Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

高野病院前院長・高野英男先生お別れ会

2017-02-28 | Weblog
2月26日、いわき市で、高野病院の高野英男前院長をしのぶお別れ会が開催された。
式典は、どなたでもご参加いただけるという形式で、用意した席の三倍以上の500名近い方々が参列、また700名近い方々が、前院長がお好きだったカーネーションを献花してくださった。
呼びかけ人の一人として、心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。

2016年12月に火事で亡くなった高野前院長は、原発事故後も避難することなく、双葉郡の地域医療を支えてきた方である。
高野院長の活動は、昨年秋にNHKの番組でも紹介され、全国の注目を集めた。
これからこの国の「地域医療」を考えるときの、一つの雛形になるはずだ。

私は二年ちょっと前、福島生業訴訟弁護団の馬奈木厳太郎氏の紹介で高野病院を知ることになった。高野病院の選択、そして理事長の高野己保さんの人柄に感じるところ大であった。

司会は呼びかけ人の大和田新さん。喋りのプロだけあってさすがにうまい。
最初に広野町長の挨拶。六名の病院スタッフのお別れのメッセージが感動的だった。中山祐次郎新院長のスピーチからは、前院長への尊敬が自然に伝わってきた。
寸前まで「挨拶の内容を考えていない」とうろたえてみせたりしていた高野己保理事長だが、それは主に、お別れのメッセージを担当した病院勤務のスタッフの皆さんの緊張をほぐすためであったのだと思う。「『どんな時でも、自分のできることを粛々とやれ』と、それが院長の残した言葉となりました」とまとめ、人々の心をうった。

私もスピーチをしたが、高野病院のことに触れた戯曲『バートルビーズ』の作品紹介を通じて、病院とのかかわりを話すというお題を与えられていて、しかも「事実上の呼びかけ人の代表としてのあいさつ」と位置づけられていたので、たいへん緊張した。
『バートルビーズ』の原作といえるメルヴィルの小説『バートルビー』の主人公は、「できれば、そうしたくないのですが」と消極的な抵抗を続ける。
前院長、当時事務長だった己保さんは、避難や撤収を呼びかける勢力に対して「できれば、そうしたくないのですが」と、拒否を貫き、動かすことのできない患者たちの命を守った。
病院は、パブリックな存在である。民間経営であってもそうだ。
パブリックであるということは、一番弱い立場の者に寄り添うことだと、私は思う。
高野病院はまさしくそういうところだ。
今も前院長の「イズム」が息づいているのだ。

高野英男前院長は、この病院を創始したオーナー院長であり、病院の隣のログハウスに泊まり込んで医療に当たる身の入れ方は半端ではなかった。
「めんどくさいことが嫌いでめんどくさいことをなくすためにめんどくさいことを買って出る」という人だったという。
会を終えて、呼びかけ人の一人でもある、この病院を支えた一人である小早川義貴医師からうかがった話が、面白かった。病院を船になぞらえて熱く語った小早川さんに前院長が「君が勝手に乗ってきたんじゃないの」と言ったという話は、うまく伝えられないのだけど、ものすごいユーモア感覚なのである。
やはり呼びかけ人である堀潤さんはじめ、これからも前院長のお人柄を伝える方が大勢おられると思う。
いっぱいお話を伺いたかったと後悔している。

高野先生、安らかにお休みください。
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『グレートウォール』に見るアメリカ・中国の親和力

