Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

上関原発

2011-03-31 | Weblog
朝日新聞によれば、中国電力の上関原発計画で、上関町祝島などの反対派住民らが予定地の海岸で工事を妨害した場合、1人1日当たり70万円を中電に支払うよう命じる間接強制を山口地裁が決定したという。中電が「上関原発を建てさせない祝島島民の会」のメンバーらに対し、被害相当額として「1日当たり約936万円」を支払うよう地裁に申し立てていた。予定地の海岸への進入や作業員への接近を禁じた2月21日付の仮処分命令に伴うものだという。3月25日付だというが、東日本の震災を経た上での判断だけに、呆れるしかない。
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今と将来と

2011-03-30 | Weblog
こんな時期だが、日中、劇団の今年の第一次新人入団試験を行っている。演劇を必要とする人たちがいるのだ。観客として、作り手として、それぞれ。……時々、揺れている感覚がある。むしろロンドンにいたとき、そうだった。すぐに錯覚だとわかるが。不思議だ。……被災地に行って支援活動をする知り合いも多々。いろんなことの見通しがついてくるのは、いつの日か。
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これが日常

2011-03-29 | Weblog
なんだかいい天気だし、東京の街を歩く人たちは何ごともなかったように平和に見える。花粉の季節は終わりということだけでいいのか、マスクする人も減っている。原発屋外にプルトニウムが出てきたといっても、「打つ手がない、深刻」と毎日聞かされていても、麻痺しているみたいだ。かと思うと震災関係の失言や必要以上に警戒心を巻き起こす可能性があるとされる言説に対する魔女狩りもどきが横行している。買い占めは褒められた行為ではないし私もしないけれど、被災地に送る分が店頭に並んでいるわけではないだろうし、行列になるのは並ばなきゃ買えないからだけだろうし、ふだんから多忙である程度まとめ買いしている人間まで必要以上にびくびくして、ふだん買っている量も買い控えしなさいということか。と思って西友に入ると、節電で暗く、やはり多くの棚が空いていて、非常時を思う。これからもずっと続くのだろう。……『裏屋根裏』、いよいよ31日まで。お見逃しなく。
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帰国

2011-03-28 | Weblog
ウエストエンドの劇場では舞台挨拶で「日本では五十万人が被災し、住居を失っています。多くの子供もいます。赤十字を通じて寄付をして支援しましょう」と舞台上で呼びかけ、終演後のロビーでは出演者たちが日の丸の絵のついたポリバケツでお金を集めるという光景がある。フランスの、昨年私の戯曲を上演してくれたロンポワン劇場でも、四月十一日、日本の震災の義援金を集めるためのイベントを開催してくれる。メッセージを求められている。(http://2010-2011.theatredurondpoint.fr/saison/fiche_evenement.cfm/109050-tsunami-et-demain.html)……ロンドンからの帰国便。一部で外国の乗務員が原発に近い成田に行くのをいやがってソウルや名古屋やらで人員交代をしているという噂が流れていたが、外国人のクルーも成田には来ている。不測の事態に対応するため、成田での業務を別なところに移しているということなのかもしれない。……なぜか離着陸時以外も機内でのノートパソコンの使用を禁じられたので、予定していた仕事ができない。締切との戦い。
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デヴィッド・ヘアー氏からのメッセージ

2011-03-27 | Weblog
記し忘れていたが、『ブラインド・タッチ』リーディング会場にデヴィッド・ヘアー氏からメッセージが届いた。午後からバリに行く用事が入り残念ながらうかがえない。本当に心から残念。坂手にとても会いたいし、彼の仕事(ヘアーの「報告劇」三部作演出のことだろう)にとても感謝している、等々。『ブラインド・タッチ』こそ、『スカイライト』『エイミィズ・ビュー』といったヘアー氏のストレート・プレイをロンドンで観たことが潜在的に影響している。こちらこそいくら感謝しても足りない。……地球の反対側の異国から日本の被災状況を想像するのはなかなか難しいともいえるし、ロンドンの人たちは現場にいないからこそ情報を客観的に見ているとも言える。なんにしても、すぐ日本に帰る、と言うと、各人各様の反応が返ってくる。
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『ブラインド・タッチ』から『Blind Touch』へ

