「せりふの時代」 復刊しました !
小学館発行、季刊の戯曲雑誌。2010年7月1日発売号(夏号)をもって休刊となっていたので、十年かかりましたが、ついに復刊。本日発売です。これまで通りのロゴ・書体が、懐かしい。手にしてみて、やはり感動があります。
1996年10月創刊、井上ひさし、清水邦夫、別役実 + 日本劇作家協会責任編集、ということでスタートしました。井上ひさし初代会長を中心とした、創刊に至るまでの格闘の日々も、懐かしいです。川村毅、小松幹生、斎藤憐、永井愛、そして私も、途中から編集委員に加わりました。劇作家が書く劇評連載〈せりふの広場〉は、私の発案でした。
「せりふの時代 2021」と題された本号は、奥山富恵編集長による、特集「ポストコロナを紡ぐ物語」。
「ベテランから若手まで人気劇作家23人による書き下ろし短編戯曲と上演予定の新作戯曲5作の一部を先出し掲載!」。執筆陣は、岩松了、北村想、渡辺えり、川村毅、坂手洋二、佃典彦、土田英生、小川未玲、樋口ミユ、サリngLOCK、ごまのはえ、加藤一浩、高橋恵、田辺剛、橋本健司、山本正典、ピンク地底人3号、塩谷圭祐、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、鴻上尚史、鄭義信、岡田利規、三浦大輔。
「伝説の創刊号」の記事も一部再録しています。野田秀樹「赤鬼 上演準備稿」も入ります。
とにかく、買ってください。「売れる雑誌」として、存続できるよう、応援してください。よろしくお願い致します。
-
販売価格 : 1,500円 (税込:1,650円)
発行所 演劇出版社 出版社名 小学館 ISBN 978-4-86184-102-6
「せりふの時代 2021」は、電子版配信もあります。電子版を発売元の小学館で作成し、スマートフォン、タブレット 端末、PC、電子書籍専用端末に向け配信いたします。2021 年 3 月 30 日から随時、各種電子書店に配信されます。
昨日は、いろいろあって、午後、近所の公園で Zoom 会議に参加した。公園といってもその一角の東屋っぽいところである。
ふだんよりも少ないとはいえ、まわりの子供たちの声がうるさいのと(まあそれはそこにわざわざ行った私が悪いのだが)、どうしても膝の上のデバイスが動くので私の顔が揺れたりそのたびバックスクリーンの映像との輪郭が滲んだりして目障りだったであろうとも思うが、まあ、これでやらせてもらった。
午前は別な会議だったので、さすがに続きすぎて、Zoom 疲れした、ということもある。
寒くなくなったから、できることでもある。
リアル会議に出席できていたら、お久しぶりに吉増剛造先生にもお目にかかれたのだが、と思うのだが、そういう機会はやがてすぐに訪れるだろう、と信じる。
一昨日、井の頭公園を通った。
深作健太さん演出の『火の顔』を観にいった帰りである。
いわゆる「花見」のような人の集まり方は、ない。
人々はソーシャルディスタンスを保ちながら、けっして「密」にはならずに「花を見ながらの移動」をしていた。涙ぐましいコロナ禍下の感染対策生活である。皆、景色のいいところでパチリ、だけで我慢しているのである。
人々は、お互いにわきまえている、という空気である。
私は自転車で通り抜けただけであるが。
深作さんの『火の顔』は、やりたいことを適確にやっていた。やりたいことを持っている人が、やりたいことをしっかりやる、というのは、正しいことで、そういうことを生身の舞台で受け止められるのは、観客にとっても幸いである。
どういうわけか、去年から、若い主人公に対して「愚鈍な家族」を配置する芝居を幾つも観たが、本気でやっているのか、と疑うほど、戯画化する、ということについて大きく勘違いしているように感じられるものが散見されるのだった。けれどこの『火の顔』の家族の描き方は、そうしたステレオタイプを逃れる工夫と緊張感があり、一線を画していた。
