Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ウィークエンドワークショップ2015 ① 清水きよし「身体と遊ぶ」 ―パントマイム基礎―

2015-10-31 | Weblog
梅ヶ丘BOX Weekend Workshop 参加者募集!

梅ヶ丘BOXでは、今年末、久しぶりに〈ウィークエンドワークショップ〉を開催します。
多彩なゲスト講師に登場していただきます。
11月28日(土)・29日(日) 早船聡
12月5日(土) 清水きよし
12/4(金)~6(日) 南谷朝子 
12/11(金)~13(日) 立石涼子

まずは、清水きよしさんと一緒に、まる一日かけてパントマイムの基礎を体験できる「身体と遊ぶ」をご紹介します。
私自身が出たいです。
清水さんと金沢の演劇大学でご一緒したことがきっかけとなりました。

以下、詳細です。

「身体と遊ぶ」 ―パントマイム基礎―
清水きよし(パントマイミスト) 

12月5日(土) 10:00~18:00 梅ヶ丘BOXにて
対象■どなたでも 募集人員■10名程度  参加費用■8,000円

内容■知っているようで知らない自分の体、普段意識することのない身体をパントマイムの基本動作の練習、それに先立つ身体訓練を通して再確認していきます。ちょっとしたことで思いもよらぬ変化が起きる。体の不思議を改めて実感するでしょう。前半はストレッチなどの身体訓練を中心に行い、後半はパントマイムの基本動作を練習します。  
1.「壁」などでおなじみの「空間の固定」。
2.実際には移動せずに、歩いているように見えるマイムの空間の移動法。
3.「力の動き」重さ、引かれる、押す、押されるの3つの動き、そして最後に『同化』というパントマイム特有の無対象行動。

講師略歴■ヨーロッパのマイムの流れをベースに、日本の伝統的な演技様式を吸収して独自のスタイルを作り上げた。軽やかで透明感のある演技で空間に自在に景色を描き出す。詩情溢れる数多くの作品から「空間の詩人」と呼ばれ、そのユーモアとペーソスに満ちた舞台は海外でも高い評価を得ている。
代表作「幻の蝶」の能舞台での上演を始めとして、創作面師・ふじもりふじお氏との共同作業による「KAMEN」「KANAWA」など、新しい仮面劇の創造への試みなども意欲的に行っている。2007年秋に熊野本宮大社の新しい神楽の振り付けを担当。
2015年より『MimeRord Part2』と題し、全国で小空間の公演を展開中。


清水 きよし さんからのメッセージ

12月5日(土)に梅ヶ丘BOXに於いて8時間のワークショップを行います。
午前10時から18時まで、パントマイムをみっちり体験しませんか?

力ではなく重さを最大限いかした無理のかからないストレッチ、知っているつもりで知らなかった身体の仕組みを意識することで変わる動きと身体そのもの。
身体って面白い、身体って不思議、きっとそう感じていただけると思います。
身体と言葉の繋がり、空間の捉え方、言葉を用いない表現についてなどを身体訓練を通して身体で感じていく、そんな内容です。

パントマイムの基本を、演劇やマイム未経験の方にも理解しやすくお伝えします。
興味をお持ちになった皆さん、どうぞ奮ってご参加ください。


★お申し込み方法★
umegaokawws@gmail.comまたは FAX:03-3426-6594 に以下の情報をお送り下さい。
件名:「WWS2015参加希望」
講師名/お名前/ふりがな/性別/年齢/お電話番号/メールアドレス/演劇経験 
その他、質問等あればご記入ください。
お申し込み後、受付確認のメール(またはFAX)をお送りしますので、指定の銀行口座にお振り込みをお願いします。
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民主主義の死。辺野古本体工事着手。

2015-10-29 | Weblog
どうしてこんな理不尽なことができるのか。それが許されると思うのか。いや、絶対に許してはならない。ここしばらく強まるばかりだった国家権力の横暴は極まった。
沖縄の皆さんだけでなく、多少なりとも沖縄の現実に関心を持ち、あるいはその現場を思って過ごしてきた人は、誰ひとりとして、今日この日の屈辱を忘れないだろう。

政府は27日、翁長雄志知事が名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消したことについて、「承認になんら瑕疵(かし)はない」として、地方自治法に基づく「代執行」手続きの開始と、行政不服審査法に基づく埋め立て承認取り消し処分の「効力停止」を、同時に打ち出した。
安倍政権は沖縄の「新基地建設反対」の民意を無視した。10万人規模の配備反対県民大会も、全41市町村長が撤回を求める「建白書」も黙殺された。

政府は前日の26日、名護市辺野古の新基地建設予定地に近い久辺3区の代表を首相官邸に招き、2015年度から県や名護市を通さず直接、振興費を3区に支出する考えを伝えている。区長は公職選挙法に基づく選挙で選ばれるわけではなく、公金の管理や使途をチェックする議会もない。ほとんど町内会である。今年度分は3地区で総額3千万円程度、防災備蓄倉庫の整備などに使うという。公金の配分が政治的意見の相違で判断されることは不正以外の何物でもない。政府は「基地と地域振興はリンクしない」と言ってきたが、まったくの嘘だった。財政の支出ルールを無視、「ご褒美」を与えたわけだ。こんな見え見えのことをして、恥ずかしくないのか。

そもそも行政不服審査法は公権力に対して「私人」が不服を申し立てる制度で、「国民の権利利益の救済」を目的としているはずである。国に不服申し立てをする資格などない。
防衛省(沖縄防衛局)が行政不服審査法に基づいて国土交通相に審査請求と取り消しの効力停止を求め、国交相はその通りの結論を出した。「私人」たりえない「お上」どうしの出来レースである。

効力停止の決定理由として国交省が挙げたのが、「飛行場周辺の住民らが被る危険性が継続するなど重大な損害が生じる」「一日も早い危険性の除去」。そうか。日本復帰から四十三年、1996年の日米合意からさえ19年が経過している。それを放置してきたのはどこの誰だ。
小学生の少女が米兵に暴行されたあの怒りの日から二十年、その決着がこれだというのか。
「唯一の選択肢」などではない。在沖米海兵隊は撤退計画が何度も立ち上がったが、日本政府に懇願されて居残ってもらったことは、誰もが知っている。ラムズフェルドでさえ、沖縄撤退を考えた時期があるのだ。
普天間の危険性云々を言うなら、安倍晋三首相が仲井真弘多前知事に口約束した「5年以内の普天間基地運用停止」について、忘れたふりをさせていいのか。

そして今日である。
10月29日朝。日本政府が独断で「米軍普天間飛行場の移設先」と決めつけた名護市辺野古で、沖縄防衛局は沿岸部の埋め立て本体工事着手に踏み切った。
当日の工事は現場近くにあるアメリカ軍キャンプ・シュワブ内に、石材やコンクリートブロックなどの仮置き場を整備するための整地だという。
許しがたい。

一方、菅義偉官房長官は28日、政府が米軍普天間飛行場所属の米輸送機MV22オスプレイを使用した米海兵隊の訓練拠点を佐賀空港に移転配備する計画を見送る方針を肯定し、「地元の了解を得ることが当然だと思う」との考えを示したという。翁長雄志沖縄県知事は、この佐賀空港での訓練見送りについて、「当然全部沖縄で(現状通り)訓練することになるのだろう」「話くゎっちー(話だけでうまいことを言っていた)」と批判した。
沖縄の負担軽減のための訓練移転という触れ込みだったが、本土で反対に遭うと言うことを聞く。あからさまな沖縄だけへの負担押しつけである。

少なくとも裁判での決着に向けて踏み出したのが国の側であるなら、司法判断が出るまで作業再開は認められないはずではないのか。
このまま辺野古移設に向けた埋め立ての本体工事を強行することは、民主主義の否定であり、そこには何一つ公平性、公正性は見当たらない。

あまりにもひどいことをされると、茫然とするしかない。
しかし黙っていてはいけない。発言し、伝え続けなければならない。
怒りの火を鎮めるのは、その怒りの理由を断ち切るときでしかないからだ。
策はないのか。

