西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

災害弱者のための支援体制①

2008-05-20 10:46:03 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

中国で発生した大地震による死傷者数が、日増しにどんどん増えています。
厳しい状況が続いていますが、一人でも多くの方が救われるよう心から祈ります。

災害は、いつやってくるか分かりません。
だからこそ、 この痛ましい大災害の教訓を踏まえ、西宮市の災害対応体制についても
改めて、真摯に考えていかなければなりません。

「災害時要援護者」という言葉があります。
高齢者、身体・知的・精神障害者、乳幼児・児童など、災害時に
援護が必要になる可能性が高いと想定される方々を指して、こう呼びます。
もし万が一、大規模災害が発生した時に、行政として求められる対応はなんなのか?
ということを考えますと、
 〇緊急時に、災害弱者への対応をしっかり行っていくこと。
 〇そのために、平常時から万全の体制を整えておくこと。
この二点が、非常に重要であることは、言うまでもありません。

内閣府発行の「災害時要援護者対策の進め方について」(以下、「ガイドライン」)
によりますと、災害時要援護者支援を考えるにあたっては、大きく
  ① 要援護者情報の収集
  ② 要援護者情報の共有
  ③ 緊急時の要援護者情報の活用
の3つの要素をあげることができます。
情報は、収集していなければ使えません。
緊急時に援護する立場の方々が共有できていなければ、
せっかく収集した情報も役には立ちません。
せっかく収集し、共有した情報も緊急時に活用できなければ、
意味がなくなってしまいます。
この三点は、言わば、当り前のことばかりだといえます。
しかしながら、この一見、当たり前に見えることを、きちんとした形で実行するために、
越えなければならない課題には、非常に難しいものが多いのです。

私は、西宮市が、この3つの課題の中で、まず、真っ先に取り組むべき課題は、
「要援護者の情報収集」だと考えています。
要援護者情報を収集する方法には、
○広報等の媒体により制度を周知し、
 要援護者からの主体的な制度利用への希望を求める「手上げ方式」
○民生委員等が戸別に要援護者宅を訪問し、制度の周知を図り、
 参加への同意を求める「同意方式」
○要援護者本人からの同意を得ずに福祉部局等において
 他の行政目的のために取得した情報を関係部局間で共有する「関係機関共有方式」
の3つの方法があるといわれています。

この3つの方式には、それぞれ、一長一短があるとされています。
例えば、西宮市では、手上げ方式に同意方式を加味した(?)「地域安心ネットワーク」
によって、こうした情報を収集していますが、手上げ方式には、
 ○実施しても、実際に手を上げる要援護者が少ない場合が多い
というデメリットが、同意方式には、
 ○行政コストがかかるため頻繁な実施が困難である
 ○民生委員等の重複した、過重な業務につながる場合が多い
 ○援護の必要性が高い方からの同意が得られない場合がある
というデメリットがあるとされています。
あえて大括りに言いますと。
この両制度のみで、情報収集に取り組んだ場合、
 ①本来、災害時に援護が必要となる可能性が高いにも関わらず、
   収集された情報からはもれる人が数多く発生する可能性が高い
 ②収集された情報の頻繁な更新が困難であるため、古い情報が、
   残ったままになるという事態が発生することが予想される
ということが言えると思うのです。

こうした状況を踏まえて、ガイドラインでは、
「要援護者情報の共有にあたっては、関係機関共有方式の積極的活用が望ましく
  ~ 中略 ~ 積極的に取り組むこと」と明示されています。
私も、関係機関共有方式をメインに据えるか、少なくともこの方式を加味した上で、
要災害援護者の情報を収集するべきだと考えています。
なお、ガイドラインによると、関係機関共有方式の導入については、
「個人情報保護法例に対する理解の不足や
 個人情報保護審議会への諮問に関する事務手続の負担等があり、
 採用していない市町村が多く見受けられた」そうです。
西宮市が関係機関共有方式を導入していない理由は、必ずしも、こうした要因だけでは
ないようですが、現実問題として、いわゆる「災害時要援護者」に該当するにも関わらず
「地域安心ネットワーク」に登録されていない方が、かなりの割合で存在します。
この状況は、非常に大きな問題を抱えていると思うのです。
西宮市「個人情報保護条例」を見てみても、関係機関共有方式を導入するにあたっての
問題はありません。
関係機関共有方式の導入について、検討するべきだと思うのです。
 ※ただし、関係機関共有方式のみで、災害時用援護者の情報収集に取り組む場合、
  個人情報保護の観点から収集する情報の種類が限定されるというデメリットが
  考えられます。
  よって、上に述べた3つの方式を連携して利用するべきだと考えています。

すいません、書きかけの項目ばかりになっているのですが、この項も、もう少し
続けます。