終演後にちょっとだけ立ち話すると、深作さんはやはり『青春の殺人者』を意識していたようである。もう四十五年前になる『青春の殺人者』だが、私たちの世代は観ているのが当然みたいなところがあったけれど、その後の世代にとってはどうなのだろう。映画を志している、という若い人の中に、タイトルさえ知らない人がいたなあ。
昔から子供向けのちいさな公園・遊園地にあった、回転式の球形の遊具。
それがグローブ・ジャングル。ジャングルジムの球形・回転型。
今、コロナ禍が拍車をかけ、子供たちが遊具で遊んでいるのが目に入らなくなっている、御時世。
なんだかさみしそうなグローブ・ジャングル。カラフルに塗られているのが、かえってもの悲しい。
拙作『たたかう女』に、出てくる。
『たたかう女』の舞台セットに、ありました。26年前の初演で、土台の部分にスタッフが隠れていて、このグローブ・ジャングルを、誰も触らなくても動かす仕組みを作りました(美術・加藤ちか)。
ちなみに、隠れて操作していたスタッフ氏は、いま、某公共劇場の舞台部門チーフとして活躍中です。
『たたかう女』は岡本麗さん出演の一人芝居。
このアーカイブのカテゴリーでは、「現代劇 ドラマ 喜劇 舞台:日本 SF・近未来 日本語」としています。
韓国でも韓国のスタッフ・キャストで上演されました。
韓国版はキャストが一人だけでなく、演劇賞に輝く著名な女優もやってくださっていますが、なんと、男優版も作られたみたいです。残念ながら私はそちらは観ておりません。
共同通信によれば、自民党は23日午前の政調審議会と総務会で、自衛隊施設や原発など安全保障面で重要な施設周辺の土地利用を規制する政府法案を了承し、党内手続きを終えたという。26日にも閣議決定し、国会提出する見込みらしい。
この法案は「特別注視区域」を設定し、司令部機能を持つ自衛隊基地周辺や、無人の国境離島を指定するというから、反対運動を封じ込め、強制措置を促進する法案であることは明白だ。
一定面積以上の売買に、利用目的の事前届け出を義務付ける。虚偽申請には罰則を設けるという。一坪反戦地主的なものを排除したいのだろう。
公明党は私権制限につながるとして法案に慎重だったが、特別注視区域の指定を絞り込み、防衛省周辺などの市街地を対象としないことで自民党と修正合意した、とのこと。そもそも私権制限だけが問題なのか。
立憲民主党は反対する方針を自民党に伝達したというが、本気で反対する気があるのか。南西諸島の自衛隊基地配備にきっちり反対しなかったここ数年の経緯を見る限り、眉唾ものである。昨夜、保守勢力が野党の悪口を言いまくるのを某所で聞いたが、聞くに堪えない言葉の数々ではあったものの、こと立憲民主党の腰の座らなさについては、彼らの言っている通りだと思う部分さえあった。そもそも、最近ついに原発廃止は即時には難しいと言ってしまった枝野氏は、ほんとに野党りリーダーなの?と思わざるをえない。それが党の中で容認されているなら、やっぱり野党たりえていないだろう。
写真は自衛隊基地だらけの奄美大島、一昨年。
夜桜と月。
満開だという。
四月に東京に行くかもだから花見もどきができるかね、と複数件の声があって、あらら。花見は禁止されとるんですよ。しかももうこれから散りゆくのみなので。
五輪・パラリンピックは、海外からの一般観客の受け入れ見送りを正式に決めた。
でも GoToトラベルは再開するんだろうな。32県知事が、再開を求めているというし。
こちらもいろいろ行きたいのだけれど。
ドラマ「西荻窪 三ツ星洋酒堂」、4話と6話(最終話)は、村野玲子脚本。(他の回は、モラル・谷賢一・戸田彬弘)
MBSドラマ特区枠にて2月11日から放送スタート、ついに完結。
ゲスト・中山美穂の豪華版最終話は、見逃し配信で観られます。(検索すればいろいろ出ます)
幸い評判もよいようです。
どう考えても、続編があるというか、シリーズ化されそうな終わり方。
ここ数年、村野さんには演出助手をよくやっていただいていますが、本来的には、ご自分で脚本を書く人です。これからの活躍が期待されます。
最終話、中山美穂さんの押し出しの強い物言いが、最初のうちは村野本人的に感じられて、おおいに受けました。
現役朝日新聞記者・石川智也氏が、新刊「さよなら朝日」を上梓 !
