海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

上海音楽庁で上海民族楽団のコンサートを

2018-07-16 | 写真日記

上海音楽庁の天井

 

7月14日は、上海民族楽団の指揮者の彭菲さんから招待されてアシスタントと二人で上海音楽庁のコンサートに行ってきた。この上海音楽庁は、租界時代に南京大戯院(映画館)としてオープンしたのだが、内装が素晴らしいのと規模がさほど大きくないので親近感があり上海のコンサートホールの中で私が一番好きな場所なのだ。この日のコンサートは素晴らしいの一言で、あっという間に時間が過ぎてしまった。特に古琴と琵琶のソロは感動もの。

上海民族楽団は私の住む新華路の自宅から歩いて数分の場所にあり、このコンサート当日の前日に練習風景も見た。中国の楽器は二胡や古琴や琵琶などは知っているが、今までに見た事がない楽器もあり見るだけでも楽しめた。そして、やっぱり日本の和楽器は中国から流れてきた物が多い事を再確認。

私が中国の民族楽器とその音楽を知ったのは25歳でスタジオマン時代だった。1981年にジャン・ミッシェル・ジャールが、中国に初めてシンセサイザーを持ち込みコンサートを開催した時のライブレコードを聞いたのが始まり。このライブレコードは、中国の民族音楽オーケストラの録音や街で拾った市民の声などがコラージュされたドキュメント風アルバムだった。実は、私の上海の写真集「消逝的老街1996-2000」に、街で拾った音源CDを付録で付けたのは、ジャン・ミッシェル・ジャールの影響なのだ。

 

 

Nikon F3とNikkor18mm f4(フードの形状から推測) YouTubeより

 

上海のショーウィンドウ(1981年) YouTubeより

 

1981年に撮影されたJean Michel Jarreの「The Concerts in China」は、ドキュメントフィルムとしてYouTubeで見る事が出来る。当時の中国人は、生まれて初めてシンセサイザーの音とレーザー光線の演出に度肝を抜かれたと何かの本で読んだ事がある。この映像の中でオフィシャルカメラマンがNikon F3を使っている場面とF3のシャッターとモータードライブ音が度々聞こえてくるのだが、今聴くとなぜかそのシャッター音が物悲しく聞こえてくる。そして、この映像の中で聞こえてくるそれらの音は完全に映像に溶け込んでいて心地よい。これがFやF2だと、シャッター音が甲高くて攻撃的なのでこの映像には似合わない。

このドキュメントは北京と上海の3部構成になっていて、とても良く出来ている貴重な映像だ。

★The Concerts in Chinaドキュメント→ココ。必見だよ。

X-Pro2+XF10-24mm f4(久しぶりに)

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする