断、予見可能性を認めたのだ。
いや、どうなのだ。安倍首相も猪瀬知事も今後「もう一度同規模の地震が来たら同様の災害ができることを想定できたはずだ」と言われても、仕方がないということにならないとおかしいのではないか。幼稚園のケースでは「きっと安全だろう」という安請け合いが、かっちり裁かれたのだから。
幼稚園を庇うことが主旨で言っているのではない。
驚くべきことに、原発事故に関しては、東電も、原発推進を行ってきたこの国の政府も、誰も責任を追及されていない。なぜ民間の幼稚園に限って「責任あり」と司法判断が下されるのか。
民事と刑事の違いで仕方がないということですまされるのか。
ならば現状でも少なくとも原発事故を起こした日本政府・東電からも「賠償金」ではなく「原発事故始末金」を期間無制限で支払わせるべきだ。
原発事故のつけを払わされているのは、ただただ国民である。

国身は税金を吸い上げられているだけではない。「労働」「生存権」じたいの搾取も地続きだ。
オリンピック契機に靡いて民間会社の多くは福島よりも東京に目を向ける。福島で原発事故の事態修復のために働く者たちを集めることは難しくなり、労働環境も悪くなる。
生活保護の減額は、ほとんど殺人に等しい。

そんな中、朝日新聞によれば、政府は企業が従業員を解雇しやすい「特区」をつくる検討に入ったという。労働時間を規制せず、残業代をゼロにすることも認めるという。秋の臨時国会に出す国家戦略特区関連法案に盛り込むのだという。
特区で導入する解雇ルールや労働時間規制の緩和は、特区内にある開業5年以内の事業所や、外国人労働者が3割以上いる事業所が対象らしい。
今の解雇ルールでは、やむをえない事情がなければ、経営者は従業員を自由に解雇できない。特区ではこれを改め、働き手と企業との契約を優先させる。例えば「遅刻をすれば解雇」といった条件で契約し、実際に遅刻をすると解雇できる。労働時間規制の原則1日8時間を、一定の年収がある場合にすべての規制をなくし、深夜や休日にどれだけ働いても割増賃金を払わないことを認めるという。「残業代ゼロ」がこれだけ非難されている現状の中でである。
「過労死」の現実がまったく顧みられていない。
こうして「労働」「命」がより軽く扱われるようになることが、オリンピックという「予定」と原発事故という「進行中の事実」を抱えるこの国にとって、何を意味するか。想像するだにおそろしい。
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『ここには映画館があった』

2013-09-20 | Weblog
秋の燐光群の新作『ここには映画館があった』。
チラシができましたので、添付します。
『カウラの班長会議』『帰還』に続いて、三田晴代さんが素敵な絵を描いてくれました。
この新作、ゲストは、円城寺あやさん、初めてご一緒する重田千穂子さん、岡本舞さんです。

公演予定は以下の通りです。

[東京]11月15日(金)~26日(火)座・高円寺1
[名古屋]12月4日(水)名東文化小劇場
[尼崎]12月6日(金)・7日(土)ピッコロシアター 大ホール
[岡山]12月9日(月)岡山市立市民文化ホール

http://rinkogun.com/

さて、以前、このブログで、以下のようにお願いしました。

この劇のために、映画館の客席を探しています。
単品でも、一列だけでも、もっと多くでもいいです。いろいろ組み合わせることもできるからです。
劇場の舞台に、映画館の客席を作りたいのです。
心当たりのある方は、ぜひご連絡ください。

で、なかなか映画館の客席は見つからないもので、

映画館の客席に見えるものであれば、通常の劇場の客席(あるいはそう見えるもの)でも大歓迎です。

と、付け加えさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

このブログに伝えていただいてもいいですし、私のフェイスブックにメッセージで届けていただいてもいいです。
あるいは、燐光群にメール等で連絡ください。
心当たりのある方は、ぜひ。

燐光群/(有)グッドフェローズ 
〒154-0022 世田谷区梅丘1-24-14 フリート梅丘202 TEL03-3426-6294 FAX03-3426-6594 
mail:rinkogun@alles.or.jp
Theatre Company RIN KO GUN #202, 1-24-14 Umegaoka Setagaya-ku Tokyo Japan ZIP: 154-0022 
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ヤルタ終了

