http://www.city.osaka.jp/kyouiku/press/h20/press080731.html
さっき(1)を掲載した、「大阪市教育改革プログラム・重点行動プラン2008-2011(案)」(以下「重点行動プラン案」)への意見の続きです。(前回と同様、誤字なども適宜あるかと思うのですが、そのまま、引用しておきます。また、目立つように、意見募集で書いたことは黒字にしておきます。)
このブログによくアクセスしてくださってる方にとっては、あらためていうまでもないことですが、下記(9)の項目は、「子どもの体験活動機会の充実と、その分野での青少年活動施設・団体など社会教育関係の取り組みとの連携の充実。これを市教委の重点行動プラン案に入れるのなら、市教委は今、すすめられている野外活動施設の縮小とか、青少年活動施設の整理・統廃合といった、大阪市の行財政改革の動向に対して、『それはおかしい』といわなければいけない」ということです。
また、今はこども青少年局の事業に、かつて大阪市教委が担当していた青少年社会教育の多くの取り組みを移しているのであれば、この「重点行動プラン案」をつくるにあたっても、市教委とこども青少年局との内部調整が必要だったのではないか、それがどの程度おこなわれたのだろうか・・・・、ということも感じます。
<以下、前回掲載した意見の続き>
(5)(4)までは基本的な「重点プラン」の骨組みに関する疑問だし、これだけでも大きな課題なのだが、それ以外に、個々の内容に関わっても、いくつかの疑問がある。
(6)まず、「全教科において言語力を育成する観点」というのであれば、「理科教育の充実」ということに関しても、「外部人材の活用」「教員の理科指導力向上」とともに、「理科・科学に親しむ読み物教材の開発」という項目があってしかるべきではないのか?
また、小学校教員には「理科の専門性」よりも前に、「理科・科学の世界に対する子どもたちの興味・関心を高める工夫」が求められるのではないか?
理科に関する教員の「指導力向上」の内容をもう少し、検討してほしい。
(7)次に「即戦力となる優秀な人材の確保」=「大学生」対象の教師養成講座という、短絡的な発想はやめていただきたい。
要は教員の年齢構成のアンバランスを改善したい、そのために「即戦力を」ということ「だけ」がねらいであれば、むしろ現在30代~40代くらいの、社会人経験者で教員にふさわしい人材をリクルートしてきたほうがよい。そのほうが学校が活性化するのではないか。
たとえば(6)で書いた「理科の専門性」を高めたいのであれば、中途半端に外部人材を活用するより、すでに民間企業や大学等の研究機関で活躍中の理系の研究者に、さまざまな形態で学校現場の教員になってもらうことを考える道だってあるはず。
あるいは、教員が幅広い視野で現代社会・文化の動向をとらえ、多様な保護者・子どものニーズにこたえたり、地域社会の多様な人々と交流しながら教育活動を進められるようになるためには、若い頃から学校の枠を離れて、いろんな社会・文化的活動の場に顔を出し、多様な人々と交流したほうがいいだろう。そう考えると、「大学生」の頃から教員志望者を囲いこむような発想は、それと全く逆を向くものでしかない。
(8)「学校の教育力向上」という観点から教員の「研究活動への支援」というのであれば、「まずは教員をしっかり休ませること」「研修時間の確保」が必要。
と同時に、「教員をしっかり休ませること」「研修時間の確保」ということは、「学校の現場支援」という観点から見ても重要で、そのことによって何人かの教員のメンタルヘルス向上につながるはずである。
逆にいうと、この何年かの間で教員の勤務条件が過重になっているのであれば(「学校の現場支援」で書かれている「現状と課題」は、そういう内容である)、その条件改善こそ教育行政が真っ先に取り組むべき課題であろう。
(9)「多様な体験活動の充実」というところで、市教委「重点プラン」は、「青少年施設や美術館・博物館等の社会教育施設、地域での子ども会活動など、社会教育施設・団体等と連携し体験活動の充実を図る」と書く。
だとしたら、現在、市長が提案している「経費削減の取組について(素案)」のなかで、青年センターや野外活動施設、さらに「もと青少年会館」が整理・統廃合されようとしていることをどう考えるのか。
また、前市長期以来の児童館・トモノスの廃止、青少年会館事業の解体などの動向については、市教委としてはどのように考えるのか。
さらに、大阪市としての学校外における子どもの体験活動の提供が、こども青少年局から実施の「こども体験プログラムデリバリー事業」だけでは不十分なのではないか。
そして、現在、大阪市内で活動中の民間学童保育や地域子ども会等の取り組みに対して、大阪市としてはどのような施策を通じて支援を行うのか。
(10)「伝統や文化に関する教育の充実」を本当に学校において活性化するには、まずは学校の教員が、自分の勤務校の周辺地域の伝統や文化などについて、積極的に学ぶ機会を確保することが必要ではないのだろうか。そのためにも、研修のための時間確保等、何らかの取り組みが必要だと思うのだが。博物館や美術館の所蔵品と、これをもとにした副読本だけが「大阪らしさ」を学ぶ題材ではないだろう。
(11)「食に関する指導の充実」や「中学校昼食事業」も、よく読めば「家庭での弁当づくり」に向けての啓発・支援と、「民間業者による昼食提供」の話で終わるのか。
それだったら、市内の一部中学校で実施してきた学校給食を全校実施し、栄養教諭等による指導が行える体制にしたほうが、よりすっきりする。
<次回に続く>
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