横浜焼売(シウマイ)物語2024

2年ぶり再開。ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛。落語らぶ。晴れ時々ランニング、更新随時

福島県立美術館常設展にて

2013-09-24 | 旅行、おでかけ


信夫山の麓に建つ、県立美術館です。


直射日光が展示物に当たらないように採光に工夫があります。
特徴的な吹き抜けの天井。


1階は若冲の特別展示、常設展示は2階です
展示会場は大きくわけて4室。

1室と2室は地元の作家。日本の作家。
1室はテーマ展示.私が行った時は『動物』でした。
2室には、地元出身の版画家、齊藤清さんと、彫刻家、佐藤朝山さんをメインに。錚々たる明治以降の日本の油絵画彫刻作品が並びます。

版画家の齊藤清さんが、福島県会津の出身だという事も初めて知りました。
今回の若冲展を福島に招致するについて、かつて故齊藤清さんとプライス夫妻の交流があったことも大きな一つの牽引力だったそうです。

名前は知らなくても、この猫の版画は見た事ある人多いでしょ。

3室4室が美術館所蔵の世界の作家。
ルノワールやモネの小品、レジェ、シャガールetc.

正直ここで、アンドリュー・ワイエスベン・シャーンに会えるとは想像していませんでした。

ベン・シャーンに関しては、2012年に日本で開催した回顧展の巡回予定美術館のうち、アメリカから貸し出される予定の70点について福島だけは貸し出しを断られた、という経緯があったのです。(恥ずかしながら、この件についてはつい先日知りました。)

4室にはマックス・エルンストの版画集<博物誌>から、一連のリトグラフがずらり。
4室は細長い廊下のような形状です。入館者はちょうど渡り廊下を通るような感覚で壁面の作品を眺めるようになります。
心理的に、ここは駆け抜けたいという衝動に駆られるのでしょう。ちょうど課外授業にきていた小学生のグループに遭遇。
元気一杯の彼らは、ここを歓声を上げて走り抜けようとしていました。
後ろから楽しげな足音が近づいてきます。しかし、それは、一枚の小さな作品の前でピタリと停まりました。

その作品のタイトルは『地震』
半円形を組み合わせ、波動を描いた小さな作品ですが眺めていると、振動がどんどん外に広がって行く感覚があります。

「地震だって」「地震だ」「地震…」。
そしてひと呼吸おき、黙って静かに立ち去って行きました。

後から来たグループも同様に。

福島の現実の一片を、ここでもかいま見た気がしました。



福島県立美術館常設展については、こちら:http://www.art-museum.fks.ed.jp/exhibition/jousetsu.html