皆さんの感じている怒りは、正当なものだ。
大切な人たちの言葉に耳を傾け、一言でも多くを語り、繋がっていたい。
遠く離れて非力な身であるが、能う限り心を確かに、一歩も譲らず、向き合ってゆく者たちの仲間でありたい。
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『いとこ同志』初演から、十年

2015-10-28 | Weblog
昨日、新作『お召し列車』の稽古場で、渡辺美佐子さんに「別な芝居ではここでピーッと汽笛の音が鳴るんだよね」とか言っていたのだが、その「別な芝居」というのは『いとこ同志』のことである。どうしても同じ鉄道の芝居なので、鉄道部分ではいろいろと相似点が出てくるかも知れない。いや、そうでもないか。
というか、『いとこ同志』初演から十年経っていることに、驚かされる。

『いとこ同志』は、開館したばかりだった〈まつもと市民芸術館・実験劇場〉の、ほぼこけら落としに近い時期の上演だったのではないか。
渡辺美佐子さんと串田和美さん、宮本裕子さんと佐藤アツヒロさん、と、二組の「いとこ同志」が出てくる。というか、四人しか出ない芝居である。
たまたま読み返してみて、こんなにロマンチックな劇だったのかと、あらためて唸った。
堀尾幸男さんの列車と周景のセット、小笠原純さんの照明、市来邦比古さんの音作りも、そこのところのツボをしっかり押さえていた。 
夢幻能的でもあるしSF的なところもあるし、狂気とユーモアが紙一重のところもあるが、まあ、男女関係の劇だ。
というか、四人の出演者が、ものすごく色っぽかった。
まあ、そういう世界なのである。
後半期の稽古も、初日も、松本だった。松本暮らしの日々が懐かしい。
シビウで久しぶりに串田さんの劇を観たが、俳優としての成熟がほんとうにすばらしいと思った。同時に、がっちり美佐子さんと向き合う串田さんを、もう一度観たいという気もする。

ファンタジーの要素の濃い劇だからこそ、リアルでなければならない何かがある。それを今の私は、強く思う。

『いとこ同志』は、東京、水戸、東北、関西、九州等、十箇所以上をツアーして、沖縄では〈キジムナーフェスティバル〉にも参加している。
2年後の再演では串田さんが佐野史郎さんに交代して、また違う印象の劇になった。

『いとこ同志』戯曲集は、れんが書房新社から出ている。
表紙イラストの沢野ひとしさんが乗ってくれたのだろうと思う、本来の表紙はモノクロで渋いのだが、カラーになっている幅広の帯のほうの絵に、台詞とコピーまで書き込まれている。
四人しか出ないから手頃ということなのだろうか、やはり艶っぽいことをやってみたいと若い人も思ってくれるのだろうか、その後、けっこういろんな劇団、学生演劇でも上演されている。
http://www.amazon.co.jp/いとこ同志-坂手-洋二/dp/4846203263/ref=la_B004L9V9AQ_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1445978309&sr=1-2


それはさておき今は『お召し列車』。

以下、『お召し列車』上演情報です。

…………………………


燐光群最新作


『お召し列車』


もうこれ以上ひどいことがないっていうくらいのひどい目に遭ったら、勇気が出る。私はそうなの。

明治5年から現在まで、幾度となく特別運行されてきた「お召し列車」の歴史。
新たな東京オリンピックで海外からの来場者への「おもてなし」として再現された「お召し列車」。
その車輌の中で繰り広げられる、「果たせなかった思い出」をたどる旅。
渡辺美佐子+坂手洋二・燐光群による「鉄道劇」、最新作。


作・演出○坂手洋二

渡辺美佐子
円城寺あや 岡本舞 中山マリ 大島葉子 大月ひろ美
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋 さとうこうじ
杉山英之 武山尚史 東谷英人 樋尾麻衣子 松岡洋子 
宗像祥子 秋定史枝 川崎理沙 宇原智茂 根兵さやか 

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○大川裕
美術○じょん万次郎
音楽○太田惠資
演出助手○城田美樹
擬闘○佐藤正行
衣裳○小林巨和 ぴんくぱんだー・卯月
舞台協力○森下紀彦 
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ 長谷川千紗
宣伝意匠○高崎勝也
協力○岩淵ぐるうぷ 浅井企画 無名塾 T-ARTIST青年劇場
DULL-COLORED POP
制作○近藤順子 鈴木菜子 
Company Staff○古元道広 田中結佳 桐畑理佳 鈴木陽介
福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ
齋藤宏晃


【東京】11月27日(金)~12月6日(日) 座・高円寺1

11/27(金)19:00~
11/28(土)14:00~
11/29(日)14:00~
11/30(月)19:00~
12/1(火)19:00~
12/2(水)14:00~
12/3(木)19:00~
12/4(金)19:00~
12/5(土)14:00~/19:00~
12/6(日)14:00~

受付開始◯開演の40分前 開場◯開演の30分前

前売開始○10月18日(日)【全席指定】
◇一般 4,000円(なみちけ使用可)
◆劇団特別割引(劇団予約・燐光群オンラインチケット扱いのみ)
 一般 3,600円 ペア 6,600円 
 U-25(25歳以下)/大学・専門学校生 2,500円 高校生以下 1,500円
 ※学生・U-25は、前日までにご予約の上、当日受付にて要証明書提示。

◆燐光群オンラインチケット(学生券を除く) 
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。

◆ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294 
ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
この時間を過ぎますと、あらかじめご用意しておりましたお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。

◎以下のサービスは劇場で承ります 
お申込・お問い合せは座・高円寺チケットボックス TEL 03-3223-7300まで
*車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり) 
*障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。
*託児サービス(11月28日・12月2日・5日 各14時公演/定員あり・対象年齢 1歳~未就学児・1週間
前までに要予約)料金:1,000円


主催○有限会社グッドフェローズ
後援○杉並区
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺 

座・高円寺 秋の劇場21 日本劇作家協会プログラム
文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
フェスティバル/トーキョー15 連携プログラム


【燐光群最新作 『お召し列車』 ゲストと坂手洋二によるアフタートーク決定!】

11月30日(月) 19:00の部 小沼純一(早稲田大学教授、音楽・文芸批評家)

12月1日(火) 19:00の部 丹羽弘子 (足立区立足立小学校教諭)

12月2日(水) 14:00の部 深作健太(映画監督、脚本家、演出家)

12月5日(土) 19:00の部 ドリアン助川(作家)


12月には国内ツアーがあります ↓

【伊丹】12/11(金)~13(日)@AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
【岡山】12/17(木)@岡山市立市民文化ホール
【名古屋】12/19(土)・20(日)@愛知県芸術劇場


写真は、『パーマネント・ウェイ』より、渡辺美佐子

http://rinkogun.com/the_imperial_train.html


……………………………


座・高円寺フリーマガジンに以下のような記事を書いていました。

「『カウラの班長会議』で、オーストラリア・カウラの捕虜収容所で脱走事件のさい居合わせた、当時ハンセン病患者であった立花誠一郎さんと出会った。私の故郷に住む立花さんとの親交が始まった。昨年カウラ当地で上演したとき、彼がその時ここにいたという事実に、あらためて大きく揺さぶられた。
そして私は、国鉄により幾度となく実施された、ハンセン病患者を強制輸送するため設けられた特別列車=通称「お召し列車」運行の歴史を知った。
……私には列車の中を舞台に劇を作った経験がある。渡辺美佐子さん・串田和美さん共演の『いとこ同志』だ。今回は美佐子さんと、昭和と戦後について、決して忘れてはならない楔を打ち込むつもりで挑みたい。」    坂手洋二(座・高円寺フリーマガジン14号より
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『沖縄ミルクプラントの最后』 2017年3月 東京演劇アンサンブルによる上演のお知らせ

2015-10-26 | Weblog
レパートリーが正式発表されたようなので、こちらでもご報告。

拙作『沖縄ミルクプラントの最后』は、1998年に初演された、私の初期「沖縄三部作」の一本。(ハヤカワ演劇文庫『海の沸点/沖縄ミルクプラントの最后/ピカドン・キジムナー』収録)

http://www.amazon.co.jp/坂手洋二-海の沸点-沖縄ミルクプラントの最后-ピカドン・キジムナー-ハヤカワ演劇文庫/dp/4151400176

私自身は、言ってみれば、思い入れが強すぎて、再演できない作品。
浦添の米軍基地キャンプキンザーに実在したミルク工場の閉鎖(1995)に伴う出来事に取材しました。

以下が、初演時のキャッチコピー。

工場という名の、戦場。
ここで作られた製品が、沖縄駐留米軍半世紀の生活を支えた。
一兵卒も、将校も、同じミルクを飲んだ。
基地内の子供たちの発育に貢献し、ベトナムの激戦地にも輸送された。
……ミルクプラントの閉鎖は、単なる「首切り」か。
それとも、アメリカが沖縄から撤退してゆく、一つの過程なのか。

…………………


このたび、東京演劇アンサンブルさんによって上演されます。
といっても、2017年3月。まだ先の話です。

会場=ブレヒトの芝居小屋。演出=松下重人。

http://www.tee.co.jp/16koen-nittei.html
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新作『お召し列車』 アフタートーク・ゲスト決定!

