ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

行方不明ジュゴンCの調査と原因究明を  ~環境影響評価の事後調査報告書について

2018年04月11日 | ジュゴンブログ
行方不明ジュゴンCの調査と原因究明を ~環境影響評価の事後調査報告書について

 沖縄防衛局は埋め立て事業実施後はじめて環境影響評価の「事後調査報告書」を沖縄に提出しました。「事後調査報告書」では「事業の実施に伴う影響を最小限に留めることができ…新たな環境保全措置を講じる必要はない」としていますが、県環境影響評価審査会は「科学的根拠が不十分」と指摘しています。「事後調査報告書」について環境省は、「環境配慮の実効性を確保し、住民との信頼性や環境影響評価制度の信頼性の向上につなげる取り組み」(H23年4月報告書手続)としていますが、沖縄防衛局への不信感は高まるばかりです。

 防衛省はジュゴンCの行方不明(15年7月以降)を認めていますが、原因を究明せずに「工事の影響ではない」(第8回環境監視等委員会)としています。沖縄防衛局の環境影響評価書では「ジュゴンの生息範囲に変化が見られたときは、工事との関連性を検討し、対策を行う」(評価書第7章7.1.9.(1))としていますが、「事後調査報告書」では「個体Cは調査期間中に確認できませんでした」の一言だけです。

 第12回環境監視等委員会(18年2月)では、行方不明のジュゴンCの調査や、ジュゴンの餌場(海草藻場)の保全を求める意見がないがしろにされています。「ジュゴンなどの保護対策の実施に万全を期すこと」を求める「埋め立て承認の留意事項」(H25年12月2日)に反するものです。翁長知事は年度内に提出される県審査会答申をふまえて沖縄防衛局に環境影響保全措置の再検討を求めるとともに、実行しなければ「承認撤回」すべきです。  
 

写真:沖縄防衛局 辺野古基地建設環境影響評価書より

今こそ、埋め立て承認撤回を!~米ジュゴン訴訟結審に向けて 

2018年04月11日 | ジュゴンブログ
今こそ、埋め立て承認撤回を!~米ジュゴン訴訟結審に向けて 

3月12日、翁長沖縄県知事はジュゴン訴訟原告団ピーター・ガルビンさん(生物多様性センターCBD)との会談(サンフランシスコ)をふまえて、『ジュゴン訴訟に関与する』ことを明らかにしました。これは、昨年12月初めの米国ジュゴン原告団の来沖来日(前号参照)と、同月22日の名護市議会決議「米国国家歴史保存法(NHPA)に基づく利害関係者の表明と立ち入り制限区域内の確認を要請する決議」(注)をふまえたものです。名護市に続き、沖縄県の『ジュゴン訴訟に関与』は、5月24日のジュゴン訴訟結審(サンフランシスコ連邦高裁)に向けて大きな一歩になります。国防総省が沖縄県の申し入れである「ジュゴンの餌場への影響を確認するための制限区域内への立ち入り」を拒否すれば、審理の上で国防総省が不利になります。もし、国防総省が沖縄県に制限区域内に立ち入りを認めれば、埋め立て工事はストップします。沖縄県は3月中に国防総省に申し入れ文書を発送します。
 
 また、昨年10月に沖縄防衛局は沖縄県に埋め立て工事による環境影響評価「事後調査報告書」を提出しました。環境影響評価法に基づく報告書です。「事後調査報告書」では、辺野古海域を回遊していたジュゴンCが2年半行方不明にもかかわらず「発見できず」「事業の実施に伴う影響を最小限に留めることができた」と居直っています。また、沖縄防衛局の環境監視等委員会では「辺野古の藻場が破壊されているから、嘉陽のジュゴンの餌場を広げる議論を」(18年2月)と委員が要求していますが、未だに議論していません。これは「埋め立て承認の留意事項」違反であり、環境影響評価書の環境保全措置の不履行です。県環境影響評価審査会は「事後調査報告書の科学的根拠は不十分」と、3月末までに知事に答申します。翁長知事は沖縄防衛局に環境保全措置の履行を要求し、従わなければ埋め立て承認を撤回すべきではないでしょうか。

安倍政権は「森友問題」や憲法9条改悪をめぐり政権基盤が揺らいでいます。
今こそ、承認撤回のときです。(3月16日記)

(注)名護市議会決議抜粋
1.名護市及び沖縄県は、米国防総省に対して…NHPAの利害関係者であることを通達し、
…今後の協議についての対応を求めること。
2.名護市及び沖縄県は、米国防総省に制限区域内への立ち入りを求め、ジュゴンの餌場である辺野古海域藻場の代替施設建設による改変状況を確認すること。


沖縄島最大級の海草藻場が広がる辺野古の浅瀬 2003年撮影

6月24日シンポジウムと海勢頭豊コンサート(ご案内)

2018年04月11日 | イベント案内

防衛省は6月にも辺野古沿岸域に建設中の護岸工事を完成させて、埋め立て土砂の投入を狙っています。
今こそ「承認の撤回」が必要です。
5月24日にジュゴン訴訟の結審が、5月末には米国政府機関の海洋哺乳類委員会総会があります。

この情勢下でシンポジウムを開催しますので、ご参加をお願いします。

日時  6月24日(日)午後1時~5時
会場  沖縄大学3号館101教室
参加費  500円
主催  6・24シンポ実行委員会(090-8524-6372)

特別報告  東恩納琢磨名護市議会議員
シンポジウム「ジュゴンを救え、埋め立て承認撤回」
 パネラー 真喜志好一(ジュゴン訴訟団)、吉川秀樹(SDCC)、桜井国俊(沖縄大学名誉教授)
 コンサート 海勢頭豊バンド(海勢頭豊、海勢頭愛、島田路沙)