2013-09-19 | Weblog
ヤルタ・チェーホフ国際演劇祭の一週間が終わった。
閉会式は、各参加団体が少しずつ出し物をするというフレンドリーなセレモニー。歌やらバレエやら人形劇やら。燐光群メンバーは松岡洋子を中心とした日本舞踊「香に迷う」と、男衆も入った徳之島「ワイド節」。日本的なものをと言われてとりあえずやってしまえるのはよいことだ。洋子は日頃の鍛錬を思わぬ地で披露したわけだ。「ワイド節」は太鼓や三線がほしかったが贅沢は言うまい。
演劇祭だから当然いろいろな演目がある。他の国からの参加演目は、グルジアのカンパニーによるサラ・ケイン『4.48 サイコシス』、イスラエルのカンパニーの安部公房原作『砂の女』という二つの二人芝居は観たが、まあいろいろな国籍が渾然一体としている感じ。ウクライナ国内各地の劇場製作によるチェーホフ劇等は声を拾うためのマイクを使うし必ずプロジェクターで映像を投影するので、なんだかなーという印象。『屋根の上のヴァイオリン弾き』と同じ筋書きだろうテヴィエの物語は音楽の生演奏もあり大衆演劇として観客を楽しませ、受けていた。
自分たちの公演が終わった後も、クロージングまで滞在してほしいというフェスティバル側の意向を汲んでの滞在だった。もちろんイタリア公演に備えて自分たちの演目『屋根裏』の中でもまだまだかたまっていない新たに役に取り組んだ若手中心の稽古等ができたし、有意義な日々であった。
写真は、メイン会場のチェーホフ劇場。

持ち込んだ仕事をしなければならなかったので、あまり観光的なことはしていない。第二次世界大戦をどう終わらせるか焦点となったヤルタ会談の会場・リヴァーディア宮殿には、フェスティバル参加者のためのツアーが組まれたので参加したが。
ぶらり散歩して、観光客には入口がわかりにくい大きな市場を見つけ、その構内の食堂で地元のほぼ最安値だがうまい料理を食べた。最初は徒歩でけっこうな距離だったがトロリーバスで簡単に行けることがわかったので、三度通った。ボルシチやら串焼きやらは、確かに地元ならではのもので、うまかった。旅先では、大きく外れていなければ、同じ店に通うのは、割と合理的である。
ヤルタ市民の6割以上がロシア系であるし、ある意味ロシア圏最南端の保養地であるこの街は、トルコとも繋がりが深く、文化の混じり具合が面白い。ラフカディオ・ハーンの愛したクレオール文化もそうだが、ハイブリッドの魅力というのは、確実に存在する。だが、ここには「アジア」の影は薄い。
それにしても観客に日本人が一人もいなかったのは珍しいことである、と思ったら、クロージングで「見ました!」と声をかけてくれたのが、ヤルタ唯一の在住日本人女性。お一人だが、いらっしゃったのだ。それにしても東洋人じたい、ほぼ見かけなかった。かつて東西がひっくり返って間もないスロバキアでの公演では、私たち黄色人種の一行はどこへ行っても現地の方々に物珍しそうに眺められたものだが、この地では特別に意識されているふうでもない。やはり街にいる人たちの中で、もともとの住民じたいがそれほど多くはないということなのだろう。ここは人が流れてくる場所なのだ。そういうところは私は好きだ。
亡くなる前の数年間を過ごし傑作の幾つかを著したチェーホフの住居も近くなので行ったが(帰りは徒歩だった)、その話はまたいずれ。
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日本は、人も国も「大安売り」

2013-09-18 | Weblog
安倍総理は外資系証券会社が開いた投資家向け講演会に次のようなメッセージを寄せたという。
「私の3本の矢の経済政策によって景色は一変しました。明らかに今の日本は『買い』です」
今後の成長戦略に自信を持っているということだ。
一国の総理大臣が民間会社のお客相手にこういう発言をするということじたいにまず違和感がある。
だがそれより、政治トップの人間が、「日本は『買い』です」と言って、いったいこの国を誰に買わせようというのか。日本は、言葉通り、「売り」に出されている。しかもリスクの高い投機の対象として、「大安売り」されているのである。だがこの国、全体がブラック企業もいいところだ。

環境省は、福島県内の避難区域のうち、年間の被ばく線量が20ミリシーベルト未満の「避難指示解除準備区域」の住民を対象に、
避難指示が解除されたあと、地元に戻る際、希望すれば携帯式の線量計を配るという。一定の期間が過ぎたら、住民から線量計を回収して被ばく線量のデータを集める。
福島県内の市町村ではそれぞれの自治体が線量計を配布しているが、国が費用を負担して市町村が除染を行う福島県以外の地域の住民に対しても、希望者には線量計を配布する。
「地元に戻る住民の被ばく線量を下げる対策に役立てていきたい」というが、つまり、この線量計を配って、被ばく線量のデータを集めるつもりなのだ。
ニュース映像によれば、線量計自体には表示部分がなく、ソケット上のものにはめ込むと現在形の数字が出る。
長い期間の集積結果を試験者自身が見られるようになっているのだろうか。回収して環境省の人間だけが見られるようになっているのではないかという疑惑が、私の知り合いたちの中から多く出ている。もしもそうなら、人間を、被災者を、避難指示解除地域に戻る住民を、「実験台」と見ていることになる。