2015-10-26 | Weblog

【燐光群最新作 『お召し列車』 ゲストと坂手洋二によるアフタートーク決定!】

11月30日(月) 19:00の部 小沼純一(早稲田大学教授、音楽・文芸批評家)

12月1日(火) 19:00の部 丹羽弘子 (足立区立足立小学校教諭)

12月2日(水) 14:00の部 深作健太(映画監督、脚本家、演出家)

12月5日(土) 19:00の部 ドリアン助川(作家)


いろいろなところでよくばったり会ってしまう小沼純一さんですが、私たちの演劇「実験」の良き理解者と信じており、お話が楽しみです。

丹羽弘子さんは国立ハンセン病療養所内に唯一存在した高校、邑久高校新良田教室研究の第一人者です。今回とてもお世話になりました。

映画監督よりも演劇中心になってきている?深作健太さんは燐光群をずっと観てくださっていて、なにしろ今年は彼も私も共にオペラ演出デビューした間柄です。

ドリアン助川さんは、今年映画化された『あん』の原作者で、今回の出演者・大島葉子と映画『朱花の月』(河瀬直美監督)にも主演、同世代きっての多才な方です。

この豪華なトーク・ゲスト陣に圧倒されながらも、『お召し列車』稽古入りしております。


※本公演の前売券をお持ちの方、ご予約の方は、アフタートークにご入場いただけます。


 以下、上演情報です。

…………………………


燐光群最新作


『お召し列車』


もうこれ以上ひどいことがないっていうくらいのひどい目に遭ったら、勇気が出る。私はそうなの。

明治5年から現在まで、幾度となく特別運行されてきた「お召し列車」の歴史。
新たな東京オリンピックで海外からの来場者への「おもてなし」として再現された「お召し列車」。
その車輌の中で繰り広げられる、「果たせなかった思い出」をたどる旅。
渡辺美佐子+坂手洋二・燐光群による「鉄道劇」、最新作。


作・演出○坂手洋二

渡辺美佐子
円城寺あや 岡本舞 中山マリ 大島葉子 大月ひろ美
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋 さとうこうじ
杉山英之 武山尚史 東谷英人 樋尾麻衣子 松岡洋子 
宗像祥子 秋定史枝 川崎理沙 宇原智茂 根兵さやか 

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○大川裕
美術○じょん万次郎
音楽○太田惠資
演出助手○城田美樹
擬闘○佐藤正行
衣裳○小林巨和 ぴんくぱんだー・卯月
舞台協力○森下紀彦 
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ 長谷川千紗
宣伝意匠○高崎勝也
協力○岩淵ぐるうぷ 浅井企画 無名塾 T-ARTIST青年劇場
DULL-COLORED POP
制作○近藤順子 鈴木菜子 
Company Staff○古元道広 田中結佳 桐畑理佳 鈴木陽介
福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ
齋藤宏晃


【東京】11月27日(金)~12月6日(日) 座・高円寺1

11/27(金)19:00~
11/28(土)14:00~
11/29(日)14:00~
11/30(月)19:00~
12/1(火)19:00~
12/2(水)14:00~
12/3(木)19:00~
12/4(金)19:00~
12/5(土)14:00~/19:00~
12/6(日)14:00~

受付開始◯開演の40分前 開場◯開演の30分前

前売開始○10月18日(日)【全席指定】
◇一般 4,000円(なみちけ使用可)
◆劇団特別割引(劇団予約・燐光群オンラインチケット扱いのみ)
 一般 3,600円 ペア 6,600円 
 U-25(25歳以下)/大学・専門学校生 2,500円 高校生以下 1,500円
 ※学生・U-25は、前日までにご予約の上、当日受付にて要証明書提示。

◆燐光群オンラインチケット(学生券を除く) 
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。

◆ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294 
ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
この時間を過ぎますと、あらかじめご用意しておりましたお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。

◎以下のサービスは劇場で承ります 
お申込・お問い合せは座・高円寺チケットボックス TEL 03-3223-7300まで
*車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり) 
*障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。
*託児サービス(11月28日・12月2日・5日 各14時公演/定員あり・対象年齢 1歳~未就学児・1週間
前までに要予約)料金:1,000円


主催○有限会社グッドフェローズ
後援○杉並区
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺 

座・高円寺 秋の劇場21 日本劇作家協会プログラム
文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
フェスティバル/トーキョー15 連携プログラム


12月には国内ツアーがあります ↓

【伊丹】12/11(金)~13(日)@AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
【岡山】12/17(木)@岡山市立市民文化ホール
【名古屋】12/19(土)・20(日)@愛知県芸術劇場


写真は、『パーマネント・ウェイ』より、渡辺美佐子

http://rinkogun.com/the_imperial_train.html


……………………………


座・高円寺フリーマガジンに以下のような記事を書いていました。

「『カウラの班長会議』で、オーストラリア・カウラの捕虜収容所で脱走事件のさい居合わせた、当時ハンセン病患者であった立花誠一郎さんと出会った。私の故郷に住む立花さんとの親交が始まった。昨年カウラ当地で上演したとき、彼がその時ここにいたという事実に、あらためて大きく揺さぶられた。
そして私は、国鉄により幾度となく実施された、ハンセン病患者を強制輸送するため設けられた特別列車=通称「お召し列車」運行の歴史を知った。
……私には列車の中を舞台に劇を作った経験がある。渡辺美佐子さん・串田和美さん共演の『いとこ同志』だ。今回は美佐子さんと、昭和と戦後について、決して忘れてはならない楔を打ち込むつもりで挑みたい。」    坂手洋二(座・高円寺フリーマガジン14号より
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第21回 劇作家協会新人戯曲賞 最終候補作発表

2015-10-24 | Weblog
第21回 劇作家協会新人戯曲賞最終候補作が発表となりました。

『南吉野村の春』      岡田鉄兵 (大阪府)
『アキラ君は老け顔』    國吉咲貴 (埼玉県)
『畳と巡礼』        象千誠 (広島県)
『少年は銃を抱く』     ハセガワアユム (東京都)
『ずぶ濡れのハト』     南出謙吾 (東京都)
『夜明けに、月の手触りを』 藤原佳奈 (東京都)
                       ※ 応募戯曲到着順

2015年度は応募総数は189本のうち23本が一次選考を通過し、二次選考により6本の最終候補作が決まりました。
最終候補作は五本のことが多いのですが、今回は接戦で、六本となりました。

最終審査会は一般公開で行われます。
上記最終候補作を全文収録した「優秀新人戯曲集2016」は、12月初旬にブロンズ新社より刊行予定。(写真は昨年版)
つまり全作品を読んだ上で公開審査会に立ち会えます。
そして審査員は応募作品を提出した人たちによる投票で選ばれています。
つまり、応募者が、自分の選んだ選考委員に、密室ではなく公開の形で、他の候補作も読んだ上で、審査に立ち会うことができるという、画期的なシステムです。
この仕組みを発明した身としては、もう21回めになるとは、感無量です。
第一回の前の北九州劇作家大会のテストケースの時から、担当委員の小松幹生さんの、劇作家としての気配りと、プロの編集者としての力によって、続けることができました。
本当に、感謝です。

