純白: 畑の脇の道を歩いているとDatura stramoniumが純白の花蕾を開きかけている所だった。
錦: Angelica archangelica(セイヨウトウキまたはアンジェリカ)が
もう実を結び立ち枯れようとしているのを見るともう秋なのかと気分も少したそがれてしまうが
まだ咲き始める花も、緑みずみずしい種子も混在している群れは金銀糸の錦のようだ。
漆黒: ブラックベリーの茂みには黒曜石のようにつややかな実が重たげに下がっている。
完熟しないままの実は赤く彩りを添えて美しい。
緑に朱: 穂草が2本アーチを作るように絡まっているのが面白いと近づけば朱色の玉の彩りは天道虫。
黒: それを足元の草の茂みに踏み込んで覗き見ているとUrtica dioica(ネトル)の葉に黒い棘の生えた幼虫が食事中。
一匹だけならつくづく眺めているけれど、その2,3本先のイラクサにはウジャウジャと絡んでいたので、
思わず引いた。どうもウジャッと固まる様子は苦手だ。
しかし彼らは美しい翅で舞い飛ぶTagpfauenauge(Inachis io、和名:孔雀蝶)の幼虫だ。
寄るな触るなと言わんばかりの禍々しい様子からあの美しい翅に変わるのだ。
金: 金色のボタンのようなヨモギギクが群れ咲いていたので
草木染の実験をまたしてみたくなって集めようかと傍に寄ったが、
展覧会の準備を放り出してそんなことをしている暇はないのだ
と言い聞かせ出した手を引っ込めた。
黄: セイタカアワダチソウも一群れ咲き始めようとしている。
これも美しい黄色が出るなあとまた脚を止めては考える。
後ろ髪を引かれながらも諦めて帰ろうとすると、
黒に赤: Daucus carota(黒人参またはノラ人参)の花に
美しい石細工のようなアカスジカメムシが休んでいた。
(腹側も水玉模様でお洒落だ)