Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

3月が終わる逃げ足は速い

2012-03-31 | Weblog
午後、劇作家協会研修課の戯曲講座。受講者三人とも逞しい。欲望の強さがホンモノであれば、必ず全員が頭角を現すだろう。この場合の欲望とは、くっきりと、実質を見極める能力のことだ。……夜、息子と最寄り駅前で待ち合わせ、お好み焼き。関西風はがさつすぎる。やはり広島焼きでなければと思う。……いろいろと次年度のことが決まってくる。なるほど。まあしかし生きていくしかない。……必要があってロマン・ポランスキー『ゴーストライター』観る。匿名記事もずいぶん書いたライター経験に響くところもあり。だけどこの監督、最高傑作は『チャイナタウン』だという認識は変わらない。アメリカへの怨恨もひしひし。
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流されるな

2012-03-30 | Weblog
民主党・前原は「全国54基の原子力発電所の中で唯一稼働中の北海道電力泊原発3号機が定期検査のため運転を停止する5月5日までに、政府が再稼働の方針を示す」という。先に再稼働ありきという理屈がおかしいと誰も思わないのか。ただそれを垂れ流させる報道もどうかしている。……1年8カ月ぶりに3人の死刑執行、小川法相は1月の就任当初から「死刑制度が国民に支持されている以上、法相の職責として執行すべきだ。命令を出すということだ」と言っていた。確かに裁判員裁判でも死刑判決が出ている。世論調査でも8割が死刑支持だという現実。……ここ何十年の保守化・右傾化の堆積が取り返しのつかない所に来ている。……原稿を一つ仕上げ、夜になってから1時間遅れで高円寺、高江関係のライヴに。あまり新しい情報はなかったが、naccaさんに済州島の話を聞けたのが収穫。……あらゆる運動の現場での、やはり「男性中心主義」「マッチョの横行」について話題となる。運動現場での「傲慢」の派生・横行は、確かに昔から、そこかしこに。開かれた心を保つことは難しいけれど、平和運動はそこにこだわらなければならないはずなのだが。
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こだまでしょうか

2012-03-29 | Weblog
一つの原稿は終えたが、一日籠もっても仕事はなかなか進まない。引きこもりの日。……沖縄・やんばるに移住した歌手のUAさんと5月に仕事で一緒なのだが、震災直後、テレビを見る人が一番多く聴いたはずの、AC機構のCM「こだまでしょうか」(金子みすず)の朗読は、彼女なのである。一年経つのか、という奇妙な感慨。……テレビをつけていると苛々するニュースばかり。……昨日観た『満ちる』の印象が見事に消えている。そのことに違和感。純粋にエンターテイメントだったということなのか、竹内銃一郎的異議申し立ての精神が変容したということか。
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元気だしてゆこう

2012-03-28 | Weblog
午前中、勇んでパソコンに臨むが、信じがたい事実がわかり、仕事を続けられなくなる。……電話打合せで昨日からの懸念事項一件は片付く。外出、打合せ。……座高円寺でMODE『満ちる』。竹内銃一郎戯曲が久々に魅力全開、昔のようなひねりはないけれど。松本修演出も往事の新作演出の手応え。タイトルロールを演じる山田キヌヲの真っすぐさ、若松力の健闘、すまけいの存在感。島次郎装置の行き届いたクオリティ。幸福な舞台である。ただ、最後の景は要らないと思う。大学の先生になった人はその後あまりいい仕事をしない傾向にあると思ってきたが、竹内・松本両氏の同僚コンビは、そのジンクスを覆した。この公演は、座高円寺でできないかと一昨年に松本氏から話を持ちかけられたのだが、こういう成果を見せられるとつくづく嬉しい。斎藤憐さんの感想が聞きたかった。……森下紀彦舞監とも久々にいっぱい話す。昔ながらの仲間のありがたさ。……そして、「ゆんたく高江」の集会に顔を出す。……というわけで、まるごと高円寺デーとなる。
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千秋楽

2012-03-27 | Weblog
仕事が進まぬまま、なんとか家を出て千秋楽。めでたい。……終えて、打合せ、戯曲講座、二つくらい問題の処理、等で、夜7時半過ぎに打ち上げへ。小峰公子さんがいらしてから、明らかに喋りすぎる。……ところで、最近電車で多い「線路内立ち入りがありましたので電車遅延」という放送や電光字幕だが、この「線路内立ち入り」はどういう状態を示しているのだろう。どこかの電車では置き石事件があったというし……。
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走っていないが駆け足

