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クリード 炎の宿敵

2019年01月20日 | 映画

遅くなりましたが、風邪をひく前に見に行った本作...。

ロッキーの盟友アポロの息子アドニスと、アポロを死に追いやったドラゴの息子ヴィクターの宿命の対決を描きます。

クリード 炎の宿敵 (Creed II)

アポロの息子アドニス(マイケル・B・ジョーダン)が、ロッキーに指導を仰いでプロボクサーとしてデビューを飾った前作「クリード チャンプを継ぐ男」。

本作では「ロッキー4 炎の友情」でアポロを死に至らしめたロシアのボクサー、イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)の息子ヴィクター(フローリアン・ムンテアム)が、父の雪辱を晴らすためにアドニスに勝負に挑みます。

ロッキーのシリーズはたぶん全作品見ていますが、特に冷戦時代を舞台にした「ロッキー4」は、ドラマティックで心に強深く刻まれています。思えば、アポロの息子アドニス・クリードがプロボクサーになった前作を見た時から、いつか今回の対決があることを予感していたような気がします。

というわけで楽しみにしていた本作。意外とシアターがすいていて拍子抜けしましたが、個人的にはとっても楽しめました。結果は予想がつくし、一度勝負を持ち越し、心と身体のを鍛えてからの復活、という展開はお決まりではあるけれど

だからこそ安心して泣けるし、素直に感動できるというのがこのシリーズ。もはや歌舞伎や時代劇の人情話の域に達しているといっていいかもしれません。

序盤、アドニスに請われて、ロッキーがエイドリアンへのプロポーズの思い出を話すところから、泣けて泣けて...。アクション俳優として超一流のシルヴェスター・スタローンですが、ドラマの演技にもなんともいえない深みがあって、彼が何か話すたびに心が震えます。。

友情、ライバル、師弟愛、夫婦愛、そして親子愛。さまざまな愛が描かれている本作ですが、親から子、そして孫へと、時代と世代を超えて引き継がれていく大河の物語でもあるのですよね。

愛情に恵まれ、満ち足りた人生を送ってきたアドニスと対照的な、イワンとヴィクターの父子の物語にもぐっときました。国家を背負って戦って敗れたイワンのみじめな人生。その父の雪辱を果たすために復讐マシンとなるヴィクター。筋肉隆々の体に秘めた深い悲しみにぎゅ~っと心が締め付けられました。

タオルが新旧2つの物語をつなぐキーアイテムになっていてのも心憎かった。肉体と強い心だけを武器に戦う男のドラマを堪能しました。

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