開催詳細は、以下の通り。

第21回劇作家協会新人戯曲賞 公開審査会

[日時] 2015年12月13日(日) 18:30
[会場] 座・高円寺2

《最終選考委員》
 鴻上尚史、坂手洋二、鈴江俊郎、佃 典彦、土田英生、マキノノゾミ、渡辺えり
 (司会:鈴木 聡)

[入場料]  1,000円
[ご予約] 11月10日頃受付開始 (予定)

[主催] 一般社団法人 日本劇作家協会
[後援] 公益財団法人 一ツ橋綜合財団、杉並区

http://www.jpwa.org/main/drama-award/prize


※ 一次・二次の選考委員は、以下の皆さまです

一次選考委員
 岡安伸治、小川未玲、刈馬カオス、黒川陽子、小松幹生、
 杉浦久幸、角ひろみ、高谷信之、嶽本あゆ美、棚瀬美幸、
 ナカヤマカズコ、丸尾聡、柳井祥緒、芳崎洋子

二次選考委員
 岡安伸治、鹿目由紀、小松幹生、鈴江俊郎、佃典彦、永井愛、ふじたあさや

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新作『お召し列車』

2015-10-23 | Weblog
燐光群最新作『お召し列車』の概要が発表されましたので、お伝えいたします。

渡辺美佐子さんと3年ぶりに組みます。

そうです。「お召し列車」。
皇族を乗せる特別車輌と、ハンセン病患者だけを乗せる専用車両が、その同じ名前で呼ばれていた事実から、私たちの避けられぬ過去の記憶と現在を描きます。

……………………………


燐光群最新作


『お召し列車』


もうこれ以上ひどいことがないっていうくらいのひどい目に遭ったら、勇気が出る。私はそうなの。

明治5年から現在まで、幾度となく特別運行されてきた「お召し列車」の歴史。
新たな東京オリンピックで海外からの来場者への「おもてなし」として再現された「お召し列車」。
その車輌の中で繰り広げられる、「果たせなかった思い出」をたどる旅。
渡辺美佐子+坂手洋二・燐光群による「鉄道劇」、最新作。


作・演出○坂手洋二

渡辺美佐子
円城寺あや 岡本舞 中山マリ 大島葉子 大月ひろ美
鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 大西孝洋 さとうこうじ
杉山英之 武山尚史 東谷英人 樋尾麻衣子 松岡洋子 
宗像祥子 秋定史枝 川崎理沙 宇原智茂 根兵さやか 

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○大川裕
美術○じょん万次郎
音楽○太田惠資
演出助手○城田美樹
擬闘○佐藤正行
衣裳○小林巨和 ぴんくぱんだー・卯月
舞台協力○森下紀彦 
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ 長谷川千紗
宣伝意匠○高崎勝也
協力○岩淵ぐるうぷ 浅井企画 無名塾 T-ARTIST青年劇場
DULL-COLORED POP
制作○近藤順子 鈴木菜子 
Company Staff○古元道広 田中結佳 桐畑理佳 鈴木陽介
福田陽子 西川大輔 宮島千栄 橋本浩明 内海常葉 秋葉ヨリエ
齋藤宏晃


【東京】11月27日(金)~12月6日(日) 座・高円寺1

11/27(金)19:00~
11/28(土)14:00~
11/29(日)14:00~
11/30(月)19:00~
12/1(火)19:00~
12/2(水)14:00~
12/3(木)19:00~
12/4(金)19:00~
12/5(土)14:00~/19:00~
12/6(日)14:00~

※アフタートークが数回準備されています 詳細はまもなく劇団ホームページに発表されます

受付開始◯開演の40分前 開場◯開演の30分前

前売開始○10月18日(日)【全席指定】
◇一般 4,000円(なみちけ使用可)
◆劇団特別割引(劇団予約・燐光群オンラインチケット扱いのみ)
 一般 3,600円 ペア 6,600円 
 U-25(25歳以下)/大学・専門学校生 2,500円 高校生以下 1,500円
 ※学生・U-25は、前日までにご予約の上、当日受付にて要証明書提示。

◆燐光群オンラインチケット(学生券を除く) 
http://rinkogun.com 
24時間いつでもホームページ上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
お支払いは現金(セブンイレブン)、またはクレジットカードとなります(手数料はお客様負担)。
※会員登録(無料)が必要です。

◆ご予約・お問合せ○燐光群/(有)グッドフェローズ
03-3426-6294 
ticket-rinkogun@ee.alles.or.jp
①<お名前/電話番号/希望日時/チケットの種類と枚数>をお伝え下さい。
こちらからのお返事を以てご予約とさせて頂きます。
②当日、開演の10分前までに受付にお越し下さい。代金と引換でチケットをお渡しします。
この時間を過ぎますと、あらかじめご用意しておりましたお席にご案内できない場合がございます。
※キャンセル・日時変更はできません。

◎以下のサービスは劇場で承ります 
お申込・お問い合せは座・高円寺チケットボックス TEL 03-3223-7300まで
*車椅子スペースをご利用の方は、前日までにお申し込みください(定員あり) 
*障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引きになります。
*託児サービス(11月28日・12月2日・5日 各14時公演/定員あり・対象年齢 1歳~未就学児・1週間
前までに要予約)料金:1,000円


主催○有限会社グッドフェローズ
後援○杉並区
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺 

座・高円寺 秋の劇場21 日本劇作家協会プログラム
文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
フェスティバル/トーキョー15 連携プログラム


12月には国内ツアーがあります ↓

【伊丹】12/11(金)~13(日)@AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)
【岡山】12/17(木)@岡山市立市民文化ホール
【名古屋】12/19(土)・20(日)@愛知県芸術劇場


写真は、『パーマネント・ウェイ』より、渡辺美佐子

http://rinkogun.com/the_imperial_train.html


……………………………


座・高円寺フリーマガジンに以下のような記事を書いていました。

「『カウラの班長会議』で、オーストラリア・カウラの捕虜収容所で脱走事件のさい居合わせた、当時ハンセン病患者であった立花誠一郎さんと出会った。私の故郷に住む立花さんとの親交が始まった。昨年カウラ当地で上演したとき、彼がその時ここにいたという事実に、あらためて大きく揺さぶられた。
そして私は、国鉄により幾度となく実施された、ハンセン病患者を強制輸送するため設けられた特別列車=通称「お召し列車」運行の歴史を知った。
……私には列車の中を舞台に劇を作った経験がある。渡辺美佐子さん・串田和美さん共演の『いとこ同志』だ。今回は美佐子さんと、昭和と戦後について、決して忘れてはならない楔を打ち込むつもりで挑みたい。」    坂手洋二(座・高円寺フリーマガジン14号より
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日越国際協働制作 結城座×ベトナム青年劇場『野鴨中毒』

2015-10-21 | Weblog
江戸糸あやつり人形 結城座のHPに情報がアップされたので、お知らせします。
日越国際協働制作 結城座×ベトナム青年劇場『野鴨中毒』の、演出をします。上演台本も担当します。以前、燐光群『現代能楽集 イプセン』中の一本として上演した『野鴨中毒』をリニューアル、というよりは、イプセンの原本『野鴨』に大幅に戻る形で、あるいは、更に冒険して、かなり大胆に改訂します。
十二代目結城孫三郎さんとのかねてからの計画が実りました。斎藤憐さんと三人で飲んだなあ、と思い出します。
結城座のHPに「ベトナムの吉永小百合といわれる国民的大女優レ・カインさん(ベトナム青年劇場)からの熱烈なアプローチがかなっての夢の競演」とありますように、日本でもよく知られているレ・カインさんと孫三郎さんの対決シーンに、今からわくわくしています。
人形美術は寺門孝之さん。
2016年3月16日(水)~21日(月・休) 東京芸術劇場シアターイースト
そして4~5月はベトナムツアーです。

http://www.youkiza.jp/sp/vietnam/

写真は、2015年3月このプロジェクトの準備企画としてベトナムでワークショップを行ったときのもの。孫さんと私に囲まれているのがレ・カインさんです。
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パソコン代替わりと 高遠菜穂子さんの情熱と 映画化と 「タイ特集」再び告知