2012-03-26 | Weblog
午前中、東銀座で国際演劇協会理事会。着くまでの電車内で昨日のNOTEを記す。……終えて、喫茶店で怒濤のごとく仕事。以後、合間合間ごとに原稿を書き進める。……世田谷で「地域の物語」ワークショップ最終日、進行役・吉田小夏と瀬戸山美咲の個性が出ている。瀬戸山の意図的なボケ方は、『ホットパーティクル』以来一貫している。……世田谷の話を聞いた後に世田谷線等で移動、いろいろ思う。笹塚で打合せ等。……地下鉄移動、5時から新宿雑遊でan+小峰公子。身に覚えがないのだが、西山水木さんに「影の仕掛け人」ということにされている。……笹塚に戻り7時から本番。終演後は今村修さんとアフタートーク。明らかに喋りすぎる。……帰宅後、息子にパソコン指導。……もちろん、慌ただしすぎる。
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音楽は音楽だ

2012-03-26 | Weblog
部屋にいても花粉を感じるが、籠もってじわじわと仕事を進め、夕方から長めの取材、夜の本番に滑り込む。私の戯曲をドイツ語に訳してくれているアンネ・ベルクマンさんが演劇と関係ない仕事で来日、ハードスケジュールの中、観に来てくれる。彼女が言うように、ベルリンのHAUで上演したい気はするし、じっさい、似合うだろうな。リリエンタールがHAUから離れるというのは初めて聞いた。……野田佳彦首相はTPP参加の意義について「環太平洋連携協定(TPP)はビートルズだ」という意味不明な解釈で説明したという。「日本はポール・マッカートニーだ。ポールのいないビートルズはあり得ない」「米国はジョン・レノンだ。この2人がきちっとハーモニーしなければいけない」。では、リンゴは、ジョージは誰なのだと聞く気もないし、この例えがなぜ成立するかの根拠を尋ねる気もない。この空疎さは、「愚か」を通り越して、寒気がする。……アートは大文字の政治を補完するためにあるのではない。演劇環境については、新法案もけっこうだが、したり顔の言説が罷り通り、中身そのものに向かうかどうか。周辺整備と称してコネと縄張りを調整するだけにならないか。
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笹塚通い

2012-03-24 | Weblog
春の雨、と考えていいのかどうか。午後は劇団ミーティング、夜は本番。保坂展人さん、大学同期の皆さん。大西孝洋が初めて本番を観て、予想通り、声の出演の自分のナレーションに大いに照れたらしい。……劇場が駅前だからまわりの様子はわかりづらいが、笹塚の街は京王線沿線では近隣の代田橋、明大前等よりも栄えている。今やっている劇場はもともとは映画館だった。商店街は庶民的でもあるけれど特色のある店も少なくなさそうだ。探索している時間はないが。不思議なのはマクドナルドが見あたらないこと。「スタ丼」がオープンセールで一杯百円に長蛇の列。さすがに時間のない私たちは並べない。
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random.org

2012-03-23 | Weblog
ひたすら机に向かう。ぎりぎり夜の本番は観る。早く帰宅して仕事したかったのだが、人を紹介されたりなど諸事情あって、直帰できず。……小沼純一さんが観てくださる。氏は、言わずと知れた日本に於けるジョン・ケージ研究の第一人者だが、「System」パートをどう観てくださったか、興味深い。このパートは、ミニマルミュージックの理論を導入したのと同時に、ジョン・ケージによるブランクの多い実験的な文の幾つかを参考に、通常の文節の区切りとは限らない場所で、言葉や動きを区切り、しかもその方法がランダムであるということが特色である。リアンの導入したランダムの要素は全編に存在し、その多くの構成はウェブサイト「random.org」を使って作り上げられている。「偶然こそ作者」なのである。その他のディティールの多くも俳優が自分で作っていることもあり、仕掛け人リアンの作戦通りなのだが、いってみれば第三者的な「作者」というものが消されている、あるいはそこから遠く離れたものである。私の文の引用はあるが、「Day 4」の一部のリライト(それも微々たるものだが)を除いては、私がこの劇のために書いた部分はない。リアンと俳優たちが稽古場で作ったものである。俳優たちは自分が選んだ言葉を背負わなければならない。逃げも隠れもできない。というのは、しかし、いつもの公演でも同じことではあるのだが。
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久しぶりに自転車移動

2012-03-22 | Weblog
本番まで劇場に行けないので膨大なNOTEを出演者に送る。……劇作家協会運営委員会、午後から夕方まで。初めて加わった中津留章仁、前川知大、長田育恵、瀬戸山美咲、谷賢一、中屋敷法仁ら各氏も含め、賑やかな顔ぶれである。新顔としては、さらに樋口ミユ、赤澤ムックが加わる。これから協会は活気のある状態になっていくだろう。……座高円寺のアーカイブスを久しぶりに見る。かなり寄贈があって、蔵書は四千五百冊に増えている。閲覧受付日、時間も近々に拡大する予定。……高円寺から笹塚まで自転車移動。……芝居は引き締まってきた。「即興のメソッド「Viewpoints」に則り、俳優が自分たちで作った芝居」と昨日に記したが、毎回「即興的」に違うことをしているわけではない。三ヶ月かけ、俳優たちが自身のインスピレーションで作った多くの動きを組み合わせ、振付と構成が綿密に決められている。……連日客席がきちんと埋まっていてありがたい。東京演劇アンサンブルの人たちが大勢来てくださる。
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風がやや強い日が続くが春一番は吹かないという