毎日新聞等によれば、国際原子力機関(IAEA)総会の関連行事として16日夕、ウィーンで開催された日本政府主催の福島第1原発汚染水漏れ問題に関する説明会では、経済産業省、原子力規制委員会、国際廃炉研究開発機構などの担当者が出席。山本一太科学技術担当相は「汚染水対策は最も緊急性の高い課題だと認識しており、政府が前面に立ち、抜本的な解決に当たる」と言ったが、ほとんど信用されなかったようだ。各国の専門家から抜本対策の遅れや規制当局のあり方などを問う厳しい指摘が相次いだという。
「会場からの質問は今後の対策よりもむしろ、汚染水漏れの深刻化を招いた責任を問うものだった」という。「汚染水問題は原発事故直後から予想できた。なぜ2年以上もたった今まで持続的な解決策を見いだせなかったのか」等の質問に、日本の専門家たちの回答は、「第一義的な責任は東京電力にある」「原子炉建屋に流れ込む前に地下水をくみ上げて海に放出する計画が漁業関係者らの反対で困難になっている」等と、人のせいにするばかりだったらしい。
経産省の担当者が「法的な責任は東京電力にあり、我々はサポーターの立場。東電には資金もアイデアもなく、2年間も良くない状況が続いてしまった」と釈明すると、会場から「責任転嫁ではないか」との「失笑が漏れた」(毎日新聞)。
アメリカのコメディアン、ビル・メイハーがテレビで「もし世界が一丸となって、有毒なものをまき散らす国は攻撃するというのなら、攻撃するべきはシリアではなく、それは日本だろう」と言ったという。
失笑やブラックジョークですまされるのは、今のうちだけだろう。

悲惨な現実を軽く見積もって現実逃避しようと、人の命や汚染の進行という現実を安く見積もっている、本当に社会性の欠如した愚かな国。
「大安売り」したって、誰も買わない。
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「秘密保護法」パブリックコメントまだ間に合います

2013-09-17 | Weblog
「秘密保護法(特定秘密の保護に関する法律案)」の意見募集(パブリックコメント募集)、面倒だと思っている方に、伝えます。
自己情報を出したくない方にも、「反対」意見を一番簡単に提出できる方法。
今日、あと数時間で締切です。
吉田 明彦さんから教えてもらいました。

このページ

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903&Mode=0

の一番下にある「意見提出フォーム」というのを押して、次のページの「提出意見(必須)」というところだけ(他は何も書かなくてOKです)に反対と書いてください。
「反対」の意思表示をすることができます。短く「反対」だけでいいのです。
「提出意見(必須)」というところに書き込んだあとは、一番下の「確認画面」というのを押して、次に現れるページの下の「画像認証」にある数字を8つの箱の中に書き込んでその下の「提出する」を押して終わりです。

とのことです。

この法案のどこが問題かは、私のブログを遡ってみてください。

http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/aa35eff5028a9081a736d3a3afae2587
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「台風だから仕方ない」放射能汚染水タンクからの排出

2013-09-16 | Weblog
国内で唯一運転中の原発、福井県大飯原発4号機は、計画通りならば、「定期検査」のため15日深夜に発電を停止、16日午前1時半ごろに原子炉を止めたはずだ。国内原発50基全部がおよそ1年2か月ぶりに運転を停止したことになる。

いっぽう、福1原発で放射能汚染水貯蔵タンクを囲むせき内にたまっていた水が台風18号接近に伴う大雨で急激に水かさが増し、あふれ出たという。東電は「あふれたのは雨水」としているが、漏出した水に放射性物質が含まれていないか調べていた。
結果として東電は、「台風の接近に伴う降雨により、汚染水貯留タンクCエリア(東)およびCエリア(西)堰内には多量の雨水が溜まり、急激に水位が上昇してきていることから、このままでは溢水する可能性があります」「当該エリアの堰内溜まり水の放射能濃度(全ベータ)が以下の通り、ストロンチウム90の告示濃度限度(30Bq/L)より低い値となっており、堰内の溜まり水は雨水であることから、準備が整い次第、緊急措置として、当該堰内に溜まった雨水を堰ドレン弁にて、堰外に排水します」「なお、台風の接近に伴う降雨により、他の汚染水貯留タンクエリア堰内に多量の雨水が溜まった際に、堰内溜まり水の放射能濃度(全ベータ)がストロンチウム90の告示濃度限度(30Bq/L)より低い値であり、雨水と判断できるエリアについては、溢水を避けるために当該堰内に溜まった雨水を緊急措置として、堰ドレン弁より同様に排水いたします」とのこと。
つまり、雨水が溜まったことを理由に、緊急措置として、排水するのである。
ここに汚染水が混じっていないと、本当に断言できるのか。

