名もなき者(公式YouTubeから)
一昨日、二子玉で映画「名もなき者」を観た。今の若い人達がどのくらいボブ・ディランを知っているかどうかは知らないが、私の世代より上の人は誰でも知っているフォークの神様で、2016年にミュージシャンとして初めてノーベル文学賞を受賞。今の若い人達はボブ・ディランを知らなくても、曲を聞けば分かる人も多いと思うけどね。彼の曲は永遠に残るだろうが、予定調和に流されない生き方も素晴らしい。天才って、こういう人の事を言うだろうなと思わせる。この映画の中でジョーン・バエズが出てくるが、私にとっては映画を観ながら当時の記憶がフラッシュバックし自分の体が自然に揺れた。人間の脳の中には様々な過去の記憶が蓄積されているが、音や匂いなど五感を頼りに過去の記憶が突然蘇る事も多い。私が前世紀に撮影した上海の写真集に当時の街の音を録音し付録でCDを付けたのは、そんな理由もある。私が前世紀に上海の街で拾った音は、今や完全に消滅してしまった前世紀上海の聴覚記録でもある。
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