2017-02-24 | Weblog
映画『グレートウォール』には、驚かされた。
まあしかし実は、驚いたのは私の勝手な事情である。
IMAXで試写を見せていただいたが、指定されていた「情報解禁期限」も過ぎたので、感想を記すことにしよう。
チャン・イーモウ監督による中国の歴史上の物語で、「人類史上最大の建造物・万里の長城が造られた目的がついに明かされる」となれば、歴史劇というか、古代中国の国どうしの戦争を描くもので、重厚な人間ドラマということであるのだろうと思うのが自然だ。そのはずだ。
いきなり出てくるマット・デイモンが黒色火薬を求める英語を喋る外人部隊の傭兵、まあその設定も認めたとしよう。
ところが。
開幕五分も過ぎて、ある出来事が描かれて、ざわっと、予感がした。
まさか。
まさかこの中国の「歴史劇」は、そうではなく、「○○映画」のジャンルに位置づけられるのではないか。
そして。
まさしく「○○映画」であることが明らかになっていく。
マジなのか!
やっぱり。
いや、はじめからそう知って観ていればそう呆れることはないのかもしれない。
しかしチャン・イーモウ監督だし、正統的な歴史劇と思い込んだのは、こちらが悪いばかりとは言えまい。
じっさい、後でチラシをひっくり返してみると、その「○○」の存在については、確かに漢字である特定の勢力であるかのように書いてあるが、「○○」とははっきりとは言っていない。
私は必ずしも「○○映画」が好きではないわけではない。
驚かされたが、それはそれでちゃんと観ることはできた。
私と同じ驚きを味わいたい方は、チラシを熟読したり、なるべく関連記事を見ないで、「チャン・イーモウ監督による中国の歴史物語」とだけの情報を知る段階で見ていただきたい。その方が楽しめる。

ところで。
マット・デイモンら、黒色火薬を求める英語を喋る外人部隊の傭兵たちの存在。
まあこの映画は、アメリカ(英語世界)と中国が、大国どうしとして、実はとても互いを認め合っているということが、あらためてよくわかる映画でもある。
その親和力を確認する映画である。
アメリカと中国は結婚はしないが、互いに尊重し合っていくから、そこんとこよろしく、というメッセージで終わる。

もちろんここには日本はいない。
まさか日本があの「○○」のメタファーではないことだけは、そう願いたい。
だが確実に、七十数年前は、歴史上ではそうだった時期があるのだ。

さあ、みごとにネタバレしないで映画の宣伝に貢献したぞ。

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イタリアが懐かしい

2017-02-24 | Weblog
マレーシアからイルファンが来日。T-PAMの関連らしい。
稽古中の梅ヶ丘BOXを訪ねてきてくれた。『くじらの墓標』再演の稽古を少し覗いていった。
あまり時間がなくたっぷり話ができなかったのが残念だが、今夏は久しぶりにマレーシアを訪ねてみようと思う。
イルファンは2012年、イタリアでのラ・ママ・ウンブリア国際演劇講座で一週間、私が講師を勤めた「〈現代能〉の作り方」講座を受講。
演出家のためのプログラムだったが、全員に演じてもらった。
全員合宿での国際ワークショップは得がたい体験だった。
ラ・ママ・ウンブリアはローマ郊外のウンブリア地方の山上にある。スポレート演劇祭とも連動している。
この講座は川村毅氏も講師をしたことがある。川村氏とはミラノのピッコロ座のフェスティバルに一緒に招かれたことがあるが、彼はイタリアが肌に合うようだ。
こう寒いとイタリアの夏の日々が懐かしいが、イタリアだって今は寒いはずである。

この講座のことは以下の記事を御覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/sakate2008/s/ウンブリア

ラ・ママの拠点はニューヨークである。
1999年、まだお元気だったエレン・スチュアートさんのおかげで、ラ・ママ劇場で『くじらの墓標』を紹介してもらうことができた。
今またその芝居を日本で再演している。
そういえぱマレーシアの隣シンガポールの劇団ネセサリー・ステージも以前に『くじらの墓標』を上演してくれている。
戯曲というものはこうして何度も息を吹き返す。文字による表現媒体としては恵まれていると思う。

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日本劇作家協会 「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール

2017-02-22 | Weblog
日本劇作家協会は、「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピールを、発表しました。

     ※      ※      ※      ※      ※      ※


「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール

 日本劇作家協会は、過去3度も廃案となった「共謀罪」が、問題の本質は変わらぬまま、「テロ等組織犯罪準備罪」として国会に再度提出されることに、強い危機感を覚えています。
 この法案は網羅する範囲が広く、また、私たちの創作行為が発表以前に監視されることを許すものです。恣意的な運用がなされた場合、思想信条や言論・表現の自由への脅威になりかねません。
 日本劇作家協会は、自由な表現活動を維持する立場として、あらためてこの法案に懸念を表明します。
 