2015-10-17 | Weblog
あろうことかこんな時期にパソコンが壊れた。不調のため先週バッテリーを交換しそれですむと思っていたらそうではなかった。しばらくするとダメだった。最終的に起動状態に信用が置けなくなり、Apple Storeに通い、修復を試みたが、これはもうダメだとわかった。そもそももうとうにバッテリーも正規では売っていなかった旧型だ。基盤そのものがいかれていた。がさつな私だが意外と大切に扱ってきたつもりだ。自分もバッテリー交換時に内部を見たとき、なぜかそういう予感はあったが、まあこれはもう純粋に寿命であろう。Apple Store の女性ジニアスに「ここまで使い込んでくださって……」と感動のあまり?絶句されるほどには、使い切った形跡は明らかだった。悔いはない。自分で格闘二日、Apple Store で悪あがきと不良部分を避けての新機へのデータ移し替えで二日、もう旧来のワープロソフト「EGword」は使えない新バージョンなので、新しいワープロのシステム設定と諸々調整に一日、大変な時間のロスだ。しかし他に方法はなかった。どうにもならない。……色んな約束もパスした。何より仕事が遅れている。旧機もそこにしか残していないデータがあるのでだましだまし使わざるを得ない。まだまだつきあってもらう。きちんとだまされてくれ。(写真)

そんな中でも時間を確保して取材は続けた。劇作家協会戯曲セミナー研修課の講座もした。私の講座には常に重量級の作品に挑むもはや新人ではない獄本あゆ美という書き手がいるのだが、この新作がまた『ダム』『太平洋食堂』『南京』に負けない濃厚さである。まもなくPカンパニーによって上演される。……二期前までこの講座にいて小説家に転身した中澤日菜子の出世作『お父さんと伊藤さん』は映画化作品が完成間近のようだ。ヒロインが上野樹里、お父さんが藤竜也、そして伊藤さんがリリー・フランキーという。監督はタナダユキ。これが当たれば次々に映画化されるだろう。というか、当たるはずだ。……映画化といえば、平田オリザ原作『さようなら』の試写にはなんとか滑り込めた。あれはどういうモーフィングだろうか、後半、R指定も頷ける、ものすごいワンカットがある。

慶応義塾大学で「イラククルド報告会」、芸文学会の扱いで、巽さん、大和田さん、粂川さんのお世話になる。後半のシンポジウムに出る。高遠菜穂子さんの本気と情熱にうたれる。夏の〈非戦を選ぶ演劇人の会〉にゲスト出演された泥憲和さんが大阪から来てくださって、初めてちゃんと話す。明晰でかっこいい人だ。

……………………

で、開催は月曜に迫っているのに、まだまだ予約では定員に及ばず、ほんとにもったいないので、重ねて〈海外演劇紹介プログラム〉「タイ特集」の宣伝をさせていただきます。

劇作家協会国際交流部が新たに始める〈海外演劇紹介プログラム〉。第1回は「タイ特集」です。
タイ演劇研究の第一人者・千徳美穂さん。そして今秋から文化庁の在外研修でロンドンに行く鈴木アツト君が出発前、最近入れ込んでいたタイについて、報告します。

……………………

劇作家協会国際交流部では、海外の演劇事情について知り、過去に海外の国・町を訪れた体験を持つスピーカーとともに、その地の実情に触れる機会を作る《海外演劇紹介プログラム》をスタートさせます。

在外研修・海外公演・フェスティバル参加などでその地での体験を持つスピーカーを囲んで、その地の社会・文化・演劇に関心を持つ者や将来留学を考えている者たちが集まり、一つの国・あるいは町について情報を共有し、その魅力を紹介しあい、考察を深めます。

日本に住む者が「内向き」になったと言われるこの時代だからこそ、求められている企画です。
奮ってご参加ください。


第1回「タイ特集」

【日時】10月19日(月) 19:00ー21:30(予定)
【会場】劇作家協会事務局・会議室 (東京都杉並区高円寺北2-29-14-501)
【参加費】無料

【スピーカー】鈴木アツト(劇作家協会会員)、千徳美穂(タイ語翻訳家)
【国際交流部担当委員】坂手洋二、土田英生

[スピーカープロフィール]
▼ 鈴木アツト
1980年東京都生まれ。03年に劇団印象-indian elephant-を旗揚げ。10年より韓国やタイとの共同制作を開始し、12年には韓国の「密陽夏公演芸術祝祭」「居昌国際演劇祭」に招聘される。代理出産ビジネスを扱った『グローバル・ベイビー・ファクトリー』で第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補。15年には国際交流基金のアジア・フェローシップでタイに2ヶ月間滞在し、その取材をもとに『グローバル・ベイビー・ファクトリー2』を発表。

▼ 千徳美穂
早稲田大学第一文学部演劇専修在学中の1986年6月から1年間、バンコクのタマサート大学文学部演劇科に派遣留学。2000年ー2001年、タイ国文化センターリサーチフェローとしてバンコク滞在。 野田秀樹作・演出『赤鬼(タイバージョン)』(1998年世田谷パブリックシアター)コーディネイトなど、日タイの演劇交流事業に携わる。

[申込み方法]
・メール件名=「タイ特集参加予約」としてください。
・記載事項=氏名・ふりがな・携帯電話番号・ご所属(特にご所属がない方も歓迎します)
・送信先= sec-02@jpwa.jp
 **同アドレスよりのメールが受信できるようご設定ください。

*参加費は無料です
*お申込み後36時間以内に確認メールをお送りします(土日祝は遅くなる場合があります)
*会場の都合上お早めにご連絡いただけると助かりますが、席に余裕がある場合は当日のご連絡でも承ります。きっと大丈夫。当日でも。

[お問合せ]
 日本劇作家協会事務局
 TEL: 03-5373-6923
 MAIL: sec-02@jpwa.jp

http://www.jpwa.org/main/activity/introduction-world

…………………………

タイの演劇情勢については、今回のゲストである千徳美穂さんの手による以下の記事がとてもよくまとめてあります。(事務局の国松さんが見つけてくれました)

http://www.nntt.jac.go.jp/centre/library/theatre_w/27.html
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同時代の面々に励まされる

2015-10-14 | Weblog
どんどん時間ばかりが経ってゆく。サボってはいないはずなのに仕事は進まない。雑務は飛び込んでくるし、来年以降のあれこれが考えてみれば当然なのであるが今なぜか押し寄せてくるし、書かねばならない書類もどーんとあるし、家庭の事情もあるし、いろんな思いの人たちの相手もしなければならないし……、でも、「勉強している限り人間怖いものはありません」と故・志村喬さんも言っていたし、まあ、とにかく、何とか生きている。内部も外部も打ち合わせ多々々……。結局まだ会えていない人もいるし、いやはや。
こちらが受ける取材もあったが、現在の要である創作行動としては、まだまだこちらがするべき取材がとにかく多い。身になることばかり。
合間に、でも、かねてからご一緒にと言っていた相手とまったく飲んだりしていないわけでは、ない。だが結果として大きな宿題をもらうばかりだ。友が皆、偉大に見える。ほんとうにそうなのだ。まあこちらも我が道を行くしかない。

この間、観た芝居は多くない。その中で、『月の獣』が、さすがは栗山民也演出。前半がより鋭いが、後半も隠されたワザが多々。勉強になる。照明と美術の掛け合わせ、シンプルな中にツボを鋭く突いてくる。占部房子、十年前に共に夫婦役で二人芝居をした身としては、ガッチリした夫婦芝居にざわざわするが、とにかく十五歳に扮しての冒頭の登場に、こんなのこいつしかでできんわいと思うし、その後も無駄なく充実していて、栗山さんとのカップリングが今の占部にはとてもいいのだろう、俺はこういう占部が観たかった。今年の占部は何を観ても素敵だ。

