Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

性別を記していないトイレ個室の機能表示

2024-07-31 | Weblog
トイレの「性別」問題がよく話題になる。

新宿の新しいビルは、「男女混合個室のみののトイレ」がやはり避けられて廃止されたとか。それは他に男女分かれたトイレがあったから、らしい。

極めてシンプルな、性別を記していない、トイレ個室の機能表示を見たと思ったが、思い出した。
ニューヨークの、ウクライナ・レストランだった。昨春。
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赤坂真理さん新刊 『安全に狂う方法』

2024-07-30 | Weblog
赤坂真理さんの新刊『安全に狂う方法』を読んだ。

版元は医学書院。シリーズ「ケアをひらく」の最新刊ということになる。

「アディクション=依存症」が中心の課題である。
何かに《固着》する、《依存》する感情と向き合う書。
著者がセラピストに、「あなたには、安全に狂う必要が、あります」と言われたことがタイトルの由来であるという。

以下、印象的なフレーズが幾つもある。

アディクションとは、「主体性を発揮したくてもできない状態」のことだという。

アディクションは「セルフ緩和ケア」でもある。

最もよくあり、逃れにくいアディクションが、「思考」であると思う。

言語とは、簡単な操作で前の言葉を否定できる。なにせ否定形を持つ表現形態は言語だけだ。言葉がうまい人にこそ、言葉は効かない。

愛はただ起きる。起きないなら起きない。

といった言葉たちが、記憶に残る。
「苦界浄土」の件りも説得力がある。

あらためて、「言葉にすることの難しさ」を感じる。それに挑むことのたいへんさも。
私は最近、「事実ではないこと」に抗弁することで、その「事実ではないこと」が誤った事実として肥大してゆくというような事象が耐え難く、「言葉にする」よりも沈黙を選んでいることが多いような気がしている。

『安全に狂う方法』は、「言葉にする勇気」ということでもあるのかもしれない。

読み終えた旨を赤坂さんに伝えたら、なんとその日に「生きるための演劇性」というテーマでトークするということで、「今日の今日ですが、ご参加いただけると嬉しいです」ということだったので、たまたま行ける時間だったため、下北沢BonusTrackの本屋B&Bに顔を出す。
トークを聞いていて、「シームレス」「ナラティブ」という、私がふだん使わない言葉が、ようやく理屈として守備範囲に入った。
赤坂さんも観てくれた燐光群最新作『地の塩、海の根』が、まさに「シームレス」「ナラティブ」という概念にあてはまるからで、トーク後もいろいろとお話した。

私は演劇は「役を演ずる」「他者になる」ではなく、より「リアル」「真実」であることが求められる、という話をした。
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喫煙シーンのある作品

2024-07-29 | Weblog
それなりに評判になっていたある作品をようやく観たら、とにかく、想定していたものと違っていて、どうしてこんな選択をしたのだろうかと、観ながら、いちいち、たいへん、おどろく。
内容にもガッカリしたのだが、喫煙シーンの多いことにもうんざりさせられて、タパコをくゆらせて渋い声で喋っているのがかっこいいという大昔の価値観を未だに継続している人が、ほんとうにいるのだ、と呆れてしまった。
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近所に八百屋

2024-07-29 | Weblog
近所のふだんあまり通らない道沿いに、八百屋を発見。
発見ということでもない、ずっと存在していたみたいで、構えが八百屋っぽくないのだ。
13時半からの営業。
どうやら、こだわりの八百屋なのだ。

先日初めて寄ってシシトウを買う。
ものはいい。

青唐辛子はないかと言ったら、入れてくれた。
青唐辛子とパラペーニョ。
パラペーニョを刻んで冷や奴にかける。
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暑いときに暑いと言ってもはじまらないが

2024-07-28 | Weblog
公演が終わって三週間も経ってしまった。

ただただ、暑い。

暑いときに暑いと言ってもはじまらないが、
少しでも涼しげに見える写真を挙げる。

熟す前の青いトマト。
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鳥取・浜村で荒俣宏さんと対談します