2017年2月22日 
 
一般社団法人 日本劇作家協会




“「新共謀罪」に反対する表現者の緊急アピール” 註

註1:「犯罪が実際に行われていなくても」その可能性を語り合ったり、匂わせただけで、犯罪行為として処罰の対象になるのが共謀罪です。現在、未遂や予備(準備)や共謀は軽犯罪では処罰の対象にならず、重大な犯罪だけに限定されています。

註2:日本には既に共謀罪が15、陰謀罪が8、予備罪が40、準備罪が9あり、72の主要重大犯罪に、未遂よりも前の予備などの段階で処罰できる法律があります。またテロ資金供与を含む国連のテロ防止関連の条約を全て批准しており、国内法も整備し ています。マネーロンダリング防止を目的とした国連の「国際(越境)組織犯罪防止条約」を批准するためには「四年以上の刑期の犯罪全てに共謀罪を導入しなければいけない」と政府は説明していますが、アメリカなど多くの国が共謀罪条項を留保し批准しています。日本も当然、留保の形でこの条約を批准することは可能です。

註3:政府の統一見解では、対象は組織犯罪集団に限定されず、あらゆる団体(2名以上の会社、サークル、労働組合など)が犯罪の可能性を相談し、共謀した後は組 織犯罪集団とみなされ得ると説明しています。また共謀行為の立証のために盗聴の拡大や密告が奨励されるのではないかとの指摘もあります。



*言論表現委員などによるコラムを追って掲載いたします

※演劇団体や芸術文化団体にもこのアピールへの賛同を広く呼びかけています。


http://www.jpwa.org/main/statement/appeal20170222
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飲んつかー乗らん

2017-02-18 | Weblog
沖縄県宮古島北西に位置する池間島と宮古島とを結ぶ池間大橋のたもとにある交通標識。
「飲んだら乗るな」が「飲んつかー乗らん」と、島の言葉になっている。
あんまり禁止されている気がしない。

1月22日、宮古島市長選・市議補選の投票日の日中、することもないので、池間島在住のAさんのお宅を訪ねたさいの写真。

池間大橋は全長1,425m。船舶の航行のため中央部が盛り上がった形状をしている。暴風警報が発表され、かつ、風速が25m/秒以上になると、1時間前に事前連絡の上、通行止めとなるらしい。全日本トライアスロン宮古島大会のバイクコースの一部。知り合いにトライアスロンをしている人が何人かいるが、たいへんだろうなあと思う。

橋の反対側のたもとで宮古島の「雪塩」の製造販売所があり、そこも観光地化しているが、そこの販売員というか説明係のお姉さんの十五分くらいのトークが、並みの漫才よりも遥かに面白かった。
そんな解説を聞いていたということは、たぶんここ数ヶ月で一番暇な日だったのだ。もはや懐かしい。

『沖縄ミルクプラントの最后』の稽古を観に行けていない。その稽古場での1月の宮城康博氏の講座の採録を東京演劇アンサンブルのOさんが送ってくれたのだが、島言葉のことがたくさんあったため、この看板のことを思い出した。この池間島行きは宮城氏も同行している。
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非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング 『それゆけ安全マン!?』 4月4日(火) ワンステージのみ

