個人的に、東京オリンピック開催にはずっと反対してきたが、はたしてどうなるのだろう。
だが、今や、多くの国民が反対しているのになぜやるのか、という問題に移ってきているようだ。
開催予定日は二ヶ月後と迫っている。IOCのお歴々は、「緊急事態宣言下でも開催する」と言いつのっているようなので、もはや日本政府は責任から逃れようがない。
日本はワクチン接種が他の「先進国」と比べても大幅に遅れており、感染状況や医療体制の改善が進んでいない。具体的な施策を採らず、緊急事態宣言の乱発延長で「やってる感」だけを演出している。
ここにきて、日経新聞によれば、アメリカ国務省は24日、日本の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国民に日本への渡航を中止するよう勧告したという。
米疾病対策センター(CDC)が日本の感染状況を4段階のうち最高の「非常に高い」としたことを踏まえ、渡航の警戒レベルは4段階のうち最高ランクに引き上げられたという。現在アメリカは、大半の欧州諸国など約150カ国・地域を対象にレベル4の渡航中止を勧告している。レベル2(注意)は韓国など16カ国、レベル3(渡航再検討)は英国や中国、イスラエル、オーストラリアなど約40カ国。これまで日本はレベル3だった。
それでもアメリカはワクチン接種が進んでいるではないか、という見方があるかもしれないが、CDCは「コロナワクチンの接種を終えた旅行者でも変異株に感染し、広めるリスクがある」と指摘し、あらゆる渡航をやめるべきだと警告したというから、これはもう「無理」である。
バイデン政権は日本の五輪開催を支持し、米国オリンピック・パラリンピック委員会は24日「(東京五輪に)安全に参加できると確信している」との声明を出したというが、真っ向から意見が対立したことになる。
とても開催できるような気がしない。
ここで中止になれば、誰が責任を取るのか。
私が、東京オリンピック開催に反対してきた理由の一つは、安倍政権の虚偽と欺瞞にあるが、現状を見れば、なんと、結局、安倍前首相だけが責任を免れる、という、信じがたい構図になっている。