2024-07-28 | Weblog
荒俣宏さんと対談します。
鳥取・浜村で、8月4日(日)午前11時より。

チラシでは荒俣さんのことは、「小説家・妖怪研究家・タレント等、様々な分野で活躍。神秘学、博物学、風水等著書は数多く、小泉八雲に造詣が深い。京都国際マンガミュージアム館長」と紹介されているが、まあ私の世代だとやはり『帝都物語』の荒俣宏さん、ということになりますね。

 トークショー「浜村と八雲と・・・面影を探して」。
小泉八雲について語り合います。
浜村温泉湯けむり映画塾による企画です。



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韓国の劇作家コ・ヨノクさんの新作『妻の感覚』 公開稽古

2024-07-27 | Weblog
韓国の劇作家コ・ヨノクさんの新作『妻の感覚』の、公開稽古の連絡を受け、顔を出させていただいた。
私も日韓演劇交流センターのメンバーであるので、何かしらお役に立てるならと。
久しぶりの青年座稽古場。
知った顔がいっぱい。
出演している文学座の鬼頭典子さんも。
コ・ヨノクさんは私の『ブラインド・タッチ』韓国版の台本にもかかわってくださっている。もう二十年以上になるのだ。
今回も曲者の戯曲であるが、ある意味、明快である。ネタばれになるので言わないでおこう。初日まで半月もあるのに、もう何度も通しているようだ。
若き演出家・キム・ジョンが大胆にフィジカル演出を試みている。いや、ほんとに若いのである。

キム・ジョンさん、私にスマホでユン・サンファの写真を見せ、「ユン・サンファさんからあなたの話をいっぱい聞いている」と言う。思いがけず、嬉しい。
ユン・サンファは2010年のソウル・国立アルコ劇場での〈坂手洋二フェスティバル〉にも参加、その後、日本で燐光群公演にも出てくれている。
ありがたい御縁である。

この公演は、文化庁の在外研修などについての「海外研修の成果公演」である。

『妻の感覚』上演情報
2024年8月12日(月・祝)~8月18日(日)
会場:東演パラータ

翻訳:石川樹里
ドラマトゥルグ・通訳:沈 池娟
演出:キム・ジョン
出演
 鬼頭典子(文学座)※育成対象者/平成22年度派遣
 荒川大三朗(演劇集団円)
 齊藤尊史
 白幡大介(文化座)
 荒木真有美(俳優座)
 小暮智美(青年座)
 梅村綾子(文学座)
 大塚航二朗(YagiRock)
 鹿野宗健(青年座)

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近道

2024-07-27 | Weblog
渋谷某所で、ショートカットできる近道。
駐車場二層を繋ぐ階段だが、ここを通ると遠回りしなくていい。
どこだかわかる人は、すぐにわかるだろう。

この近道はわかっていたが、なんとなく違和感があってあまり通ることはなかったが、一度通ってしまうと、なぜ今まで通らなかったのだろうと思う。
狭い階段であること、私有地っぽく見えたこと、などが理由だと思うが。

先入観は持つなということだろう。
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商店街の夏祭り

2024-07-26 | Weblog
近くの駅前の商店街が、夏祭りの様子。

通りかかっただけだが。

夏なんだな、と、思う。

長い夏になりそうだな、と、思う。

私は、「最寄りの駅」が三つあるという、どの駅からもそれなりに遠い場所に住んでいるのだが、まあ、そのうちの一つの駅前である。
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『日曜日のクジラ』 初日おめでとう。

2024-07-26 | Weblog
ももちの世界 #10『日曜日のクジラ』、新宿・雑遊。
初日おめでとう。

昨年九月、梅ヶ丘BOXで、ももちの世界の新作「皇帝X」のワークショップを兼ねたリーディング公演が上演されたが、そのときの東京メンバーが全員続投しての東京公演である。

登り潮のピンク地底人3号の公演だけに、出演者たちも「ここが勝負どころ!」という気魄に満ちている。

で、この『日曜日のクジラ』は、公演の一週間前に全公演ソールドアウト。
「増席したので、もしかしたら当日券あるかも」だそうです。

演劇界クジラ博士の私としては、いいたいことは山のようにあるが、ともかく、劇の密度を高めようと努力している人たちの気合いは、素晴らしいと思う。


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想田和弘監督最新作『五香宮の猫』観ました !