2017-02-17 | Weblog
非戦を選ぶ演劇人の会が、急遽、リーディングをやることになった。

震災の年。2011年6月に初演。若き人気者・相馬杜宇と、燐光群の清水弥生が、共同で台本を書いた。
なんとその台本が現在、東京新聞に連載中である。ほんとです。

私はその年の暮れ、沼津での公演に、松村武君、みやなおこさんたちと一緒に、出演した。

今回は、たった一日の公演だが、出演者が目茶苦茶に豪華である。
私の名前もあるが、おそらく誰かが病欠かドタキャンしたときの代打要員であろう。

たった一日なのですぐに売り切れるだろうと思う。
3月1日(水)予約受付開始。
お忘れなく。
情報は、以下を御覧ください。

http://hisen-engeki.com/information.htm

     ※      ※      ※      ※      ※  


非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング vol.20

それゆけ安全マン!?  ~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~

構成・脚本/相馬杜宇・清水弥生  演出/関根信一

日時:2017年4月4日(火)19:00
日時:◎開場は開演の30分前です。◎当日券は開演の1時間前から劇場受付で販売します。
会場:座・高円寺2
会場:〒166-0002 杉並区高円寺北2-1-2 TEL:03-3223-7500
会場:◎JR中央線「高円寺」駅北口を出て徒歩5分

▼出演予定 ※五十音順。出演予定者は変更になる場合があります。

内田龍磨・占部房子・大沢健・大鷹明良・大月ひろ美・荻野貴継・小嶋尚樹・小林あや
齋藤千裕・坂手洋二・坂寄奈津伎・重田千穂子・清水大将・高橋長英・竹下景子・武山尚史
田根楽子・土屋良太・根岸季衣・船場未生・益岡徹・宗像祥子・ラサール石井・流山児祥・他

▼スタッフ
照明=篠原久美子・白土真平  音響=藤田赤目  舞台監督=丸尾 聡
演出助手=村野玲子  制作=くまがいマキ  フライヤーイラスト=ぢるぢる
フライヤーデザイン=石原 燃  記録映像撮影=姫田蘭

▼お問い合わせ
非戦を選ぶ演劇人の会
TEL:070-5457-2003
E-mail:info「@」hisen-engeki.com


※迷惑メール対策のため「@」の前後の「 」外してお送り下さい。
公式フェイスブック:https://www.facebook.com/HisenEngeki
公式ツイッター: https://twitter.com/hisenn_enngeki

主催:非戦を選ぶ演劇人の会
協力:ポスターハリス・カンパニー

▼料金(全席自由・税込)
1,000円

3月1日(水)予約受付開始!

▼チケット取り扱い(予約開始日:2017年3月1日(水))
◎CoRich チケット!(ご予約・当日精算) https://ticket.corich.jp/apply/80642/

 この作品は2011年6月の非戦を選ぶ演劇人の会内のユニットにより東京で上演され、その後宮城、長崎、静岡などでも様々な団体によって上演され、大きな反響 を呼びました。また、上演台本は昨年11月24日より東京新聞の月、火、金曜の朝刊にて連載されており、3月下旬まで連載が続く予定です。
 この朗読劇では、前半は原子力発電に関する政策がどのように推進され、それをどのように自分たちは受容してきたか、放射能に対する社会の認識の変化について、事実を中心に語っていきます。後半は原発事故をきっかけに、原発をテーマにしたお芝居を創ろうと決意した高校生演劇部員たちが、みずみずしい感性を持って、原発を「安全」「安心」と語る人々と対峙していきます。実在する人々の証言にふれながら、原発を支える差別構造、はらんでいる矛盾を示し、脱原発の可能性を模索していく作品です。



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日本ペンクラブ声明 「共謀罪に反対する」

2017-02-15 | Weblog
日本ペンクラブが、国会に出されようとしている新共謀罪に反対する声明を出した。
見事なシンプルさである。
「人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。」というのは、まったくそのとおりである。
さらに、「共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。」という皮肉の部分が、ペンクラブらしさだろうか。
ほんとうに、政治を自分のために利用してきたのが、現政権である。