2011-03-26 | Weblog
朝四時に目が覚める。朝から英国メンバーと読み合わせ、リハーサル。英語と日本語の違い、独自のニュアンスを少しずつあたる。本番は満席。Nicholas Barter演出は意外と俳優を動かすものだった。出演者Brid Brennan、Daniel Goodeの二人も素晴らしい。たいへんよく伝わったと思う。観客からの質問も総じて非常に細かく丁寧なものだった。……被災者への募金、多く集まる。……今回オブザーバーとして全体のバックアップをして下さった伊川東吾さんは今度ハリウッド版忠臣蔵でキアヌ・リーヴスの相手役らしい。
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出張

2011-03-25 | Weblog
東京に暮らす以上、平常心を保ち、なるべくふだんと変わりなく過ごすと決めた。が、もともと組まれていた出張があり、先方から「予定通りやります」という確認連絡を受け、公演中に現場を離れることで逡巡するが、行くことにする。ふだん口数少ない某劇団員の「この状況を理由にして、前に進むことをやめてはいけないんだと思いました」という言葉に背中を押される。……ロンドンでの、日本劇作家二人の連続リーディング。一本目の長塚圭史さんはちょうど入れ代わりで帰国。私の滞在は2日だけ。一日目は『ブラインド・タッチ』上演台本のリライト部分を英国メンバーと調整。作者として、英国的な表現にこだわるイギリス版を確認。明日も朝からリハーサルに立ち会い、本番、そして私と演出家Nicholas Barterによる講演。被災者への募金活動と日本の現状報告もする予定。……出発時、成田空港はがらがら。往路、ソウルで数時間機内で足止め。給油と英国航空乗務員入れ替えのため。そういえば、矢内原美邦さんはソウルからとんぼ返りでニューヨークへ行き、燐光群とも親しいキャメロン・スティール公演の振付をしているはずだ。
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選挙あっての民主主義だが

2011-03-24 | Weblog
統一地方選は実施、12都道府県で知事選告示の運びという。非常事態で公務員の仕事も手一杯、選挙のため労力と時間を割くのは無意味。無理やり進めているのは国家側の判断である。私の知る限り自治体関係者は困惑している。心ある立候補予定者がこの時期であるため辞退することだって考えられる。かと思うと、震災を「天罰」だと言った者が結局は出馬するらしい。……東京でも水道に乳幼児に危険なヨウ素検出というニュース。地域によってばらつきがあるのは、エリアによっては地下水も引いて使っているからか。
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3日目

2011-03-23 | Weblog
大学の同期Hさんと田中良・杉並区長に面談。保坂展人さんも合流。杉並区はいちはやく、提携する群馬・東吾妻にある所有施設を避難所として提供し、バスを出して、福島・南相場の行き場のない震災被災者たちの多くを迎えた。これは区民として誇りに思う。保坂さんのもとにも自分の所有する不動産を被災者のために提供したいという民間からの申し出が相次いでおり、私が座高円寺のことでおつきあいしている区の区民生活部の人たちがその手配対応に協力している。……公演は3日目。細かいチェック。粛々と進める。
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霧雨

2011-03-22 | Weblog
公演2日目。細かな雨。平常心を保ち続ける。公演を応援して下さる方々も多くいる。本当に有り難い。働いている店の従業員がみんな帰国してしまい閉店、「バイト難民」になってしまったという人も。そう、私たちも目の前の公演のことだけではなく今後の暮らしも考えなくてはならない。……10年以上前にインドネシアでお世話になったIさん一家が観に来てくれる。トニー、tomoとお茶。トニーが「坂手も演出論を文字として残すべきだ」と言う。……このブログを英訳して紹介しているニューヨークのAya Ogawaが、海外から日本への支援金を受け付けているところを紹介してくれている。以下の通り。自前で海外募金を集めにくい団体は、これらを紹介するのも一手ではある。
Second Harvest Japan
The Japan Society Earthquake Relief Fund
The Nippon Foundation / CANPAN Northeastern Japan Earthquake and Tsunami Relief Fund
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幕が開いた

2011-03-21 | Weblog
とにかく開いた。充実した手応えはある。スタッフ・キヤスト、お客様に心から感謝したい。キャンセルが多かったが、それを上回る当日のお客様。用意していた座席については、満席。初日だからではあるだろう。あと十日間の予約状況は厳しいものがある。ぜひお運び下さい。
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初日に向かい