2012-03-21 | Weblog
二日目。演劇界には「二日落ち」などという言葉がある。どうしても気の緩みは出る。しかしそれが許されない舞台だという自覚を持ってもらわないと困る。インプロのメソッド「Viewpoints」に則り、俳優が自分たちで作った芝居ではないのか。叱咤するのみ。
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地球は沈没した、初日 

2012-03-20 | Weblog
ともかく開いた。観客の存在でやっと演劇は成立する。新たなスタートライン。困惑とも驚きともとれる前半の観客の反応、こっちだってどきどきしている。そう簡単には名付けられないものにはなっているはずだ。百聞は一見にしかず。字幕も含め舞台美術も見物です、と言っておこう。
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『ALL UNDER THE WORLD 地球は沈没した』いよいよ初日

2012-03-19 | Weblog
初日前日の劇場。リアン・イングルスルードがアメリカで積み上げてきた試行が、このチームでどのように花開くか、ぜひ見届けていただきたい。私の文章からは、このプログ以外にも、震災についてのエッセイ、旧作戯曲『南洋くじら部隊』『皮革製造所殺人事件』等からの引用もあるが、その他にも、世界に存在するさまざまな文がコラージュされている。コラージュといっても、ほんとうにこれまでにない試みとして、リアン主導のもと、稽古場でそれらの文章が解体されて、新たな劇の言語となっている。この手法については、今は明かせない。……書き物の仕事がまるで進まない。無理もないのだが。……杉並区議会議員の新城せつこさんが地元の中学校の卒業式に4年ぶりに出席しようとしたところ、当日、学校に到着するや副校長が近づいてきて「起立しますよね」と言われ、それは「君が代斉唱時の起立」だとすぐに認識し、「いえ、それはできません」「これまでもそのようにしてきました」と言葉を返した。その後、校長が出てきて言うには、「起立しなければ一般席です」「新学習指導要領に基づいてやっている」「子どもが少ないから目立つ」「だから(起立しないから)招待しなかったのだ」。君が代斉唱時に起立しないことで、式には公式には招待されず、また来賓として認めなれなかったという。結局彼女は、保護者席・一般席で最後まで卒業式に参加した。「国旗・国歌」法制定時、「強制することがないように」とわざわざ付帯決議があったはずだし、新学習指導要領には「強制せよ」とは書かれていないはず。いつの間にか理不尽がまかり通っている。
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元野球部員、我が家に泊まる

2012-03-18 | Weblog
劇場の日々。リアンがあまり関われずにいた二つのシーンを集中的に稽古、夜には通し。まだまだすべきことがある。……それにしても今回は全員出ずっぱりの俳優諸氏もたいへんな疲労度だが、演出助手清水弥生の活躍が凄い。<Viewpoints>のトレーニングにも参加していたので、「このまま出演してみる?」という話もあったくらいなのだが、入れ込み方が半端でない。……帰宅してみると、息子の野球部の、揃って今春もはやOBとなった同期六人が、明日の現役後輩たちの試合を揃って見に行く前夜に近くの我が家に泊まるという計画により、占拠されている。本日は雨なので予定の野外活動ができず、テレビに繋いでゲームなどしていたようだが。……朝日新聞の記事は写真がカラーだった。赤いシャツを着ていると赤く写るのはカラーだから当たり前なのだが、「おお、カラーだ」と思う。「いい人みたいに写っている」と言われたり、「疲れきった顔をしている」と思われたり。
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201203160361.html
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笹塚にいる

2012-03-17 | Weblog
花粉が嫌だ。一日劇場にいて、場当たり。……ところで、私はどうしても『パパ・タラフマラの白雪姫』を観に行けないが、この作品についての、作り手である小池博史さんのコメントが面白い。「全感覚的に見れば間違いなく面白い作品だと思います。絶対に「これは何か?」で見ないこと。部分で見つつも、全体を感じ取ること。これ、パパ・タラフマラを見る際のサジェスチョンです。ただ人はどうしても部分に捕らわれる生き物です。でも、同時に全体を感じ取ろうとすれば見え方はまるで変わります」。小池作品は確かにそうだし、その説得力がある。これってじつは、現在幕開き直前のわれらが『ALL UNDER THE WORLD 地球は沈没した』にも言えること。そして小池さんが「部分」と言っているところは「物語」とも関連づけられる、あるいはあてはめられる場合があって、私自身はそのことをずっと危惧してきた。人間は「物語」にとらわれる生き物だからだ。リアンの試行の方針がわかってくる流れの中で、そこにどう向かうかを考えてきた。ふだんとは勝手が違うともいえるし、同じとも言える面もある。説得力だけはなければなるまい!
『ALL UNDER THE WORLD 地球は沈没した』の情報は以下の通り。
http://rinkogun.com/Next.html
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