散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

昨日はあまりに天気がよかったので。。。。

2010-09-24 12:00:51 | 美術関係
天気がよかったので外に出たくてうずうずしていた。
。。。というより「行かなければ」という強迫観念も少し混ざっていたような気もする。
最近部屋の中を歩き回る以外、動くかず仕舞いだったのだ。

Tシャツ2枚にデニムのジャンバーを羽織っていたら暑くて、すぐに上着を脱ぐ。

久しぶりにのんびりした気分になった。
時間が無いとかそういう問題ではなくて、しばらく周りの空気に同化しながらのんびり漂うということが出来ないでいた。
散歩していてもいつも頭の隅に必要か不必要かわからないけれどもやけに忙しく働いている部分があって、落ち着かないという気分だった。
ぼんやりというのとも違う、心地よい感じ。

そんな幸せな木曜日の昼、足の向くままに”Nam Jun Paik”の展覧会を観ることに決めた。
パイクの作品と人物については大まかなことしか知らなかったのだが、沢山の資料と作品を並べて見せられることで今まで見えていなかったものが見えてきた気がする。
今更なのだがパイクは音楽を作りたかったのだということがわかった。。といっても実のところよく理解できたわけではない。
作品はもとよりこの作家自身を同時に観る必要があるのだろうか。

メディアアートは間口が広いだけに難しいジャンルだ。
白いテントの中にいろいろな光の線が踊るインスタレーションがあった。
テントの下におかれたマットレスの上に思い思いに寝転んで光を追う。
来ていた若者たちはひとしきり眺めた後
「ふうん。。。いまどきの若者には、こればかりのことじゃ驚きもしないよね、近所のディスコで見慣れているもんね」
と、言い合いながら去っていった。





観終えてから外に出るとまったりとした陽射しにのんびりした気分が更に包まれて、中庭に置かれた寝椅子で日光浴を楽しんでいる人たちの間に混ざった。
これは美術館の用意した寝椅子で歩き回って疲れた脚を休ませるのに実に具合がよい。
しばらく噴水の飛沫を受けながら新聞をちらちら読んでいると眠くなってくる。
。。。噴水のあがった先端が踊り始めた気がする。
そのままうとうと眠ってしまうのはまずいので、また歩き始めた。
ライン川岸のプロムナードに並んだ飲食店は軒並み賑わっていた。
そこをテクテクとまっすぐ歩いてゆくとKITというギャラリーにぶつかる。この展示場は魅力的だけれど、面白ろ過ぎて案外難しいかもしれない。
案内の写真を見てちょっと興味をそそられたのだったが、それほど私のアンテナは反応せず。一回り歩いて再び外へ出た。

そこからStadtmuseumの中庭のがどうなっているかを点検。街の中心部に隠れた秘密の庭のたたずまいなのだ。咲き終わりかけたバラがそれでも彩を添えている。

旧市街の市場も点検し、評判でいつも混んでいるパン屋でパンを買い帰宅。



何でも無い一日を上手に楽しめた日というのは、得した気分でとても嬉しい。