写真は、本文と関係なく、関西からいらした方にいただいた、京都のバレンタイン漬物。ピンクの風呂敷に包まれていた。素敵である。
もちろん他の方からチョコレートもいただいていますよ。

http://www.japanpen.or.jp/news/cat90/post_585.html



日本ペンクラブ声明 「共謀罪に反対する」

共謀罪によってあなたの生活は監視され、
共謀罪によってあなたがテロリストに仕立てられる。
私たちは共謀罪の新設に反対します。

 私たち日本ペンクラブは、いま国会で審議が進む「共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)」の新設に強く反対する。過去の法案に対しても、全く不要であるばかりか、社会の基盤を壊すものとして私たちは反対してきたが、法案の本質が全く変わらない以上、その姿勢に微塵の違いもない。
 過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となった法案同様、いま準備されている共謀罪は、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。これは、人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」を侵害するものに他ならない。結果として、表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われてしまう。
 しかも、現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁であり、オリンピックの政治的利用である。
 このような法案を強引に成立させようとする政府の姿勢を許すわけにはいかない。  
 法案の成立を断固阻止すべきである。

 2017年2月15日
                  
一般社団法人日本ペンクラブ      
会長 浅田次郎    
言論表現委員長 山田健太
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まだ辞めていないのか

2017-02-13 | Weblog
衆議院予算委員会、参議院予算委員会を舞台に「共謀罪」(政府呼称は「テロ等準備罪」)に関する集中した質疑で、幾度もしどろもどろになり答弁に窮することも多かった金田勝年法務大臣。安倍首相に助けられる場面さえあったようだ。
「当時の経緯を、突然の質問で承知はしていません」
組織的犯罪防止条約(TOC条約)と共謀罪との関わりや、過去の立法過程と国会審議上の問題点を問われて、何ひとつ的確に答えられない。極めて稚拙で合理性を欠いている。紛糾して当然だ。
また、「国会に提出した後、所管の法務委員会においてしっかりと議論を重ねていくべきものと考える」とする異例の見解を文書(写真)で通達した。「法案は現在検討中で、与党協議も了していない」という。すでに過去の国会審議によって、重要な論点は十二分に確認されているはずである。「法務省」と記述したこのような文書を報道各社に配布することで、暗に予算委員会の議論に注文をつけている。明らかに国会での質問を封じようとする動きであり、国会で答弁できないことを棚に上げて、質問をやめてくれというのは勘違いで済まされるものではない。このような「言論封じ」は民主主義の否定であり、前代未聞である。文書配布を指示した金田法相は撤回し謝罪したが、辞任するのが当然である。

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊の日報問題で、「廃棄」したはずの日報の存在が明らかになった。まったく説明がついていない。
稲田朋美防衛相は引責辞任が当然である。

こうした大臣の不祥事が続くなら、総理大臣の任命責任はどうなるのか。安倍首相は引責辞任が当然である。

古謝景春南城市長は、フェイスブックで市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんの政治活動について「日本人の名字に辛は見たことないけどなぜ!? 沖縄県の政治的な活動の先頭に立っているの!?」と投稿した。
こんな差別発言は到底許されていいはずがない。引責辞任が当然である。

既に周知されているように、DHCシアターが制作し、東京MXテレビが今年1月2日に放送した情報番組『ニュース女子』の内容は、沖縄の基地反対運動について著しく事実と異なり、偏見に基づくものであった。
東京新聞の深田実・論説主幹は、「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません」「他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」としている。
同番組の司会を行っていた東京・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏は、『ニュース女子』に長谷川氏が出演していたことを東京新聞が「深く反省する」という見解を紙面で明らかにしたことについて反論、「言論弾圧」とかみついた。
長谷川氏は、『ニュース女子』で語られた内容について、単なる司会者ではなく、自らが責任を持つ言論ということになる。ならば彼は、それが「事実」であることを証明する義務がある。それができないなら、論説副主幹の立場を退き辞任するのがが当然である。

他にもいっぱい「引責辞任が当然」な者たちがいる。
しかし、誰もやめていない。
ちょろい時代になったものだ。

ところで、不正に「天下り」した連中は、ちゃんと辞任したのだろうか?
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日本劇作家協会「戯曲セミナー」2017年度受講生募集

2017-02-12 | Weblog
日本劇作家協会「戯曲セミナー」2017年度受講生募集の情報が公開されました。

3月1日(水)より受付開始です。

戯曲の書き方を学ぶ、演劇の楽しみかたを学ぶ。日本でただ一つのセミナーです。

http://www.jpwa.org/main/activity/seminar


講師 [参考:2016年度の講師 /全30回+公開講座2日]