2011-03-20 | Weblog
もはやインドネシアを代表する俳優と言っていいトニー・ブルール、韓国版『屋根裏』に引き続いてのユン・サンファとイ・ジュオン、異国で思いがけず危機に直面しながらも、「私たちは演劇人である」という思いで共に舞台を担ってくれる、実力ある海外からの出演者たちに、心から感謝する。ミョンファと萌子も複数言語を生き生きと演じている。ほぼキャスティングをシャッフル、新しい役に挑む劇団員たちにも乞御期待。迫真の国際合作『裏屋根裏』、ついに幕が開く。ザ・スズナリとこの劇の相性、これまた一見の価値有り。上演にあたって、劇団HPに文を載せた。http://rinkogun.com/ ……震災後に原発の陥った事態は好転しているという。もちろん信じたいが。認定特定非営利活動法人・原子力資料情報室からの「福島原発に関する日本政府への申し入れ」(http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1034)、この内容は共有してゆきたい。
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劇場から

2011-03-19 | Weblog
ここまで対処方法が見えないということは、チェルノブイリ同様、早急に「石棺」で固めるしかないのではないだろうか。それにしても、「直ちに健康に影響は出ない」という枝野日本語のひどさ。そりゃいつかは、みんな死ぬ。「地形や気候によって左右される」と言われても、だからこその対策を示すべきだろう。危機対応の可能性として、首都機能の移転も複数案で考えなければならないはずだが。……さて、私はあらぬ噂に惑わされているだろうか。届いている情報は、間違っているのだろうか。マスコミの自助努力を、私は一定程度、信じる。知己の政治家や官僚諸氏とも電話で話す。できることはする。当然だろう。私は「正義ヒステリー」に陥っていますか? 悪いけど、そんな暇はないよ。「今、日本人は正しいパニックを起こさなければならない」という昨日聞いた広瀬隆氏の言葉が、リアルに響く。……今日も十時まで劇場。集合時、現場の人たちに、私たちの向かう指針について話す。誰か一人でも納得してくれなければ、変更してもいい。場当たりをする。それぞれが生きている。頑張ればそのように見えるし、怠れば人をがっかりさせる。いつだって同じことだ。賄いの手作りカレーの味が滲みる。私たちは生きている。
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節電演劇ではある

2011-03-18 | Weblog
劇場入り。仕込み。今後の対応についていろいろと話し合い。……事実は正確に伝えられるべきであろう。私たち自身の生活の場で起きていることなのだから。情報に惑わされるな、情緒に流されるなという自戒は大切だが、自分は自分のことをきちんとしていればそれでいい、と言っても現実は待ってくれない。……大規模停電の報に困惑。ちなみに『裏屋根裏』だが、節電に協力できないのは申し訳ないが、世界一小さい演劇を標榜するだけに、きわめて狭い舞台セットであるため、照明の電気使用量は通常の小劇場演劇の四分の一か五分の一くらいである。そのことも上演決行の追い風になっている。……福島原発、機動隊の放水処置失敗。自衛隊の首尾は? ……〈非戦を選ぶ演劇人の会〉の、東北関東大地震被災者への義援金については、以下をご覧下さい。http://hisen-engeki.com/jishinn.htm 海外の方からの寄付対応については、準備中ですので、もう少しお待ち下さい。
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祈る以外にできること

2011-03-17 | Weblog
「午後零時二十分から停電」との情報。九時に稽古場を開け、早々に通し稽古、チェック。停電はなし。稽古場撤収の途中で引き上げさせてもらい、地震関係連絡などに時間を割かれたため滞っていた原稿を執筆するも、捗らない。……仙台の知人とようやく電話が通じ、惨状を聞く。更に孤立した場所に避難している方々は深刻であろう。そして『くじらの墓標』執筆の頃から何度か行った捕鯨村・牡鹿半島鮎川がコンクリートの建物以外は街まるごとほぼ流されたと聞く。村民の多くが高台に逃げたが、死者多数という。二年あまり前に上演した空襲を描いた『戦争と市民』の出演者から、空襲シーンの感じと今の報道で知る空気の感じが似ている、とメールが来る。あの劇の舞台設定イメージの何割かは、その鮎川だった。
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