@米国のユニコーン、Uber & Airbnb (タクシー配車サービス&民泊サービス)は代表的なアップスターツ企業である。如何にして立ち上げ、僅か7〜8年で超一流評価の企業に成長したのかがここの書にある。 Uberの創設者トラビス・カラニックの言う「出来るのか、と問うな。どうすれば出来るのかのみを問え」は、正にアントレプレナーシップ的発想と力強い行動力を持った言葉だ。ここ日本においては、まずはできない理由を淡々と並べ立て挑戦しようとしない、リスクを取りたくない姿勢を見せる中堅が富に多いと聞く。外資系に長期勤務した経験から、上司からの命令に対しては必ず「どうすれば遂行・実行できるのか」を提案する事を要求される。その後疑問を提出するが、決してできない理由等を提出しない事が鉄則だ。そうした場合、できる人材にその命令が渡され二度と命令されなくなる。超ドライな経営的判断をする。生かされる人材との差はここに明確に出る。
さて、このUberとAirbnbは規制当局との難交渉をどの国でも繰り返しおこなっている。その都度歩み寄り、その国にあった新たな規制を作り上げのし上がってきた。「トラビスの法則」(文中説明)もその解決方法の一つとしてここにあるが既得収益社との対立は新たな市場を築くが、果たしてそうなのか疑問を持った。それは、携帯を利用した最速便利なアプリがあることで両社とも相当な収益を上げ、大企業化している。また利用者も便利で安いと評価が高いとあるが、特定の市場規模は短期間でそんなに膨大に膨れ上がり儲かるはずがない、誰かが損をしているはずである。あるいは廃業に追い込まれ職業を変えるはめになっているはずだ。私の言いたいことはこれからの職業は選ぶより選ばれることを先に考え会社を選ぶべきだと。
『UPSTARTS』ブラッド・ストーン
- Uber とAirBnBは桁違いの成功をこう手に入れた
- Uber2009年、Airbnb2008年設立、2社で10兆円の評価額
- 「ユニコーン」とは10億ドル以上に評価されたテクノロジー系のスタートアップ
- 発想は「スマートフォンのボタンクリックで車を呼ぶこと」
- 大統領の就任式でタクシーが捕まらないことを不満に思った
- 職業運転手免許は十分な訓練と身元保証、さらに相当の費用
- 「007カジノロワイヤル」の発想
- タクシー事業者と立法府からの反発と暴力的な運動
- 世界の情報を整理して誰にでもアクセスできるようにすること
- 支出の大幅削減、リスク低減、負債の削減の時期だった
- 投資家との相性は必須(シリコンバレーでの常識)
- 「規制との戦い」
- 法律に直面
- TAXI・宿泊不足
- 住宅不足で価格宿泊税を含む高騰化
- 「悲しみの谷」起業で起こる段階(挫折時期)を超えること
- 「トラビスの法則」とは
- 大量のユーザの声を集め既得権益を破壊すること
- Uber
- 黒タクを手配したがコスト高
- 「類似サービスの存在確認」(調査時間5時間)
- 「後方業務と実現性」(調査時間10時間)免許取得時間
- 「タクシー業界」(調査時間5時間)機能ソフト・自動化手順
- 「高級志向か効率思考」選ぶ・結果「効率」を選ぶ
- 一番近いタクシーを見つける技術開発が難しかった
- 最初のPRタイトル
- 「ウーバーキャブはみんなのお抱え運転手です。iPhoneとショートメッセージを使い、オンデマンドで個人の車を配車することにより、タクシー不足を解消します」
- リムジン・ハイヤーの運転手を味方に、州政府・管轄市への協議を申し入れる
- NYでは当初100台あまりで大赤字、2016年には3万5千台となる(当初はタウンカーでの営業のみ)
- 「三人体制」の事務所、第3の拠点でシアトルを選び人選
- 事務所長=起業家精神にあふれ、積極的、臆することなく規制当局と対応出来る人材
- 業務マネジャ=運転手を採用、アプリ起動とクルマ管理ができ経営コンサルタント的で投資銀行職員のような分析者
- コミュニティーマネジャ=利用者の需要を喚起するタイプ、クリエイティブでマーケティングが得意な人材
- 「出来るのかと問うな、どうすれば出来るのかのみを問え」
- ヨーロッパに強豪=ブラックキャブのアプリで集客が米国へ
- アプリDLが20万回、運転手2千名
- ツイッターで利用者を動員、市議が疑問を呈する
- 「問題の核心は人々の進歩を政府がどこまで感じ取り受け入れるか、それで既存産業が政府などを説得することだ」(政府が市民の声に耳を傾けなければならない世界となる)
- 「ライドシェアリング」のリフトとサイドカーの参入
- 2014年28ヶ所、利用回数2億回、6千名
- 2016年450都市、利用回数20億回、社員数8千名
- 問題点は行政とのパイプを作らず銃を振り回すことだった
- カラニックの仕事の哲学
- 顧客にこだわる(顧客にとって一番いい事を出発点)
- 魔法を生み出す(長期打開策を探す)
- 大きく大胆にかける(リスクを取り、種を蒔く)
- 裏返して見る(現実のギャップを見つける)
- チャンピオンの心構え(全力で逆境に争いゴールに導く)
- 楽観的なリーダーシップ(示唆と刺激を与える)
- 超気合い(情熱を持つ)
- オーナーたれ、借り物はやめろ(心から信じるものが革新をなす)
- 実力主義・出る杭となれ(最後は一番いいアイデアが選ばれる、真実を犠牲にしない事、疑問を呈する事)
- 作り手に作らせろ(餅屋は餅屋に任せろ)
- 頑張り続けロ(頭を使って一生懸命長く働け、効率を上げ3分の2で満足するな)
- 都市を愛でろ(都市をより良い場所にするのが仕事だ)
- 自分らしくあれ(心を偽るな)
- 信念を持って対決しろ(未来を呼び込むには世界やその仕組みを変えなければならない場合もある)
- 中国市場ディディとの最終交渉
- ウーバーはディディーの17%の株と10億ドルの投資を受け取り中国市場撤退
- 信頼関係等からトラビス・カラニックは退社
- 人間関係と攻撃的な戦略は長続きはしない
- Airbnb
- 発想のきっかけは、サンフランシスコでデザイン会議に参加、しかしホテルは満杯、部屋をシェアーし他の参加者も利用してもらう
- 6つの価値・ミッション
- 「ホストになろう」
- 「途中もすべて大事にしよう」
- 「シンプルにしよう」
- 「冒険を受け入れよう」
- 「シリアル・アントレプレナーになろう」
- 「ミッションの戦士になろう」
- 成功飲み込める投資:安全性・国際競争・帰省・経営陣の採用
- 最大の危機:盗難強盗に狙われた人への補償不備
- その後上限補償を100万ドルとした(ロイド保険)
- 賃貸者:ちょっとしたハグだが心のこもった事業だと感じさせた地域のコミュニティーイベント
- 2016年社員数2600名、半分以上が1年未満の新入社
- ビジョン
- ホストとゲストの間に特別なつながりを作る事
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