お盆の14日、15日は檀家さんのお宅に棚経に伺います。
どのお宅でも、仏壇や別にこしらえた精霊棚を作ってお盆を迎えます。
それぞれのお宅で若干違いはあるものの、テーブルや仏壇に真菰(まこも)をひいて、その上におがらで足をつけたきゅうりの馬と、ナスの牛を飾ります。
他には、花や果物、安倍川餅をお供えするお宅も多いようです。
もちろん、灯明と線香・香炉は必須です。
昔ながらの水の子などはほとんどなく、ずいぶんと簡略化しているようです。
きゅうりの馬とナスの牛をお供えするのは、ご先祖様がきゅうりの馬で急いでお宅に帰ってきて、ナスの牛でゆっくり帰る為です。
安倍川餅は私の想像ですが、たぶん昔お餅や甘いものがご馳走だった時代、お宅に帰ってこられたご先祖様に対するもてなしとして供えられたのではないかと思います。
この、きゅうりの馬とナスの牛、おがらの足が長かったり短かったりするものの、形はほとんど同じです。
しかし、若干の違いと言えば、手綱が付いているかどうかです。
手綱の材質はゆでたそうめんやほうとうの生麺などです。
あるお宅では、お子さんが「たくさんご先祖様が帰ってくるのだから、手綱もたくさん必要だよ」といって、きゅうりにもナスにも何本も手綱をつけてくれたところもありました。
一本のきゅうりに何人ものご先祖様が相乗りする様子が目に浮かぶようです。
子供の想像力はすごいですね。
きっとそのお子さんは、思いやりのある優しい大人になってくれることでしょう。