  横内謙介、鈴木 聡、青木 豪、長田育恵、川村 毅、
  ケラリーノ・サンドロヴィッチ、鴻上尚史、坂手洋二、
  故林広志、篠原久美子、竹内銃一郎、佃 典彦、土田英生、
  永井愛、中津留章仁、中屋敷法仁、成井 豊、平田オリザ、
  長谷基弘、マキノノゾミ、松本 修、丸尾 聡、渡辺えり

 *講師の顔ぶれは年度によって変わります。ご了解のうえお申込みください

概要
   期間
     2017年5月下旬より2018年3月上旬まで
     (8月、12月中旬〜1月中旬はお休みです)
   会場
     座・高円寺 (JR中央線 高円寺駅 北口より徒歩5分)  
   募集人数
     50名
   日程
     水曜/19時から21時
      全30コマ+公開講座2日
      講義日程表 (PDF)

応募条件
   応募資格・試験等
    特になし
   募集期間
     3月1日(水) 受付開始。定員に達し次第、締め切ります。
   入学金、授業料
    計200,000円(入学金20,000円+年間授業料180,000円)
    (消費税込、振込手数料別)
    ■ 杉並区民割引
      年間授業料が170,000円になります。(入学金と合わせ計190,000円)
      対象:杉並区内に在住の方/杉並区内に在学・在勤の方
      それがわかる書類のコピーを劇作家協会事務局までお送りください。

 申込み方法

  1)お申込み 3月1日(水)より承ります
  
   ■ フォームよりのお申込み
・追って設置の申込みフォームに、必要事項をご記入のうえご送信ください。
・自動返信メールはお送りしておりません。
フォーム送信後はこちらからの連絡を待たず、入学金等のお振込み手続きを
お願い致します。入金確認後にご連絡申し上げます。

   ■ フォームがご利用になれない場合
・郵便・ファックス・メールで、「戯曲セミナー受講希望」とご明記のうえ、
下記の事項をお知らせください。
・記載事項:お名前、ふりがな、郵便番号、ご住所、電話番号、ファックス番号、
メールアドレス、ご年齢、このセミナーを知った媒体名。
・杉並区在住/在勤の方はその旨をお書き添えください。
・宛先:日本劇作家協会事務局
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-29-14-501
FAX:03-5364-9205  MAIL: office@jpwa.jp

  2)お振込み
入学金¥20,000+年間授業料¥180,000を、下記口座にお振込みください。
ご入金を確認ののち、受領証をお送りします。
・5月10日以降のお申込みの場合は合計額¥200,000をまとめてお振込みください。
・入金先着順の受付です。
・先に入学金¥20,000のみのお振込みでも承ります。
・年間授業料¥180,000を別納なさる場合は、遅くとも5月10日(金)までにお振り込みください。
・合計金額¥200,000をまとめてお振込みくださってももちろん結構です。

■ 振込先
  三菱東京UFJ銀行 高円寺支店
  (普)0043289  一般社団法人 日本劇作家協会
 ・必ず、お申込み時と同じお名前でお振込ください。

■ 注意事項
 ・入学金 = 納入後の申込者都合の返金はいたしかねますことをご了承ください。
  ご入金の時点ですでに定員に達していた場合のみ、ご連絡の後、返金いたします。
 ・年間授業料 = 開講後の返金はお受けしかねることをご了承ください。

* この募集案内は「戯曲セミナー」についてのものです。研修課につきましてはまた改めてご案内します。

お問合せ
   日本劇作家協会事務局
   TEL:  03-5373-6923
   MAIL:  office@jpwa.jp 
   **お問合せにあたっては、 office@jpwa.jpと sec-02@jpwa.jpからの
    メールを受信できるよう、必ずご設定ください