そして、ヒカシューと、ロシアから参加で映画「草原の実験」の音楽も担当しているアレクセイ・アイギ&最近ずっと燐光群の音楽を担当してくれている太田惠資、ファルセットのライブで、久しぶりに、渋谷ラママへ。ガールズのファルセット、好感度。とにかくヴァイオリン・ブラザーズ=アレクセイと太田さんが、どんな恋人同士よりもステディなディオで、まるまる30分間の即興は、至福。バイオリンという楽器が持っている、何か。良い子は真似しないで、の世界だ。後で、二人ともエッチだ、と言うと、あんたもね、と返ってくる。やれやれ。はい。ヒカシューもバンドとしての充実ぶりは問答無用、テルミンを操る巻上公一の動きがもうほんとにやんちゃでチャーミングで、中盤からのアレクセイ&太田も交えた演奏は途中から火がついて、さすがさすがの芳醇。とにかくこの晩は、元気をもらった。ヒカシュー「結成38年」に「え?」となるが、考えてみれば巻上さんとの出会いからとうに四半世紀を過ぎている。

素敵な同時代人たちに、感謝。

写真はアレクセイ&太田、二人のディオCD「ポルタメント島奇想曲」。いま聴いている。
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昔も今もウソばかり

2015-10-13 | Weblog
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が旧日本軍による「南京事件」に関する資料を世界記憶遺産に登録。
習近平国家主席は「侵略戦争以後に生まれた人であっても正しい歴史観を持ち、歴史の教訓を心に刻まなければならない」としており、八月の内閣総理大臣談話で「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の8割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言った安倍総理と、徹底的に対立している。
いつの時代に生まれようが「正しい歴史観を持ち、歴史の教訓を心に刻まなければならない」ことは当然であり、もはや安倍総理の「位負け」である。それが自分の国のことであっても、そこに否定できない罪があるなら「日本軍国主義の罪」を認識することは正しいことであるに決まっている。

ところが川村泰久外務報道官は「中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾」「一方的な主張に基づき申請されたもの」「南京事件は日中間で見解の相違があることが明らかだ。中国の一方的な主張に基づき申請され、完全性や真正性に問題がある」、記憶遺産制度についても「文書遺産の保護やアクセスの確保を目的とするユネスコの事業であり、政治利用されることがないよう制度改革を求めていく」と発言。
外務省幹部は「中国が日本をおとしめるため、国際機関のお墨付きを得ようとしたのは明白だ。制度にも欠陥がある」「国際機関の政治利用」としている。外務省はこれまで、中国に登録申請を撤回するよう申し入れていたほか、ユネスコにも制度改善を求めていたという。

世界記憶遺産の審査は、文書保存などの専門家14人でつくる国際諮問委員会が行っているが、委員の選考基準は明確でなく、歴史学者も含まれていないという。
中国側は南京事件犠牲者数を「30万人以上」としているが、日本政府の言い分は、「数値を正確にしよう」ということではない。登録前から自民党原田義昭国際情報検討委員会委員長は「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、申請しようとするのは承服できない」と発言していたらしい。
多くの第一次証言が確認されている現実を見ても、存在自体を否定できるはずはない。

産経新聞によれば、日本政府筋は「断固たる措置を取る」と述べ、ユネスコの分担金拠出などの一時凍結を検討する構えを見せているという。
平成26(2014)年度のユネスコ予算の日本の分担率は米国の22%に次ぐ10・83%で、金額は約37億1800万円。米国が支払いを停止しているため、事実上のトップ。さらに分担金以外でも、さまざまな事業に対する任意拠出金があり、同年度のユネスコ関係予算は計約54億3270万円に上る。
外務省首脳は「日本の分担金はトップクラス。(ユネスコ側が)日本からの申し入れに真剣に耳を傾けることに期待したい」として、中国の申請案件の登録が認められた場合は拠出金の凍結もあり得るとのシグナルを送り、慎重な審査を求めていたという。

じっさい自民党の二階総務会長は11日、徳島市で講演し、「ユネスコが『(南京事件で)日本は悪い』というなら、ユネスコの資金はもう日本は協力しないと言えないとしょうがない」と述べた。菅官房長官も本日「記憶遺産については、どういう形で決まるかということが極めて不透明なんですよね、今のやり方」と言ったうえで、ユネスコに対する拠出金を停止することや、減額することを含めて見直す考えを示した。

これは、制度改善を求めるというより、カネにものを言わせた脅迫である。
本当に恥じるべきである。

「南京事件」はなかった、などという虚偽を言いつのることができるのは、この政府が「嘘をつく」ことに無感覚になっているからだろう。

東京新聞によれば、安全保障関連法を採決した九月十七日の参院特別委員会の議事録が、十一日に参院ホームページで公開された。採決は委員長の宣告後に行われるのが規則だが、採決を宣告したと主張する委員長発言を「聴取不能」と認めておきながら、安保法を「可決すべきものと決定した」と付け加えたという。
参院事務局は、追加部分は「委員長が認定した」と説明しているが、野党側は事前の打診に同意していないという。
例の、委員長不信任動議が否決されて鴻池委員長が着席。自民党議員らの「人間かまくら」が周囲を取り囲み、混乱の中、議事録でも質疑や採決の宣告は全く聞こえなかったとされているときのものである。
議事録は「聴取不能」までは未定稿と同じ内容。しかし「委員長復席の後の議事経過は、次のとおりである」との説明を追加。審議再開を意味する「速記を開始」して安保法制を議題とし、「質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお、(安保法制について)付帯決議を行った」と明記した。
これは明らかな「改ざん」である。
議事録には、安保法の委員会可決だけでなく、「付帯決議」を行ったことも書き加えられたが、これも野党側は全く聞き取れなかったという。
もう、まったくの、無法地帯である。
委員会可決について「法的に存在したとは評価できない」との声明を出した弁護士有志メンバーの山中真人氏は、議事録の追加部分について「議員や速記者が委員長の声が聞こえていない以上、採決は存在しない」としているというが、その言を待つまでもなく、テレビやネットの映像で見れば明らかにそんなことが出来たとは思われない混乱の中、「付帯決議」まで書き加えたとは、無茶である。

こんな嘘をつく人たちが言うことを、諸外国の人たち、ユネスコの委員が、どうして信じることができるだろう。

昔も今もウソばかり、ということだ。

今月は安倍内閣の14年4月の武器禁輸方針撤廃を受け、「防衛装備庁」なる庁が発足した。
「武器輸出で紛争を助長することになる」との批判に対し、当時の小野寺五典防衛相は「まるで『武器』という話だが、現実的には『防衛装備』だ」などと言っており、化学防護服などを輸出するかのような言い方をしていたが、結局、武器をがんがん輸出するのだという。
ここもほんとうに、大嘘つきである。

で、その「防衛装備庁」のロゴマークが発表された。同庁は「中心の円は、各自衛隊を想起させる色を用い、装備品の取得に係る防衛省内の組織が一致協力して和(輪)をなし、業務に取り組んでいく様子を表しています。また、地球をイメージし、国際平和に貢献していくという意味も含まれています。円を取り巻く3つの線は、陸海空自衛隊の代表的な装備品である車両、護衛艦、航空機を表しています」と説明している。
ほんとうに車両、護衛艦、航空機のシンボリックなイラストがあしらわれている。
ロゴマークは嘘をつき終わった後の確信犯であり、どうやらこういうことにはもう嘘をつく必要がないのである。

「明らかなウソ」と指摘できる間に止めてしまわないといけない。
その、「虚偽」に塗り固められた世界の中では、「ホントのことなのに何が悪い」と、言われてしまうのである。
急がなければ時間がない。
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〈海外演劇紹介プログラム〉  第1回「タイ特集」

2015-10-10 | Weblog
劇作家協会が新たに始める〈海外演劇紹介プログラム〉を紹介します。
第1回は「タイ特集」です。
今秋から文化庁の在外研修でロンドンに行く鈴木アツト君が、出発前、最近入れ込んでいたタイについて、報告します。

……………………

劇作家協会国際交流部では、海外の演劇事情について知り、過去に海外の国・町を訪れた体験を持つスピーカーとともに、その地の実情に触れる機会を作る《海外演劇紹介プログラム》をスタートさせます。

