週刊朝日に「悠仁さまの机に刃物、思想犯を重点捜査 内部事情に詳しい者の犯行か?」との記事があるという。
某辞書によれば、【思想犯】とは、
① 確信犯の一。思想上の主義主張の相違による犯罪。
② もと治安維持法に触れる犯罪の通称。また,その犯罪者。
だそうだ。
4月26日、秋篠宮家の長男の通う中学校で、彼の机などに包丁が置かれていたことがわかったのだという。
捜査に乗り出しているのは、警視庁捜査一課だという。警視庁捜査関係者の言葉として「平成から令和へ、改元直前の犯行ということで、ほぼ間違いなく、思想犯。包丁を置くという行為が、秋篠宮殿下に対する脅しのメッセージだろう」とされている。
そして気になるのは、「思想犯であれば、逮捕しても発表されない可能性もあるという」という記述である。
かつての昭和→平成「改元」は、昭和天皇の死によって起きたことであるため、日本中がお弔いモードになり、「歌舞音曲」のような表現について「自粛」を強要されることが事前に想像された。私も含めて多くの思想信条と表現の自由を求める表現者が、あらかじめ表現の「自粛」に反対する態度を表明し、その考えに基づいた行動をとった。「思想上の主義主張の相違による犯罪」とされるなら、かつてそうした行動をとった者たちは「思想犯」予備軍とされるのだろう。
多くの人が週間朝日の記事に違和感を抱くのは、そのような「思想上の主義主張の相違」があること自体に対して「犯罪性」を認める方向に、同誌が与しているように感じられるからである。
「治安維持法」の時代ではない、と思う方々も多いのだろうが、この間、秘密保護法や「共謀罪」が、この国で確実に成立してしまっているのは事実である。
2016年に成立した改正通信傍受法が6月1日に施行されるのを前に、警察庁は25日、実施に関する通信傍受規則を改正している。共同通信によれば、専用機器を用いて各警察本部で電話の傍受ができるようになる。NTTなどの通信事業者の立ち会いは不要。特殊詐欺など組織犯罪捜査への活用が飛躍的に伸びるとみられる。適正捜査を担保するため「傍受指導官」を新設した。
通信傍受法は立法時、乱用やプライバシー侵害への懸念から反対があった。今後は傍受件数の大幅な増加が見込まれるが、担当者は「通信データは暗号化され、傍受指導官も客観的立場でチェックする」としている。現行の通信傍受は数少ない事業者の施設で実施しているため、各警察本部が順番待ちの状態で、迅速性に課題があったとされている。
警察庁によると、専用機器はパソコン型の「特定電子計算機」。通信事業者と専用回線で結ばれた警察本部の室内で使用。傍受内容は暗号化されたデータで送信され、同計算機で暗号化される前の状態に復元する。これまではリアルタイムの傍受に限られていたが、録音も可能となる。
同計算機は警察本部ではなく、警察庁の地方機関である管区警察局や各県の情報通信部で保管。捜査員は傍受のたび、裁判官の令状に基づいて機器を借りることになる。今年6月1日時点で全国に141台あり、年度内にさらに47台増やす予定。
傍受指導官は適正な事件捜査を指導する刑事総務課などに所属する警部以上の中から指名。事件ごとに指導官1人を配置して傍受現場に立ち会わせ、客観性や適正さをチェックする。
法務省によると、18年に警察は12事件の捜査で携帯電話の通話を傍受し、計82人を逮捕した。00年の通信傍受法施行以降の適用は計145事件、逮捕者は計857人という。
これはもう、誰もが捜査の対象になるということだ。
私が昔の「反自粛」の仲間と電話で「今度の天皇代替わりでも何かしなきゃね」と話し、冗談ででも「計画」をぶちあげようものなら、あっという間に包囲される可能性がある。
いつか見た青い空、だ。
つまり、週刊朝日が言うように、「思想犯であれば、逮捕しても発表されない可能性もあるという」ということであれば、私が冤罪で逮捕されても、「思想犯」であるが故の、「秘密保全」の考え方が適用され、そのことが公開されないということになるわけだ。従って、もしもの場合、私は、広く社会に逮捕の現実を知ってもらうこともできず、そのことへの反対世論は起こらず、法的に対抗したとしてもその事実は社会の表には出してもらえず、闇に葬られていくことになるのである。
私と連絡が取れなくなったら、そういう可能性があることを、お考えください。