中澤日菜子さんのデビュー作『お父さんと伊藤さん』(小説現代長編新人賞受賞作)に続く、小説単行本第二弾『おまめごとの島』(講談社)を、ようやく読む。二月頃に届いていたがなかなか時間がなかったのだ。
前作の好評を受けての書き下ろし。安定した筆致といえるだろう。着眼点の良さに加えて、一種のダークなファンタジーを隠れた持ち味としている中澤さんが、それを日常の中にしのばせることによって、着実に個性を発揮している。戯曲ではリアルとファンタジーとの噛み合わせ方に苦労していたこともあったように思うが、いま小説で選んでいる「生活世界」というキャンバスの中で、地の文の登場人物の意識の中に無理なく配置する方法を見つけたのだ。「不器用に生きる超イケメン」など、じっさいに俳優が演じるのでないからこその、想像の世界での楽しさがある。もちろん映像化されてもこの設定は生きるだろう。
タイトルの由来にもなっている、小豆島が舞台。ずいぶん行っていないからよく憶えていない。子供の時にしか行っていないのだから当たり前か。「坂手」という名前の港があるのであらためて行ってみたいと最近何度か思っていたところだった。「坂手」という地名は別な県にもあるのだがそこにも行ったことはない。そちらも海の町で、海との関わりには出自の由来もあるらしいのだが、その話はまた別な機会に。
前作『お父さんと伊藤さん』の感想は、以下。
『お父さんと伊藤さん』と劇作家協会研修課
http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/21c2a370e02a981f2f7b1b49ae6ec05d
中澤日菜子『おまめごとの島』内容紹介は以下の通り。
恋と結婚を諦めたアラフォー女性 家庭から逃げたいアラサー主婦 過去をひた隠す30代イケメン 不器用な大人たちが小豆島という大きなおうちで巻き起こす笑いと深い感動にあふれた「絆」物語。
親友を頼り、東京から小豆島へやってきた内向的30代イケメン・秋彦。島内のホテルで仕事を始めるが、恋も結婚も諦めたアラフォー女性・言問子と、家庭から逃げ出したいアラサー主婦・真奈美の間で、彼を巡りイザコザ発生。さらに東京育ちの美少女の出現で波瀾万丈の予感!? 平穏に生活していた島の人々を巻き込んで、島へ逃げるしかなかった秋彦の内面が明らかになっていく……。「家族」って何だろう いちばん大事なものって何だろう。
前作の好評を受けての書き下ろし。安定した筆致といえるだろう。着眼点の良さに加えて、一種のダークなファンタジーを隠れた持ち味としている中澤さんが、それを日常の中にしのばせることによって、着実に個性を発揮している。戯曲ではリアルとファンタジーとの噛み合わせ方に苦労していたこともあったように思うが、いま小説で選んでいる「生活世界」というキャンバスの中で、地の文の登場人物の意識の中に無理なく配置する方法を見つけたのだ。「不器用に生きる超イケメン」など、じっさいに俳優が演じるのでないからこその、想像の世界での楽しさがある。もちろん映像化されてもこの設定は生きるだろう。
タイトルの由来にもなっている、小豆島が舞台。ずいぶん行っていないからよく憶えていない。子供の時にしか行っていないのだから当たり前か。「坂手」という名前の港があるのであらためて行ってみたいと最近何度か思っていたところだった。「坂手」という地名は別な県にもあるのだがそこにも行ったことはない。そちらも海の町で、海との関わりには出自の由来もあるらしいのだが、その話はまた別な機会に。
前作『お父さんと伊藤さん』の感想は、以下。
『お父さんと伊藤さん』と劇作家協会研修課
http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/21c2a370e02a981f2f7b1b49ae6ec05d
中澤日菜子『おまめごとの島』内容紹介は以下の通り。
恋と結婚を諦めたアラフォー女性 家庭から逃げたいアラサー主婦 過去をひた隠す30代イケメン 不器用な大人たちが小豆島という大きなおうちで巻き起こす笑いと深い感動にあふれた「絆」物語。
親友を頼り、東京から小豆島へやってきた内向的30代イケメン・秋彦。島内のホテルで仕事を始めるが、恋も結婚も諦めたアラフォー女性・言問子と、家庭から逃げ出したいアラサー主婦・真奈美の間で、彼を巡りイザコザ発生。さらに東京育ちの美少女の出現で波瀾万丈の予感!? 平穏に生活していた島の人々を巻き込んで、島へ逃げるしかなかった秋彦の内面が明らかになっていく……。「家族」って何だろう いちばん大事なものって何だろう。