今日の夕方6時15分から、大阪・毎日放送の番組VOICEで、アメリカの「落ちこぼれゼロ」法後の教育の状況を取材した特集が流れました。今日はワシントンDCの教育改革の状況、あしたはニューヨークの状況のようで、2日間続けてこの特集があるようです。
ちなみに、このワシントンDCの教育改革というのが、番組を見ると、まさに「学力向上」のために教育目標を設定し、学力テストなどでその達成度を測って、達成できていない学校を閉じたり、その達成に力を発揮できない教員を解雇するといったもの。「これって、大阪の教育基本条例案が目指そうとしている方向性と似ているのではないか?」というのが、おそらく、この番組の取材チームの意図でしょう。
それで、確かにこういう教育改革をするなかで、一時的には学校の雰囲気は変わって、学力は向上した面もあったようです。しかし長い目で見たときには、この教育改革、学校のリストラや教員の整理解雇にだんだん重点がシフトしていき、たとえばベテランの教員が辞めさされたあとに補充がうまくいかなくなり、教員不足が生じるなど、かえって教育環境が悪くなったとか。その結果、逆に学力低下を招いている面もあるようです。
この特集の最後のほうで、アメリカの教育学者であるダイアン・ラヴィッチに、大阪の教育基本条例案の英訳を読んでもらうシーンがありました。彼女はその英訳を読んで、「罰・罰・罰」で「自分が教員なら、ここから逃げ出す」という趣旨のコメントをしていました。また、「落ちこぼれゼロ」法以降の教育改革についても、結果的にそれが教育財政の削減などにつながり、失敗したのではないか、と彼女は述べていました。
この特集、少なくとも今日の分を見るだけでも、「なかなか、毎日放送、よくやったじゃん」と思いました。あしたの分も録画してみようと思っています。と同時に、今度は新聞や雑誌などの活字メディアで、このアメリカの教育改革が結果的にどうなったのかを紹介して、映像ではなくて文字媒体できっちりと記録に残していくこと。また、映像メディアで今日のVOICEのように流れたニュースも記録して、いろんな場で見ることができるようにすること。そのことが大事になってくるかと。少なくとも、今日、このVOICEの特集を見た人が、ブログやツイッター、フェイスブック、さらには口コミ等々、いろんな場面でこの大阪の教育基本条例案の問題にひきつけて、「アメリカで失敗した教育改革のマネしてもしょうがないよね!」ということが大事だろうな、と思います。
あらためて今日は、このVOICEの特集を見て、「落ちこぼれゼロ」法的な教育改革を目指す大阪の教育基本条例案がいかにダメか、いろんな観点から情報を発信していくことが大事だと思いました。