在外研修・海外公演・フェスティバル参加などでその地での体験を持つスピーカーを囲んで、その地の社会・文化・演劇に関心を持つ者や将来留学を考えている者たちが集まり、一つの国・あるいは町について情報を共有し、その魅力を紹介しあい、考察を深めます。

日本人が「内向き」になったと言われるこの時代だからこそ、求められている企画です。
奮ってご参加ください。


第1回「タイ特集」

【日時】10月19日(月) 19:00ー21:30(予定)
【会場】劇作家協会事務局・会議室 (東京都杉並区高円寺北2-29-14-501)
【参加費】無料

【スピーカー】鈴木アツト(劇作家協会会員)、千徳美穂(タイ語翻訳家)
【国際交流部担当委員】坂手洋二、土田英生

[スピーカープロフィール]
▼ 鈴木アツト
1980年東京都生まれ。03年に劇団印象-indian elephant-を旗揚げ。10年より韓国やタイとの共同制作を開始し、12年には韓国の「密陽夏公演芸術祝祭」「居昌国際演劇祭」に招聘される。代理出産ビジネスを扱った『グローバル・ベイビー・ファクトリー』で第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補。15年には国際交流基金のアジア・フェローシップでタイに2ヶ月間滞在し、その取材をもとに『グローバル・ベイビー・ファクトリー2』を発表。

▼ 千徳美穂
早稲田大学第一文学部演劇専修在学中の1986年6月から1年間、バンコクのタマサート大学文学部演劇科に派遣留学。2000年ー2001年、タイ国文化センターリサーチフェローとしてバンコク滞在。 野田秀樹作・演出『赤鬼(タイバージョン)』(1998年世田谷パブリックシアター)コーディネイトなど、日タイの演劇交流事業に携わる。

[申込み方法]
・メール件名=「タイ特集参加予約」としてください。
・記載事項=氏名・ふりがな・携帯電話番号・ご所属(特にご所属がない方も歓迎します)
・送信先= sec-02@jpwa.jp
 **同アドレスよりのメールが受信できるようご設定ください。

*参加費は無料です
*お申込み後36時間以内に確認メールをお送りします(土日祝は遅くなる場合があります)
*会場の都合上お早めにご連絡いただけると助かりますが、席に余裕がある場合は当日のご連絡でも承ります。

[お問合せ]
 日本劇作家協会事務局
 TEL: 03-5373-6923
 MAIL: sec-02@jpwa.jp

http://www.jpwa.org/main/activity/introduction-world

…………………………

タイの演劇情勢については、今回のゲストである千徳美穂さんの手による以下の記事がとてもよくまとめてあります。(事務局の国松さんが見つけてくれました)

http://www.nntt.jac.go.jp/centre/library/theatre_w/27.html
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〈日韓演劇週間〉のお知らせ

2015-10-08 | Weblog
上野の劇場STORE HOUSEが毎年秋に行っている〈日韓演劇週間〉の中で、今月18日に〈日韓演劇交流センター〉との共催でシンポジウムを行うことになり、同センターから私が司会として参加します。
短い期間ですが上演自体も濃厚な四本で、楽しみです。

以下、公演とシンポジウムの情報

STORE HOUSE Collection 日韓演劇週間Vol.3
日韓気鋭の4劇団が2週に渡って競演します。

韓国の現代演劇を代表するパク・クニョンが主宰する劇団コルモッキル
2015年、韓国・密陽夏の演劇祭にて「戯曲賞」を受賞した気鋭の劇団、温泉ドラゴン
2014年度・韓国の演劇賞を総なめにしたキム・ジョエプ率いるドリームプレイ
現代社会を見つめる鋭い視線を舞台にのせる、紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した中津留章仁

期間:<第一週>2015年10月14日(水)~10月18日(日)
コルモッキル×温泉ドラゴン
<第二週>2015年10月21日(水)~10月25日(日)
劇団ドリームプレイ×中津留章仁 LOVERS

会場:上野ストアハウス
企画・製作・主催:(有)ストアハウス
助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)日本芸術文化振興基金

《タイムテーブル》A=コルモッキル B=温泉 C=ドリームプレイ D=中津留
  10月14日(水) 14:00【B】 19:00【A】
     15日(木) 14:00【A】 19:00【B】
     16日(金) 14:00【B】 19:00【A】
     17日(土) 14:00【A】 19:00【B】
     18日(日) 12:00【B】 17:00【A】 19:00~シンポジウム
  10月21日(水) 14:00【D】 19:00【C】
     22日(木) 14:00【C】 19:00【D】
     23日(金) 14:00【D】 19:00【C】
     24日(土) 14:00【C】 19:00【D】
     25日(日) 12:00【D】 17:00【C】

全席自由席となります          

チケット
料金:1本券 前売・予約 3,500円 当日 4,000円
  2本券(日本・韓国の各1公演ずつ計2公演ご覧になれます) 前売・予約 5,000円 当日 5,500円
   4本券(日本・韓国の各2公演ずつ計4公演ご覧になれます) 前売・予約 8,000円 当日 8,500円
   ・シンポジウムは無料です
チケット発売開始 9月10日(木)
問合せ:ストアハウス TEL 03-5830-3944  E-mail info@storehouse.ne.jp

出演団体
コルモッキル(韓国)
『キョンスク・キョンスクの父』
作・演出:朴根亨(パク・クニョン)
出演:コ・スヒ、ジュ・イニョン、キム・ヨンピル、キム・サンギュウ、ファン・ヨンヒ、ソ・ドンガプ、イ・ホヨル、アン・ソヨン
日帝末期から朝鮮戦争が起きる1950年までを背景に、波乱万丈な人生を生きてきた父とその家族を描く。愛しながらも対立し、葛藤し成長していく家族の熱い情と愛の物語

温泉ドラゴン(日本)
『烈々と燃え散りしあの花かんざしよ』
作・演出:シライケイタ
出演:いわいのふ健、筑波竜一、阪本篤(以上、温泉ドラゴン)、渋谷はるか(文学座)、伊原農(ハイリンド)、清水直子(俳優座)
韓国人無政府主義者・朴烈(パク・ヨル)と内縁の妻である日本人の思想家金子文子が爆弾テロを画策していたとして、1923年の関東大震災の2日後、逮捕された朴烈事件を描く。
 
劇団ドリームプレイ(韓国)
『アリバイ年代記』
作・演出:金戴曄(キム・ジェヨプ)
出演:ナム・ミョンリョル、チ・チュンサン、チョン・ウォンジョン、イ・ジョンム、チョン・クシャン、ユ・ジュヌォン、ペク・ウンチョル、イ・ジョンス
作家自身と父と兄、家族の物語と歴史を淡々と描く。1930年植民地時代に日本で生まれて教育を受け、祖国に戻り、1955年、定年退職になるまで大邱中央高校で数学の教師として勤めた父キム・テヨンをドキュンタリー的に回想しつつ、父親の年代記を通じて韓国近代史と作家自身との関係が告白されていく。

中津留章仁LOVERS(日本)
『黄色い叫び』
作・演出:中津留章仁
出演:倉貫匡弘 高橋洋介 長谷川景 森下庸之 森田匠 荻野貴継 柘植裕士 樋田洋平 大室由香利 守屋惠美
とある地方の青年団の事務所。会議のために集まってくる青年団の人々。前年の土砂災害で亡くなった人がいる。町長は祭りの開催を渋っているらしい。それでも祭りを決行するか否か……。地方ならではののどかな人々の中に、土砂災害で両親を亡くし、震災を東京で見つめていた一人の青年が戻ってくる。彼の提案から、喧々諤々な会議へと発展していく……。


シンポジウム開催
シンポジウム[日韓演劇交流センター+ストアハウス]
『演劇の中の社会』
2015年10月18日(日)19:00~ 会場:上野ストアハウス
司会:坂手洋二
パネリスト:パク・クニョン、キム・ジョエプ、中津留章仁、シライケイタ
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「話せばわかる」