それでも彼は会社を辞めないという。ご無事をお祈りするのみである。
私はまだ読んでいないが、『それでも日本人は原発を選んだ』の著者の一人である石川氏が決意して世に問うだけに、一筋縄ではいかないものを書いたであろうことだけは想像がつく。
しかし、石川氏よ、これ以上、敵を増やしてどうする!
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
憲法、沖縄、脱原発……自称リベラル勢力が垂れ流す矛盾と欺瞞を、朝日記者が内部から検証。黄昏ゆくリベラルに捧げる決死の論考集!
「めんどくさいやっちゃなあ」と思わせたら勝ち。こういう記者を辞めさせない会社も偉いと思います。――斎藤美奈子氏推薦
本書の試みを「蛮勇」だとシニカルに冷笑しているジャーナリストたちがいたら、彼らに言いたい。君たち、笑ってる場合じゃないぞ!――井上達夫氏解説
柏書房 ISBN 9784760153473 判型・ページ数 4-6・296ページ 定価 本体1,800円+税 予約受付中
■内容
七年八カ月に及んだ安倍政権下、なぜリベラルは敗け続けたのか。問われていたのは、国民を愚民視し、不都合な民意をポピュリズムと断じ続けた自称リベラル勢力の歪んだ認識と底の浅さだった。改憲論争、沖縄の基地移転、脱原発……あらゆる局面で垂れ流された矛盾と欺瞞を、朝日記者が検証する。
■目次と抜粋
まえがき
“朝日新聞の中にいながらして、自社の報道を含めたリベラル勢力の矛盾や問題点を問うという行為には、まだわずかなりといえども意味はあると信じたい”
第一章 正義の暴走――世間とジャーナリズムとの共犯関係
“彼らはまずもって「世間をお騒がせした」と謝罪した。しかし、私たちは「お騒がせ」したのが彼らではないことを知っている。「騒いだ」のはメディアであり、「世間」である”
第二章 フェミニズム――目指すべきは差異か? 普遍か?
“意図的か無意識にか、リベラルメディアには「男と女から成り立っている社会」という言い回しが頻繁に登場する。そこに潜む様々な含意を、素通りしないようにしたい”
第三章 憲法九条――リベラルが民主主義を損なうとき
“「条文を変えさせていない=九条をまもっている」という我々の意識が、現実から目を背ける効果を持ってしまっていたのではないか”
第四章 原発と科学報道――リベラルメディアが忘れたい過去
“たとえ後追い仕事であっても、原子力平和利用の推進に新聞が果たした役割を検証することは、その看板の下で取材活動をしている者にとっての責任だと認めざるを得ない”
第五章 沖縄と本土――どちらの民意が重いのか
“本土のメディアやリベラルがすべきは、沖縄で進行している事態への本土の主権者の責任を突くことだ”
第六章 天皇と戦争責任――戦前から持ち越されたタブー
“天皇や皇室に関する自由な言論を許さない構造を作っているのは、リベラル系も含めたジャーナリズムである”
補論 インタビュー
井上達夫 「自称リベラル」は国民を信じていない
原武史 「天皇」という幻想
本間龍 スポンサー企業の新聞社に五輪監視はできない
あとがき 記者に「論は要らない」のか
解説 日はまた昇るか(井上達夫)
■著者プロフィール
石川智也〈いしかわ・ともや〉
1998年、朝日新聞社入社。岐阜総局などを経て社会部でメディアや教育、原発など担当したのち、2018年から特別報道部記者、2020年4月から朝日新聞デジタル&副編集長。慶応義塾大学SFC研究所上席所員、明治大学感染症情報分析センターIDIA客員研究員を経る。共著に『それでも日本人は原発を選んだ』(朝日新聞出版)、『住民投票の総て』(「国民投票/住民投票」情報室)など。
Twitter: @Ishikawa_Tomoya
http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b561388.html?fbclid=IwAR0eBy1RNPgLANh0OYxbjpH2jw61bamA4wOyLgvINmpqmk_j9FmP2n3aLIk