福一原発事故で、検察当局は東京電力幹部らを全員、不起訴とした。「天災」だから仕方ない、巨大地震は想定外と判断した結果だろう。今回も「台風だから仕方ない」ということになるだろう。
検察は東電を強制捜査していない。不起訴を受けて、証拠や関係資料の隠蔽は、さらに進んでいくだろう。

東電が汚染水問題の解決のため招聘したアメリカの専門家 レイク・バレット氏が、福一原発のことを「スリーマイルの事故よりも複雑」と言いつつ、「汚染レベルが十分に低下し国民の信頼が回復したら、放射性物質を取り除いた汚染水は海に放出する必要がある」との考えを示したりもしている。同氏は「汚染水タンクを増やし続けているのは、問題の先送り」「汚染水の除染が計画通りに進めば、福島第1原発近海で取れた魚を孫にも安心して食べさせる」とも言っているという。
自民党石破幹事長の「地下水が汚染される前にバイパスして海に放出」発言は、こうした意見をバックグラウンドにしているのだろう。だとすれば、この国はあくまでもアメリカに主導権を取られている。

と思ったら、毎日新聞によれば、台風18号の影響で、福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅに通じる道路で土砂崩れが発生し、もんじゅが16日未明から孤立しているという。

原子炉などの情報をもんじゅから原子力安全基盤機構(JNES)に自動で送るシステムにトラブルが生じ、データ伝送ができなくなり、補修担当者が現地に行けない状態が続いているというのだ。情報は手動で送り、運転停止中の原子炉の安全性に問題はないというが、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構によると、16日午前7時ごろ、もんじゅから約2・5キロ離れた県道(同県美浜町)で土砂崩れが発生しているのを職員が発見したらしい。県道はもんじゅに通じる唯一の道路。昨夜から、職員など約40人がもんじゅ内にいるという。県が復旧を急いでいる。

また、もんじゅ敷地内の正門付近の道路でも午前3時ごろ、土砂崩れがあり、通行できなくなっているという。
こういう場合の対応策は立てられていたのか?
再稼働など夢のまた夢。
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映画館の客席を募集しています

2013-09-15 | Weblog
実は秋の燐光群の新作『ここには映画館があった』のために、映画館の客席を探しています。
単品でも、一列だけでも、もっと多くでもいいです。
いろいろ組み合わせることもできるからです。
劇場の舞台に、映画館の客席を作りたいのです。

文化庁の助成はありますが、例年の同時期同規模公演に比べてに半分以下に減額されているため、それほど美術予算を掛けられない公演ですので、御礼はあまり多くすることはできません。

11月~12月 座高円寺から、名古屋、兵庫、岡山をツアーします。
詳細はまもなく発表します。

もしも映画館関係者の方、映画館をご存じの方、いらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

このブログに伝えていただいてもいいですし、私のフェイスブックにメッセージで届けていただいてもいいです。
あるいは、燐光群にメール等で連絡ください。
心当たりのある方は、ぜひ。
拡散もよろしく。

燐光群/(有)グッドフェローズ 
〒154-0022 世田谷区梅丘1-24-14 フリート梅丘202 TEL03-3426-6294 FAX03-3426-6594 
mail:rinkogun@alles.or.jp
Theatre Company RIN KO GUN #202, 1-24-14 Umegaoka Setagaya-ku Tokyo Japan ZIP: 154-0022 

……………………

以下、座高円寺のマガジンに掲載した文です

人が初めて出会う「劇場」とは何だろう。体育館や講堂で学芸会が催されることもあるが、それらは「催し物」であって、「劇場」で何かを体験したわけではない。公立の会館やホールに行き、コンサートや、ひょっとしたら演劇に触れることもあるかもしれないが、それらは公民館での「行事」である。この一世紀余、人々が初めて「劇場」を認識する場所は、「映画館」が最たるものであろう。「座高円寺」という、れっきとした「劇場」で、「映画館」の芝居をする。なんだかとても贅沢でわくわくしている。
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