2166冊目はこの本。
二松啓紀『移民たちの「満州」 満蒙開拓団の虚と実』(平凡社新書、2015年)
先月読んだ本の締めくくりはこの本。
かつて京都府内から満蒙開拓団として送り出された人々のことを連載記事に書いた新聞記者が、その連載終了後も資料を読み直したり、取材を積み重ねて、新たに書き下ろした本。なかなか、読み応えがあります。
それとともに・・・・。日本国内の農村の諸問題の「解決」策として、日本各地の農村から旧・満州各地に送り出された数多くの人々。その旧・満州各地では、地元の中国人らを追い出したり、破格に安く買い上げた農地に入植し、作業に従事することになるが・・・。今度はソ連参戦後、ソ連軍や中国人らの攻撃にさらされ、身ぐるみはがされる形で帰国したり、旧・満州で徴兵されてソ連軍とたたかい、シベリアに抑留される人々も出る。そして日本に帰国後も苦難の生活を歩まざるを得なかった人々も多い。これが日本の植民地政策の実情だったのだ・・・ということも、この満蒙開拓団に関する著者の研究からはわかります。