2024-07-25 | Weblog
想田和弘監督の最新作『五香宮の猫(ごこうぐうのねこ)』観ました!
瀬戸内海の小さな港町・牛窓の、猫と人間の営みが描かれております。

想田和弘監督・柏木規与子プロデューサー夫妻は、27年間暮らしたニューヨークを離れ、牛窓に在住。もう三年になるかな。私の実家も牛窓なので、牛窓でもお目にかかったりしております。
ただ、お二人は牛窓在住三年といっても、既に牛窓では、傑作『牡蠣工場』(15)や『港町』(18)と、二作品が作られています。

観察映画というと、淡々としたものを想像されるかもしれないが、時にドラマティックである。
鎮守の社・五香宮は近年、多くの野良猫たちが住み着いたことから“猫神社”とも呼ばれているらしい。糞尿被害や不妊手術といった猫たちとの問題への取り組み、人間側の高齢化の現実も描かれている。もちろん子供たちの楽しい姿も。
夫婦別姓裁判でも知られる想田・柏木夫妻だが、規与子さんは牛窓で太極拳を教えたり、お二人で古い蔵をその稽古等にも使えるように改装したり、牛窓の街の人たちと、いきいきと暮らしている。想田監督が「カメラマン?」「監督?」と牛窓の人たち子供たちに突っ込まれるやりとりも楽しい。

何しろ私は映像に写されている場所が牛窓のどこか、だいたいわかってしまうので、普通の観客とは違う見方をしてしまっているところもあるはずなのだが、私の実家は山側で、海縁りの街のことは知らないことも多く、新たな発見もあり、楽しい。
ドキュメンタリーだけどしっかりとストーリー性を感じさせるところもあり、さすがである。

チラシデザインは牛窓在住のデザイナー・吉野有美さん。
「猫好きの方はもちろん、そうでない方も、猫も杓子も、みなさんぜひご覧ください!」とのことです。


公開情報
10/19(土)より[東京]シアター・イメージフォーラム、[大阪]第七藝術劇場、10/25(金)より[岡山]シネマ・クレールほか全国順次公開

書籍情報
想田和弘著 フォトエッセイ集「猫様」(発行:ホーム社/発売:集英社)10月18日(金)刊行予定

公式サイト
https://gokogu-cats.jp/
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映画『関心領域』上映館では、ポップコーンの販売を中止していただきたい

2024-07-24 | Weblog
映画『関心領域』は、カンヌ映画祭グランプリ、アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した、話題作。
タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、「第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉」だという。
「ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く」という触れ込み通りに、映画は、強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所所長一家の暮らしを描いていく。

つまり、「壁」「塀」の向こうの強制収容所では、残酷な行為が行われており、それを主に「音」だけで聴かせることで、観客の想像力をかき立てる、という趣向である。アカデミー賞の「音響賞」受賞は、まさにそこが注目されたわけである。

しかし、しかし。
日本公開から二カ月近くたって、ようやく映画館に駆けつけた私だが、隣に座ったカップルが、なんと、それぞれ(一人に一つ)バケツ大のポップコーンを置き、むしゃむしゃパリパリ、食べ続けたのだ。
アカデミー賞の「音響賞」ですぞ。なので画面の向こうの出来事に耳を澄ませていたかったのだが……。
すぐそばからリアルなポップコーンの、むしゃむしゃパリパリ。
なにしろバケツ大だから映画が終わるまで食べ続けられていた。
あまり映画に集中できず、じっさい、映画の展開も思わせぶりなばかりに思われて、あまり面白いとは思わなかった。
だが、あの、むしゃむしゃパリパリがなければ、「傑作だ」と思ったかもしれないのだ。自信ないけど。
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椿組 花園神社野外劇 『かなかぬち』と、[浅草・天幕芝居祭’90]の思い出

2024-07-23 | Weblog
椿組2024年夏・花園神社野外劇 『かなかぬち 〜ちちのみの父はいまさず〜』。
主宰の外波山文明さんに「花園野外劇は今年が最後」と言われてしまえば、馳せ参じないわけにはいかない。

新宿花園神社境内「特設ステージ」ということだが、立派なテント劇場が組まれている。
客席はしっかりと組まれていて、人と人の間の距離も確保されていて、今年一番の暑さの日だったが、思いの外、快適だった。団扇も配られる。もちろん私は氷入りの魔法瓶を持参していったのだが。はい。少しは焼酎も。

