できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大丈夫なんだろうか?

2008-09-27 17:56:28 | ニュース

久しぶりの更新になります。まだ本業の重要な仕事が片付いていないのですが、出席予定だった研究会を2つキャンセルして時間を確保したのと、いま、ひとつ大事な仕事を終えたので、その分、気持ちに少し余裕ができました。ですから、最近の情勢について、何か書いておきます。

さて、今日はまず、この記事から。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080927-00000004-maip-pol (中山国交相 与党内に更迭論強まる 解散日程にも影響か=毎日新聞のネット配信記事、ヤフーから)

麻生政権発足時にたぶん、国政与党は組閣にあたって、いわゆる「身体検査」というのを入閣予定者に対してやったのではないか・・・・、と思うのです。でも、例えば事務所経費問題とか政治資金の問題などでのチェックはしたかもしれないけど、おそらく、失言の問題だとか、歴史認識だとか、政治情勢に対する判断の問題といったことは、やっていなかったのではないでしょうか。もしくは、政権の中枢に位置する人たちは、この大臣と同じような価値観の持ち主なのか。そのどちらかでしょう。いずれにせよ、「大丈夫かな、この人たち?」と思ってしまいました。

なおかつ、次の記事になるわけですが。

http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY200809260383.html (「日教組強いと学力低い」中山説、調べてみれば相関なし=朝日新聞のネット配信記事)

この朝日新聞の記事を見ると、ますます、「大丈夫なの、この人を大臣にしていて?」と思ってしまいました。この間、事実をきちんと調べたことすらなかったのかな・・・・、と思いますね。

おまけにこの人、自分が文部科学大臣のときに導入しようとした全国学力テストを、この記事によると、<中山氏はインタビューで、自説が確認できたとして「学力テストを実施する役目は終わった」とも話した>とのことだから、「もう、全国学力テストなんて、やめていい」ってことを、導入した側にいる人自体が認めているわけですよね。ほんと、「大丈夫なの、こんなこと言っていて・・・・?」と思いますが。

そして、こういう大臣の発言を前にして、いよいよ、この人の話です。

http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY200809260374.html (国交相発言「本質ついてる」 橋下知事は擁護論=朝日新聞のネット配信記事)

国政与党のなかからも更迭論が出たり、「大丈夫なの、この人?」と思われているかのようなあの大臣を、一生懸命、擁護しようとしているんですね、橋下知事は。要するに、「自分に反対する勢力はうっとおしい、その気持ちはわかる」という次元での擁護論なのでしょうか?

おまけに、橋下知事はこういう議会答弁もしているようです。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200809260061.html (橋下知事、隠し撮りは「府民から喜ばれている」=朝日新聞のネット配信記事)

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200809260025.html?ref=recc (小泉元首相引退に橋下知事「僕の改革なんてハナクソ」=朝日新聞のネット配信記事)

この2つの記事を読んで、私は正直、「大丈夫なの、この人?」と思いました。だいたい、この記事だと「府によると、隠し撮りが発覚した今月6日以降、府民らからの関連メールは61件で、うち44件が批判的だった」とのこと。ということは、橋下知事には批判的な意見が多く寄せられているのに、どこで「府民から喜ばれている」と判断したんでしょうか? これだと、「自分に都合のいい話を、都合のいい形でまげて理解する人だ」といわれかねません。そういう理解をされると、橋下知事自身が損すると思うのですが・・・・。

そして、橋下知事就任以来のこの数ヶ月間行われたように、大阪府政改革に関して、マスメディアで過激な言葉を使ったり、反対勢力とのバトルなどの派手なパフォーマンスをして、世論を自分にひきつける手法。それは、彼が大絶賛する小泉元首相の手法とも似ているかもしれません。しかし、その大絶賛する小泉元首相も、つい先日、政界からの引退表明をしました。また、この何年かたち現れている政治・行政上の諸課題は、小泉政権期の改革が生み出した矛盾とか、改革手法の限界とかを示しているのではないでしょうか。

特に、マスメディアを使って世論をひきつける手法の矛盾や限界は、今や、国政与党や政権内部に逆風がむかう形で噴出しているのではないでしょうか。だからこそ、テレビや新聞などが注目しているところで出た一閣僚の不用意な発言、思慮に欠く対応などが、あっというまに「失言」として報道され、各界からの閣僚更迭意見や新政権への批判としてやってくるわけです。

本当に政治情勢が見える人であれば、今や、過激な言動で人目を引いたり、派手なパフォーマンスにものを言わせて世論を動かそうとするようなことも、もはやしないだろうと思います。また、人目を引くパフォーマンス頼みで政治をやっている限り、逆にひきつけたその人目が自分を監視し、批判し、非難し、罵倒する方向にいく危険性も覚悟していないといけません。あまりつまらない発言をくりかえしたり、支持すべきでない人を支持したりしていると、かえって、見ている人が「引く」ということも考えていないといけないでしょうね。そうなると、パフォーマンス頼みの政治家は、かえって支持を失うことになるでしょう。

そして、私としては、本当に今の政治情勢の見える人であれば、そういうパフォーマンスに頼るのではなく、行政や学校の現場で働く人びとや、住民とのきちんとした対話にもとづいて、あるいは各政党の議員間の意見交換などを通じて、自らの所信をきちんと説明し、きちんと人の意見を聴いて対応するのではないか、と思います。また、改革プランの問題点を洗い出し、直すべきものをなおし、場合によれば引っ込める決断ができる人も、本当にその時々の政治情勢が見える人なのではないか、と思います。

ですから、私としてはぜひ、この際、橋下知事には、下記のような意見に耳を傾け、自分の方針をあらためるような見識を持ってほしいと思います。

http://mainichi.jp/area/osaka/archive/news/2008/09/25/20080925ddlk27100498000c.html(全国学力テスト:府教職員組合の新居委員長に聞く 総合的施策で格差解消を/大阪=毎日新聞のネット配信記事)

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