2015-10-05 | Weblog
別役実最新作文学座アトリエの会『あの子はだあれ、だれでしょね』は事前に完売と聞いたので観に行けず。
映画監督の深作健太氏がオペラ初演出という二期会のリヒャルト・シュトラウス作曲『ダナエの愛』金曜初日には行く。『白墨の輪』で自分も今年オペラ初演出を果たした身としては、規模の違いに驚きながら、3時間半を最後まで一気に観る。深作監督はもともとオペラの大ファン、作っている側の喜びが伝わってくる。松井るみ美術も前半の天井の穴が有効なのと、後半の廃墟の造形が、なるほどである。ヒロインの棲家はウィーンの地下墓所をモデルとしているという。私も行ったことがある。深作演出はどうやら「反米」意識が底辺にあり、「全能」の老いたる神の傲慢がアメリカに例えられており、また、前半の「金」をバブルの象徴と見立てたと終演後に聞かされ、なるほどと唸る。そこの批評精神は『仁義なき戦い』の父・深作欣二監督譲りなのである!
『ダナエの愛』をやった東京文化会館大ホールは1961年オープン。
土曜日五時過ぎに家を出て午前から岡山でテレビの仕事。午後二時、1964年オープンの岡山市民会館建て替えにまつわり文化政策についての講座。
いずれも敗戦後十年で堂々たる建物をつくったものなのだな、と思う。
地元に根付いたアートファームの企画。講師は伊藤裕夫さん。会場は元・内山下小学校。廃校利用を浸透させようというシリーズ「ハイコーチャレンジ」の一環。なぜか会場の教室の黒板の上の壁に岡山出身の政治家・犬養毅の書が飾られている。一瞬不思議だが、もともと内山下小学校に贈られたものだ(写真)。「五・一五事件」で暗殺されたさいに「話せばわかる」と言ったことで有名な人だが、少なくとも、「俺の話をわからない奴が悪い」という態度にしか思えない現在の総理大臣とはぜんぜん違うわけだ。
伊藤さんが私が演劇関係の講座で必ず言うのと同じ、あるフレーズを言っていて、驚くと共に、意を強くする。
岡山なので瀬戸内市の議員で元同級生のFさんにいろいろお世話になる。
牛窓で、美術と絡んだ古民家エリアでの町おこし事業を見学、いろいろな人に会う。ついでに想田和弘監督の新作ドキュメンタリー映画『牡蠣工場』の舞台と思われるところを覗いてみたりもする。取材がそのまま作品になる、ドキュメンタリーの不思議さ。早く観てみたい。地元の人たちはまだこの映画のことを知らないだろう。
これから自分もこの近くで重要な取材がある。
他にもいろいろである。
映画といえば、前週、隙を見てなんとか映画『ナイトクローラー』を観た。この映画の「ナイトクローラー」は、この名前は夜をうごめく者の直喩であろうが、実在するミミズの一種の名でもある。
私が文学座の創立六十周年記念公演に書き下ろした『みみず』は、実は英訳題名を『ナイトクローラー』と決めていた。十年近く前、ルイジアナ州立大のスウェインパレス劇場でのリーディングがアメリカでのお披露目だったから『ナイトクローラー』英語圏デビューという意味では、こちらが先だ。
もちろんミミズは出てこない映画『ナイトクローラー』は、アメリカの現在、報道する者たちの姿を描いてはいるが、フィクションの映画だ。一見の価値はあるといえるし面白いところもあるがすっきりしない後味が残る。台本を勉強している人は観るべきだ。そしてどこがそう感じさせるのかを考えてみるといい。
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難民差別こそ「国辱」

2015-10-03 | Weblog
第70回国連総会における安倍総理大臣の一般討論演説は、ほんとうにひどいものだったようだ。

「日本は,シリア・イラクの難民・国内避難民に向けた支援を一層厚くします。金額に換算すると,今年は約8.1億ドル。昨年実績の3倍となるでしょう」、それが「日本がなし得る緊急対策」「壊れてしまった国を建て直し,再び人々に幸福の追求を許す場とするには,人間一人,ひとりの力を育て,恐怖・欠乏と闘う能力を草の根から培うことが,回り道のように見えて,実は近道です」だそうだ。
「難民キャンプで,母子健康手帳を配ってきました」、うーん。
「みなさま私は,日本の未来を拓く役割の多くを女性に期待する点で,人後に落ちません。日本が実施する対外援助も,女性に安全と健康,安心を与え,その人権を守る策に力点を置いています」、だそうだ。

そして、言うに事欠いて、「国連とは実に,「楽観主義的現実主義者」の集う場ではありませんか」。
「国連創設70年の慶賀すべき年,安保理改革に関わる大きな動きが始まりました」「この熱意,さらには日本が果たすべき役割への確信をもって,私は,議長ならびに各国との協力のもと,安保理改革を実現し,日本が安保理常任理事国となり,ふさわしい貢献をする道を,追い求めてやみません」「「国際協調主義にもとづく積極的平和主義」を高く掲げ,日本は,国連を21世紀にふさわしいものとするため,安保理改革を行い,そこで,安保理常任理事国として,世界の平和と繁栄に一層の貢献をする責任を果たしていく覚悟であります」だそうだ。

そして、質疑応答で海外の記者に「日本がシリア難民を受け入れる可能性は?」と尋ねられた安倍首相は、次のように答えたという。
「人口(統計学の)問題として申し上げればですね、いわば我々は移民を受け入れるよりも前にやるべきことがある。それは女性の活躍であり、あるいは高齢者の活躍であり、そして出生率を上げていくには、まだまだ打つべき手があるということでもあります」
今や国際的な課題である難民受け入れについて尋ねられているのに、「女性と高齢者の活躍と出生率を上げるのが先」?
まったく会話になっていない。
「同時に、この難民の問題においては、日本は日本としての責任を果たしていきたいと考えております。それはまさに難民を生み出す土壌そのものを変えていくために、日本としては貢献をしていきたいと考えております」,要は、金を出すだけということだ。
今や世界の課題である、決して金で解決するものでもない、国際社会に於いて責任ある立ち場なら自分から買って出てでも引き受けるべき難民受け入れについて、実はまったく関心を払わず重要さもわかっておらず、自分の国の人間の人口問題、労働力は、自分のところでまかなう、と、見当違いなとんちんかんきわまりない子供じみた回答をしたのだ。
日本の昨年の難民認定者数は、5000人の申請に対してわずか11人だったことは既に広く知られている。
安保理常任理事国入りを求め、積極的平和主義を標榜する者が、難民の受け入れを拒むのである。「国際貢献」の意味がまったくわかっていなかったということであろう。
難民を労働力の問題と捉えている、独りよがり、自分の利益しか考えていないことがバレバレになったのだ。

これが「難民差別」であることは明白。
ロイター通信は会見の内容を「安倍首相、シリア難民受け入れより国内人口問題解決が先」とのタイトルで報じている。安倍周辺は、これが皮肉だってことをわかっていないんじゃないのかな。
イギリスのガーディアンは「人権団体は、ロシアやシンガポール、韓国と並び、日本は高所得の国なのに、第2次世界大戦以降で最悪の難民問題に手をさしのべることに失敗している」「日本は昨年、1億8160万ドルを国連の難民対策部門に支出し、アメリカに次いで2番目に多いが、シリアや他の難民受け入れは、その経済規模に見合っていない。日本で難民資格を申請している60人のシリア人のうち、認められたのは3人であり、約30人は人道上の理由で長期滞在が認められているだけだ」「日本の人口は今後、劇的に減少し、専門家は経済の衰退を予測しているが、移民受け入れを現実的な解決策として主張する政治家は少ない」と報じたという。
国連で安倍首相の演説を聴いている人数が少ないとか馬鹿にしても始まらない。
本当に恥さらしだ。

かと思うと、ネット上で、シリア難民のことを、金や贅沢目当ての「移民」と断じるイラスト書き込みをした者がいるようだ。しかもフェイスブック側がそいつを「ヘイト」認定しないで放置しているという。

安倍もそいつも、君たちのやっていることが「国辱」なのだと、なぜ気づかないのか。
コメント (1)
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