南北朝時代を舞台とした、中上健次の戯曲。野外ゆえセリフはときに聞き取りにくく、いささかわかりにくいと思う人もいるかもしれないが、ストーリー上の重要点は繰り返されるし、展開ごとに衣裳やムーブメントの趣向が凝らされていて、飽きずに観られるという意見が多いようだ、
舞台美術デザインは、燐光群の仲間うちでもある、加藤ちか。
11年前にも上演されているとのことだが、どうやら私は、そのときも観ている。

写真は、猛暑対策ということもあって、開演前の劇場内で冷たいビール、水、お茶の販売をしている様子。
終演後は客席で打ち上げ。知っている人が多く、これも楽しい。長居はしなかったが。

椿組・花園神社野外劇 『かなかぬち』の上演は本日23日まで。


じつは外波山さんのテントで私たちも公演したことがある。1990年だからもう34年前じゃないか。新宿ではなく、浅草であった。

[浅草・天幕芝居祭’90]というイベントが開催され、外波山文明さんたちが建ててくれたテントであるその「浅草六区・天幕劇場」で、外波山さんたち以外の三劇団も加わって、テントでの連続公演が行われたのである。

燐光群が上演したのは『OFFSIDE 1990年の危険な話』。1988年に全国ツアーをした『OFFSIDE 危険な話』の再演。戯曲は1991年に而立書房から出版されている(『トーキョー裁判 / OFFSIDE 危険な話』)。この再演直後に、劇中に「冤罪」として描かれる、中曽根政権時代の「自民党本部放火事件」の容疑者だった藤井高弘氏が、再審で無罪となって釈放された。公安事件での再審無罪は珍しいことで、私たちの上演がいささかは貢献したのかもしれない。この劇は、当時の日本ではあまり知られていなかった「検察審査会」を描いたものでもあって、それなりに注目されたと思う。当時私は「陪審裁判を考える会」に入っていたのである。当時は現在のような「参審制」が導入されるとは夢にも思わなかった。「参審制」はないよりマシだという人もいるようだが、私は批判的である。一般人が「有罪・無罪」だけでなく「量刑」まで判断するというのは、無理があると思うからだ。その話はまたいずれ。

音楽は、当時私が一緒にバンド活動をしていた、吉野繁、中尾勘二、末村成生による呼び込みの生演奏もあった。街と表現がもっと猥雑に絡み合っていた時代である。
十日間の公演で、テント番で泊まり込んだりしたのも、楽しい思い出であった。

https://rinkogun.com/1983-1990/entori/1990/6/22_OFFSIDE_-_A_Dangerous_Story_in_1990.html



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39度になるって言われても

2024-07-22 | Weblog
39度になるって言われても、困ります。

どなた様も、お気をつけて。



バイデン氏大統領選撤退。

そりゃ仕方ないのだろうが、なんだか平然と高齢者差別が罷り通る感じの発言が許されている報道も気になる。

民主党的には、大統領選は3選禁止(2度を超えて選出されることは認められていない)なのだが、オバマ元大統領が返り咲きできればよかったのに、というところだろう。
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いま沖縄を語ることの難しさ

2024-07-21 | Weblog
「いま沖縄をどう語るか」(高文研)は、新崎 盛吾, 松元 剛, 謝花 直美, 佐古 忠彦, 鎌倉 英也氏らの共著。

法政大学沖縄文化研究所創立50周年記念シンポジウム「いま沖縄を語る言葉はどこにあるか―復帰50年目のジャーナリストたちの挑戦」(2022年11月23日開催)がもとになっている。
沖縄についてそれぞれの立場からの論考である。

新崎さんとはしばしばお話しするし、松元さんには『普天間』を執筆するときにお世話になった。

私なりに、ここ三十年の沖縄との関わりの振り返りにも役立ったし、あらためていろいろなことを考えたが、「いま沖縄を語ること」の難しさをこそ、思った。

そして、「台湾有事」というような、新たに浮上してきた言葉に対して、私たちがもっとしっかりとした論理の組み立てを持たねばならないと、あらためて思った。

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