私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

「レイクサイド」 東野圭吾

2013年06月08日 22時51分20秒 | 読書感想
東野作品のなかではあまり有名ではないかもしれませんが、個人的には結構好きです。

本格派というか、正統派な感じがします。

この小説は広い意味で「クローズド・サークル」になるだろうと思います。

クローズド・サークルもののミステリーはそこまで好きでもないんですが、この小説は良かったです。

おもしろい事件のトリックなどではなく、おもしろい事件の裏側、事件の真相みたいなものを考えさせたら、この人の右に出る者はいないんじゃないかな、って思えます。

「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 歌野晶午

2013年06月08日 00時41分48秒 | 読書感想
この本は2007年の1月に出版されています。

筆者がこの本を書いてる時って、スカイプみたいなビデオチャットってどのくらい世間に浸透してたんだろう。

なんて思ったりします。


ウェブカメラを使用したビデオチャットでのやり取りが主軸になっているので、当然会話が多い。

会話劇といっていいかもしれません。

最初のミッシングリンクの事件(というか問題)は、正直あまりおもしくありませんでした。

なんせ長い。

無駄に次々、淡々と、殺されていってるだけって感じでした。

読者として一緒に問題に挑戦しようって気にもならないし、答えがわかったところでこれといった驚きもない。

こんなんがこのあとも続くのか。

それなら。

私は心のどっかで、この殺人ゲームを楽しむ5人が警察に追われ、ギリギリのところで上手く逃れるか、あるいは捕まってしまうか、結末はどちらにせよ、とにかく「5人対警察」というふうに話が展開されることを期待していました。

結局最後までそういった展開はありませんでした。

しかし、中にはおもしろい事件(というか問題)もありました。

「求道者の密室」や、なにしろ「密室でなく、アリバイでもなく」です。

「密室でなく、アリバイでもなく」は、このビデオチャット上での殺人ゲームという設定だからこそ楽しめるお話です。