8月25日(水)に、アセス審査会の傍聴に行ってきました。
粕谷先生がジュゴンの専門家として、用意してきた文書を基に、見
解を述べました。
見解の内容は、「準備書」で示されていた調査方法、データ分析、
これまでの調査との比較分析、結論等のほとんどすべての面で、防
衛局側にとって厳しいものだったと思います。これまでSDCC
やその他のジュゴン保護団体や個人が指摘してきた「準備書」の問
題が、より科学的な知見や分析を通して、再確認されました。
「ジュゴンへの影響がない」として「準備書」に対して、専門家と
して「沖縄のジュゴンの個体群に影響がある」との見解をだしたか
らです。
詳しい内容は、粕谷先生の「見解」を参照してください(pdf)。
→こちら
(ジュゴンネットワーク沖縄ブログより)
今回の粕谷先生の意見聴取で僕が印象に残ったことは、
1)粕谷先生は、専門家の立場から、非常に慎重に言葉を選びなが
らも、厳しく「準備書」の問題を指摘していた。
2)審査員会の先生方からは、調査法(観察者の問題、視界問題)
に対しての質問や、回避の方法(船上からのジュゴンの監視)につ
いての質問等が出たが、粕谷先生の回答はどれも防衛局に不利にな
るものであるように思えた。
3)粕谷先生は、「「準備書」において「最小生息数」を推定する
ことの意義は乏しい」とし、もしなんらかの理由で「最小生息数」
を推定するのならば、防衛局のデータの基づけば、「13頭にな
る」とした。
等です。
審査会の進め方自体が、防衛局と専門家を一緒によんで、質疑応答
をさせるという形をとらないので、粕谷先生の見解に対する防衛局
の反応はまだ分かりません。
吉川秀樹