海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

2010年蘭心大戲院で

2021-11-25 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

蘭心大戲院で能舞台

 

上海花園飯店前から蘭心大戲院を

 

当時のポスター

 

11年前に、歌舞伎の坂東玉三郎・京劇の梅葆玖(梅蘭芳の息子)・能の関根祥六の3人が同時共演した蘭心大劇院。2010年の上海万博の時の特別公演だが、日中の文化歴史に残る大イベントだった。私は公式カメラマンだったので、3日間すべての舞台に立ち会えたのは幸運。

その2年後に、反日デモが再び中国全土を襲う。この頃から、政治やマスコミや広告撮影に関わらない生き方をするために、撮影仕事は自分から選ぶと同時に、撮影にしがみつかない生き方が始まった。その後、撮影機材開発アドバイザーとして商品開発をしてきたが、中国でよくある部品の横流しのコピー商品などで壁に。

新型コロナ問題を境に、食える会社とそうでない会社の二つに分かれた。写真から動画に移行する時期も重なり、従来売れていた商品がまったく売れなくなったり、品質管理がまともに出来る会社が少しづつ増えて、コピーしか出来なかった会社が淘汰。欧米の撮影周辺機材の一流ブランドも、パーツは中国で製造したり、OEM供給している商品が多い事を知らない日本の業界関係者が多いのは、現地の工場まで足を運ばない日本人がほとんどだからだ。

デジタル時代になり物事の価値観も、あっという間に変わってしまう。その良い例が、今の中国だ。日本に戻ると「なんで上海に住んでいるの」と聞かれる事が多すぎるが、答えは「面白いから」と答える。それ以上、説明しても理解してもらえないので、その話題は避ける事にしている。それは、日本のマスコミ報道しか見てない人に説明しても理解してもらえないからだ。

6月に3ヶ月ほど東京に帰国したが、コロナの影響もありほとんど人に会ってないのは、話の出来る人が減ったのも理由のひとつ。そして、潔癖になり過ぎた東京は、なんだか息苦しい。

コメント (2)
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