[主催] 一般社団法人 日本劇作家協会
[提携] NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
[後援] 杉並区
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日本がアメリカの属国であると再確認し辺野古と南西諸島に対して執行宣言するためのマティス国防長官来日

2017-02-04 | Weblog
昨日、来日しているマティス国防長官と会って安倍総理は「日米同盟は揺るぎない」とし、国防長官から「同盟がアメリカにとっても重要(日米の同盟関係は「アジア太平洋地域の安全の要」)であり、アメリカはアジア太平洋地域に関与していく」、具体的には「尖閣諸島が日本の施政下にある領域であり、日米安保5条の適応範囲である」という言葉を引き出して、満足げだった。
なぜそうしたことを「確かめる」ことが必要だったかといえば、最近「在日米軍および基地は日本の防衛に直接関与しない」と記された米機密文書の存在が指摘されたり、一部の米関係者から「尖閣問題にはアメリカは関与しない」という発言が見られるようになっていたからである。
しかし、おかしくはないか。
全部先方の胸先三寸で決まっていることではないか。
相手の言いなりということである。
「対等な同盟」であれば、「尖閣問題への関与」の度合いについて、アメリカが自分で好き勝手に決めていいわけはない。
マティスは昨日も「誤解のないようにしたいと思ったから(懸念を持たれないように)」と言っていたが、それでは、決定権のある者が従う者に言い聞かせている構図ではないか。
稲田防衛相によれば、日本は「支持している」旨を伝えたそうだ。しかも「積極的に役割を果たしていく」という。これでは子分ではないか。
マティスからは日本の防衛義務やその拡大を要望されたということだ。
普天間移設については「辺野古への移設が唯一の解決策」として、「引き続き協力していく」のだという。しかし、「唯一の解決策」と主張する説得力ある根拠が明確に示されたことは、過去にただ一度もないのだ! むしろ現在までの進行過程を理由に、既成事実化しようとしているのだ。
日米防衛相共同会見後の記者質問でも、稲田防衛相は「日本の防衛力を強化する」をしつこく強調。「自らが果たしうる役割の拡大」だそうだ。
アメリカが南シナ海等で先制攻撃をするとしたら、それを受けてどう反応するかという記者の質問には困惑していた稲田防衛相だが、南シナ海に於いて軍事的な解決はしない、外交努力で解決する、とマティス国防長官が代わって答えた。
稲田防衛相は北朝鮮にかこつけて「ミサイル防衛力をつけていく」と付け加えた。南西諸島への自衛隊ミサイル配備のこともイメージしての「ミサイル」強調であろう。
専守防衛の日本にはできないこととして「アメリカの打撃力・抑止力」を繰り返し、日本も「戦争のできる普通の国になりたい」ことをちらつかせた。

同盟に対する日本の役割を拡大するというのは、南西諸島の自衛隊配備計画を示し、やがては日米同盟に基づいて、もはや共同訓練が当たり前になっている米軍がそこにもやってくる下地を作るということだ。
「唯一の解決策」であると確認したことを示した辺野古ともども、一気に工事強行に入ろうということであろう。

在日米軍の駐留経費に触れなかった(議題にならなかった)のは、そもそもトランプが大統領になる前に言っていた「日本に全面負担させる」がブラフであったというより、米国内・選挙向けのアピールであり、ここに関心を持たせては、今現在既に過大な負担をしていることがより広く露呈するだけだからだろう。今の日米間では、経済の問題はブレーキになりはしない。

翁長沖縄県知事は何をしているのだ。なぜこのタイミングで米国訪問から帰ってきていないのか? ワシントンで何をやっているのか?
そもそもこの段階で辺野古工事に対してあらためて停止命令を出していないのが、本人の主張から考えても、おかしい。
インタビューに「粘り強く訴えていきたい」とか答えるとかではなく、即時にこの日米共同会見に反対するきちんとした声明と法的処置を出せるのか。今の辺野古がどうなっているか、工事を進める側がどう「強化」されてしまっているか等、本当にわかっているのか。

写真は、先月、辺野古浜から、キャンプ・シュワヴ内を臨む。
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