ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

第7回アセス審査会の傍聴報告

2009年09月03日 | ジュゴンブログ

8月25日(水)に、アセス審査会の傍聴に行ってきました。
粕谷先生がジュゴンの専門家として、用意してきた文書を基に、見
解を述べました。

見解の内容は、「準備書」で示されていた調査方法、データ分析、
これまでの調査との比較分析、結論等のほとんどすべての面で、防
衛局側にとって厳しいものだったと思います。これまでSDCC
やその他のジュゴン保護団体や個人が指摘してきた「準備書」の問
題が、より科学的な知見や分析を通して、再確認されました。
「ジュゴンへの影響がない」として「準備書」に対して、専門家と
して「沖縄のジュゴンの個体群に影響がある」との見解をだしたか
らです。

詳しい内容は、粕谷先生の「見解」を参照してください(pdf)。
こちら
(ジュゴンネットワーク沖縄ブログより


今回の粕谷先生の意見聴取で僕が印象に残ったことは、

1)粕谷先生は、専門家の立場から、非常に慎重に言葉を選びなが
らも、厳しく「準備書」の問題を指摘していた。

2)審査員会の先生方からは、調査法(観察者の問題、視界問題)
に対しての質問や、回避の方法(船上からのジュゴンの監視)につ
いての質問等が出たが、粕谷先生の回答はどれも防衛局に不利にな
るものであるように思えた。

3)粕谷先生は、「「準備書」において「最小生息数」を推定する
ことの意義は乏しい」とし、もしなんらかの理由で「最小生息数」
を推定するのならば、防衛局のデータの基づけば、「13頭にな
る」とした。

等です。

審査会の進め方自体が、防衛局と専門家を一緒によんで、質疑応答
をさせるという形をとらないので、粕谷先生の見解に対する防衛局
の反応はまだ分かりません。
 
吉川秀樹